『緋色の研究』
Part16 - 82-86アンジェラ「ローラン、この前接待したCa社を調べてみたわ。随分と訳のわからない翼みたいね」
ローラン「不死身の戦闘員の相手はもう勘弁してくれよアンジェラ。叩いても斬ってもびくともしなかったんだぞアイツら……思い出すだけで頭が痛くなる」
アンジェラ「ええ。もう此方から招待状を送ることはないわ。彼らは今後出禁措置ね。……ともかく、詳しく調べてみたら特色フィクサーが七人も在籍していることがわかったの」
ローラン「は?三人じゃなくて?いつの間に四人も増えたんだ??」
アンジェラ「どうやら貴方が図書館に来てから在籍したようね。短期間で特色を四人も……どんな手段を使ったのかしら……」
アンジェラ「ともかく、フィクサーの事なら同じフィクサーの貴方に聞いた方がいいかと思って。調べた限り、彼らはまだ普通の人間のようだし」
ローラン「つってもなぁ……特色フィクサーはどいつもこいつも変わり者ばっかりだ。自分の情報なんて上部のもの以外は大体秘匿してるもんだぞ?お前が期待するほど詳しくはないと思う」
アンジェラ「構わないわ。教えてちょうだい」
ローラン「わかったよ……えーと、じゃあまず『緋色の研究』、本名はシャーロック。情報系フィクサーの頂点だ」
ローラン「受ける仕事は基本的に荒事じゃなくて調査や研究、推理、解析とか裏方仕事だな。一を見て百を推理し答え合わせをするように一つ一つ丁寧に情報をほどいていく。噂じゃ目撃者が誰一人いない殺人の犯人に数時間でたどり着いたこともあるらしい」
アンジェラ「それは戦いは得意ではないという事かしら?」
ローラン「いや全然。普通に敵を杖でぶん殴ったりしてるし、バリ……なんだかの武術も修めているらしい。情報系フィクサーだと嘗めてかかったバカは大体死んでるよ。何よりアイツの持つ杖……本来なら高価なデバイスで使い捨てな筈の特異点技術を無制限に扱える代物だ。確か、重力制御装置だったっけな?戦いを直接見たことはないが、戦った跡地は見たことがある。クレーターの中が赤い染みで染まってたよ」
アンジェラ「G社の特異点技術ね。個人としての繋がりがあるということかしら」
ローラン「そういう話は聞かないな……。たぶん奪い取ったか拾ったかしたんじゃないか?何にせよ戦いになったら団体行動はやめた方がいい。誰だって生きたままトマトピュレにはされたくないだろ?」