美食を知った闇の夢

美食を知った闇の夢

無敵ロイヤルキャンディ

虹ケ丘家にダークドリームが現れた翌日、ソラ達の頼みにより拓海はダークドリームにおいしーなタウンを案内する事になった。 ソラ達はダークドリームと共に現れた小さいましろ…妖精ましろについて調べ事があると言っていたためだ。

ましろには個体ごとに性格が違う分身体がいて勝手気ままな性格にオリジナルが困らされる事がよくあるのだが、今回現れた妖精ましろには異空間を移動する能力があるらしく、それを専門機関に調査してもらうらしい。ソラ達はそれに同行する為に拓海にダークドリームを託したのだ。

「しかし専門機関って…そんなオカルト話信じるところあるのか?」

「何の話かしら?」

「いや、何でもない。それよりダークドリーム、食べ歩きは初めてか?」

「ええ。あの娘…のぞみがしているのを見た事があるだけね。実際に自分がするのは初めてよ」

「そうか。何か食べたいものがあったら言ってくれよ?それは奢るから」

「ありがとう、優しいのね」

…まさかこの迂闊な一言が、拓海を後悔させる事になるとはこの時気がつくはずもなかった。




「…見た目以上に食べるんだな」

「ええ。食べ歩きってこんなに楽しいのね。あの娘も楽しそうにする訳だわ」

「あはは…」

ハンバーガー、ラーメン、わたあめ、たい焼きetc…色んな料理がダークドリームの口に吸い込まれていく。シャドウによって作られたダークプリキュア達の中で唯一、プリキュアではなく変身者のコピーなのが原因なのか、のぞみ本人に劣らない健啖家っぷりを発揮していた。思わぬ出費に苦笑いしか出ない拓海。そしてその様子を離れた位置から監視する3つの影があった。

「のぞみちゃんってゴスロリとかも着るんだ…ちょっと意外かも」

「えりか、やっぱりあれって…」

「そうね、前に会った時ののぞみよりバストが1.3cm程小さい…完璧に別人だわ」

「えっ、そうなの!?気づかなかった…。じゃあ拓海くんと仲のいいあの人は一体何者なの…?」

つぼみとえりか、そしてのどか。奇しくものぞみを知るメンツがおいしーなタウンに集まっていたのだ。見ただけで相手のスリーサイズを看破出来るえりかがいた事で惨劇は免れたが、相手が誰なのかは分からずじまい。そろそろ拓海達に見つかる前に退散しようかと思ったのだが…

「お前達、そこで何やってるんだ?」

「(ノ∀`)アチャー」

その拓海本人にあっさり見つかってしまったのだった。



「のぞみさんのコピー!?まさかダークプリキュア以外にもそんな人がいたなんて…」

「ああダークプリキュアってのはあんた達じゃなくてウチのゆりさんを倒す為に砂漠の使徒が作ったプリキュアの事ね。分かりやすく言えばこっちのはチーム名じゃなくて個体名なの。それでも紛らわしいけど」

「それにしてもよく食べるね…。プリキュア5のみんなもよく食べるけど間近で見ると凄いなあ」

「そうなの?…話は変わるけど、あんた達もプリキュアなのよね?のぞみともそれで知り合ったの?」

「はい、ボトムやブラックホールとの戦いの際にはお世話になりました。のぞみさんはカリスマに溢れてて、その言葉を聞いてると自然とわたし達も元気づけられるんです」

「わたしもエゴエゴとの戦いで一緒に戦ったから分かるけど、知ってる人はみんなそう思ってるみたい」

「そうなんだ。やっぱりあの娘はみんなに慕われてるのね…」

「あ、ちなみに。そのシャドウだけどブラックホールに復活させられた時妖精達の反撃によって消滅させられたっぽいです。コフレ達が言ってたわ」

「そうみたいですね。ダークドリームの言ってた非道な一面はあまり見られなかったです。索敵能力が厄介ではありましたけど…」

楽しそうに話す女子達を少し無理して買ったブラックコーヒーを我慢して飲みながら聞きに回る拓海。思ったより早くダークドリームが他人と打ち解けた事に安堵していたのは彼自身の人の良さか。

「それでダクドリー?精神世界?っぽい所でブラックペッパーと一緒に戦ったみたいだけど今の所拓海先輩の事どう思ってるの?」

「ダクドリって私の事?でもそうね、拓海の事は…












大好きな人だと思ってるわ」

「どわぁ!?」

突然の衝撃発言に椅子から転げ落ちる拓海。そしてのどかとつぼみも唖然としている。発言したダークドリームは何が起こったのか理解出来ていないようだ。

「おま、いきなりなんて事を…」

「何が私変な事言ったかしら?初対面の私を本気で哀しんでくれたし、一緒にいて楽しくて笑っちゃうのに」

(また拓海くんの事が好きなライバルが増えた…!)

(まだわたし拓海さんに好きだって事伝えられてないのに!ダークドリームさん恐ろしい人…!)

(もしかしてあたし話の選択ミスっちゃった…?)

この時まだダークドリームは友愛と恋愛の区別がついていなかったのだが、それに気づく者はこの場にはいなかった。

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