綻びを束ねるために(1日目)
注意:スヨーダナ・オルタの事をスヨ。ドゥリーヨダナのことをヨダナ、アキレウスの事をレウス、ルーラーのモリアーティを若モリと略式表示。
―様々な馬に乗ろう―
【というわけでやってきました。広い芝生を再現したシュミレーションルームです】
スヨ「確か馬を連れている鯖がローテーションで使っているのだったか?」
ヨダナ「今日は誰が使っておるのだ?」
「わくわく」「神馬とかいるかな」「面白い馬とかいるかな」「なんにせよ」「楽しみだな」
【おおーい。みんな、ちょっと来て―!!】
「呼ばれて飛び出てきました。呂布です!ヒヒン!」
「お待たせ、マスター!僕に何か用かな?」
「お!なんだ、なんだ?マスター。ちっこいの引き連れてるけど、新しいサーヴァントでも召喚されたか?」
【今は、赤兎馬とアレキサンダーとアキレウスが使ってたんだね】
スヨ「貴殿は本当に余計な事を言うな・・・。しっかり状況判断して言葉を発した方が良いのではないか?アキレウス殿。」
レウス「あん?子供の姿した鯖なんだし、問題ないだろ?」
ヨダナ「アンデルセンのような場合もあるではないか・・・。(こやつ、一度色々叩き込んで教えた方が良いのではないか?ケイローンは何をしておるのだ?)」
「子供扱いをするな!」「我らカウラヴァの百王子!」「小さくなったとしても!」「今は6人しか表に出られなかったとしても!」「大人としての記憶や経験もしっかりあるわ!!」
アレキサンダー「・・・あれ?もしかして君ってドゥリーヨダナかな?どうして小さくなっているんだい?」
【アポロンのせいでちょっとね・・・。】
赤兎馬「おや?あの神様、前もやらかしてシバかれていませんでしたか?芝だけに!」
スヨ「・・・。カミサマと言うのは、理不尽なのが定石であろう。それよりも貴殿たちに頼みたいことがあるのだが」
ヨダナ「この姿で馬に乗ったらどうなるのか試したいと弟たちが言うのだが、霊基異常のせいか馬が呼べん。他の英霊の馬にも乗ってみたいと思っておったし、借りられんか?」
レウス「あー・・・。じゃぁ、詫びと言っちゃあ何だが俺の戦車に乗るか?陸地のまま駆け抜けて速度調整もしっかりするぜ!」
「・・・むぅ」「そこまでいうなら」「仕方ない」「この件はそれでうやむやにしてやろう」「何人ぐらい乗れるんだ?」
レウス「もともと一人用だが、俺が手綱を引いたとしてもそのサイズなら3~4人くらいは乗れるかもな。」
アレキサンダー「ブケファラスも賢い子だから、他の人を乗せるのも問題ないさ。そのサイズだと僕も一緒に乗ったほうがいいし、乗るなら1人づつかな?」
赤兎馬「この呂布、質実剛健で知られているので、振り落とすなどありえません!居心地のいい乗り心地を提供する自信は誰よりもありますとも!・・・所で報酬に人参とかもらえたりします?」
スヨ「赤兎馬に乗るなら私が背もたれとして一緒に乗ったほうが更に安全か?」
【もちろん!ちゃんと厨房には伝えとくよ。】
レウス「じゃあ、俺の洗車に乗りたい奴はこっちにこい!速度を落としたとしても最速の異名が分かるような走りを見せてやるぜ!」
「「「「乗る!!!!」」」」
ドゥルヴィローチャナ「俺はまずはブケファラスに乗ってみたいかな。お願いできるか?」
アレキサンダー「もちろんさ!いい風をお届けするよ!」
スヨ「お前も乗るか?・・・まぁ、本当に背もたれの役割しかできないがな。」
ヨダナ「・・・。あぁ、そうか。・・・呂布とやらお願いできるか?」
赤兎馬「もちろんです!中国最強の軍人が愛した脚力をお見せしましょう!ヒヒン!!」
その後入れ代わり立ち代わりしながらそれぞれの馬に乗らせてもらって平原を駆け巡り楽しんだ。
マスターは見られなかったと残念がるかもしれないカウラヴァのために写真係に徹した。
―空を浮こう―
スヨ「少しドキドキした・・・。」
「大丈夫か?」「俺たちは何時も乗ってるからなぁ・・・」「初めてだというなら分かるが」「だいぶ堅かったらしいじゃないか」「馬に慣れていた方がいいんじゃないか?」
【初めて馬に乗ると本当に大変だよね。腰とか脚とか大丈夫?】
ヨダナ「違う歴史を辿ったとしてもわし様だからな。問題なかろう。」
「あら?こんなところで何してるのあんたたち?(時々キョロキョロ周りを見渡しながら廊下を浮いて進んでいる)」
【イシュタル!どうしたの?探し物?】
イシュタル「少し不思議な気配を感じて面白いことが無いか探して散歩してるところよ。・・・あれ、あんた、それ・・・。・・・へぇ・・・。面白そうな状態してるじゃない。(マスターからドゥリーヨダナに目線を向けたかと思えば、徐にまじまじと“目”を合わせる)」
ヨダナ「・・・あ・・・。(瞳から光が消え始め空虚な色を宿し始める)」
スヨ「!?ドゥリーヨダナ!!(慌ててドゥリーヨダナの目を塞ぐ)」
【え!?急にどうしたの!?】
スヨ「・・・女神イシュタル、御戯れはよしてください。(ドゥリーヨダナの目と耳を隠すようにして腕の中へ抱え込む)」
イシュタル「本気ならいいの・・・?(にっこりと笑っている)」
ヨダナ「・・・き、こう・・・き。ど、う・・・違、う。・・・か、み・・・・か。く、に。ん・・・嫌、だ・・・。(体がカタカタ震えている)」
スヨ「ドゥリーヨダナ、それは必要のないものだ。」
「兄さんに何したんだ!?」「兄貴?・・・兄貴!?」「この人は俺たちの兄貴だ!!」「大切な“人”なんだ!」「その“目”をやめろ!!」
イシュタル「人間のくせに生意気ねぇ・・・。(スッ・・・と目を細める)」
【イシュタル。やめて。(いざという時のために令呪を構えつつ)】
イシュタル「・・・え~。マスターがそこまで言うならやめてあげる。忠告ついでに言ってあげるけど、それ、他の神も興味持っちゃうと思うわよ?」
ヨダナ「・・・。(くたりと力が抜けている)」
スヨ「・・・ご忠告感謝します。女神イシュタル。」
【・・・空を飛ぶ体験に行くのはやめて、休憩を兼ねてちょっと早いけど食事にしようか】
イシュタル「あら?わたしが抱え込んで浮かんであげましょうか?(ニヤニヤ笑いながら)」
「結構だ!」「アルジュナ・オルタや」「エレナや」「ボイジャーとかの力を借りるからな」「必要ない!」
イシュタル「わたしなら1人でちょちょいとすれば宙に浮かべることくらいできるわよ(ムッという顔をしている)」
スヨ「後で対価を要求するのであろう?そういうことするカミサマ多いからな・・・。」
【あー・・・(色々思い出して遠い目をしている)。・・・まあ、アルジュナ・オルタならドゥリーヨダナの事息子のように思ってるから、変な事要求しないから大丈夫だよ。他の2人は理由付けをしてむしろ無償でやってくれそうなところありそう…。】
スヨ「あの神(アルジュナ・オルタ)、“わし様”の事息子と思っているのか?何故・・・?そういえば父親が必要かと聞かれたことがあったな・・・あれはそういう・・・?いや、訳わからんが???」
「あー・・・」「そういえば」「スヨーダナ・オルタの兄貴は知らないんだっけか?」「いろいろあったんだよ・・・」「一時は俺たちと同じところにいたもんな。あいつ(スヨーダナ)」
イシュタル「無視するなー!!!実力行使で分からせてやる!!金星の女神の実力を見よ!!!」
【うわわわわ・・・】
「おぉ!?」「浮いた!?」「すっご!!!」「これぞ正に」「宇宙空間ってやつか!!」
ヨダナ「・・・う・・・?・・・は?なんだ?浮いておる・・・?スヴァルマン、ドリダクシャトラ、ビーマシャラ、クンドーダラ、チトラヴァルマン!無事か!?(暫くぼぅ・・・とした様に周りを見ていたが、高さが可笑しいことに気が付きスヨーダナ・オルタに抱き込まれた状態のまま慌てて周りを見回す)」
「兄さん!!」「よかった~!」「俺たち無事だぜ~!!」「むしろ楽しんでる!」「兄上のマスターも楽しも~ぜ~!!」
【順応力たっか!・・・スヨーダナ・オルタは平気?】
スヨ「いや・・・ちょっと待ってくれ・・・。神が善意で父親を名乗る、だと・・・?本当に・・・?(ブツブツとつぶやいていて、物凄く動揺している)」
ヨダナ「あ~・・・。大丈夫だが、駄目だな。」
【どっち!!?】
暫くふわふわ浮いて宇宙空間もどきを楽しむ。「どうだ!凄いでしょう!」ってするイシュタルをマスターが褒めたたえて満足したのか元どおりに歩けるように戻る。もちろん写真も撮った。
―美味しい他国のごはんを食べようー
ヴィカルナ「さて!ご飯の時間ですね!!」
「「「「やめろ」」」」
ヴィカルナ「まだ何も言ってないじゃないですか…。ヴァラヴァルダナ、クシャマムールティ、マハーヴァフ、チトラチャパ。ひどいです…。」
ヨダナ「“お前”が美味いからとはいえ普段からカリをステーキにしたりゲテモノを食おうとするからではないか?」
ヴィカルナ「それは“悪魔の僕”でしょう!?」
【じゃぁ、ゲテモノ料理食べたいとは思ってないの?】
ヴィカルナ「それとこれとは別です(キリッとした決め顔をしている)」
【語るに落ちてるんだよなぁ…。ところで、スヨーダナ・オルタは大丈夫なの?】
スヨ「ダメです・・・。(机に懐いてしまっている)」
ヨダナ「放っておいた方が良いぞマスター。ところで、今日の料理を担当していたのは誰だ?」
【今日のメインはエミヤとブーティカかな】
「この前は兄貴日本料理食べてたよな」「うどんだったか?」「じゃあ今日はブーティカに頼むか?」「彼女、キッチンの古参らしいからきっとうまいぞ!」
「今日のブーティカのメニューはローストビーフだったよ。」
スヨ「あぁ・・・ユッダか・・・。ユッダにあれを渡せば何とかなるか・・・?(のそ・・・って緩慢な動作で顔を上げて誰かを確認している)」
ユッダ「すごく・・・萎れてるね・・・?大丈夫か?」
ヨダナ「これはしばらくどうにもならんぞ。それよりもユッダ、食事を運んできてくれんか?わし様はここから離れられんし、スヨーダナ・オルタがこうなのでな。」
ユッダ「・・・分かった。任せて」
【1人だと大変でしょ。手伝うよ】
スヨ「私の分は要らんからな…(まだ机に懐いている)」
ヨダナ「わし様も多分普段通りには食べれんから少なめでな。」
「普段は兄貴だけだからなぁ」「どれくらい食べられるんだ?」「分からん・・・。」「でも食べてみたい・・・。」「楽しみですねぇ・・・。」
ユッダ「うーん・・・。とりあえずマスターの分含めて4人分くらいにしておくよ」
この後結局ヨダナとヴィカルナが1/2、ヴァラヴァルダナ・クシャマムールティ・マハーヴァフ・チトラチャパがそれぞれ1/3、残った2/3をユッダが食べた。
みんな「うま~い!」って感じで食べたのでブーティカはニコニコ見守ってた。写真は以下略。
―遊びたいー
ユッダ「スヨーダナ・オルタ、本当に大丈夫なのか?」
スヨ「ここで伝達しておきたいからな。気にせんといてくれ…(顔色がどことなく悪い)」
「さて」「こういうとき」「確かどこかの国ではかける言葉かあると聞く」「んっふっふっ・・・」「せーのでいくぞ!」
「「「「「たのもー!!!!!」」」」」
「ひぃ!?な、な、な、なんなんすかー!?」
【・・・道場破りかな?ごめんね、ガネーシャさん。お邪魔しまーす。】
ガネーシャ「マスターまで!?何なんすか、もー!!」
ヨダナ「こやつらが、現代の遊びであるゲームをしたいというのでな。カルナ曰くおぬしはゲームの腕が世界級というではないか。学ぶのは矢張り強いものから学ぶのが良いからな。」
ガネーシャ「・・・。カルナさんのバカー!ほぼ初対面の相手にどう相手しろって言うんすかー!」
ヨダナ「カルナは馬鹿ではないぞ(ムッとしながら)」
ガネーシャ「知ってるっすよ!そうだけど、そうじゃないんす!」
スヨ「・・・あぁ~。なるほど?」
「カルナって言葉足りないからなぁ・・・」「煽ってんのかな?って聞こえる言葉もあるよな」「信頼した相手の事をこれくらいならできるだろうって目線で見てくることもあるし」「上げて落とす、もするもんな」「“被害者”かぁ・・・ドンマイ。」
ガネーシャ「ぐぬぬぬぬぬ・・・。」
【DOU DOU。・・・ゲームの事はそこまで詳しくないし・・・ガネーシャさん。お願い、できないかな?】
ガネーシャ「ゲーム教えるくらいならいいすけどぉ・・・。うまく上達しなくてもボクのせいにしないでくださいっすね~・・・。」
ヨダナ「向き・不向きがあると言うしな。わし様たちは初心者なのだし、そこまでとやかくは言わん。」
ガネーシャ「とりあえず、ちょうどボクがやろうとしてたゲームがあるんでやってみるっすか?対戦ゲームでもあるんで人数多くても楽しめるすよ。『アルトバイク』っていうレースゲームっすね。」
「アルトバイク?」「レースゲームってことはバイク使うのか?」「・・・なぁ、これってもしかして」「○リオ・・・」「気が付かなかった方がいいんじゃね・・・?」
【君たちは何も気が付かなかった。良いね?】
スヨ「とりあえず私たちは観戦者に徹するからな。」
ユッダ「えっ!?(少しショックを受けたような顔)」
ヨダナ「おぬしもやりたいのか?」
スヨ「・・・伝達がしっかり終わったらな。」
「俺たちが先にやって」「コツをつかんで」「コテンパンにしてやるから」「ゆっくりでいいぞ」「しっかり伝達しろよな!」
ユッダ「・・・手加減してよね…。(心なしかションモリしているように見える)」
ガネーシャ「それじゃぁ、コントローラー配るっすよ~。」
「「「「「よろしくおねがいしま~す」」」」」
5つの小さな手が元気よく挙がり、ガネーシャの後を追いながらとことこテレビゲームのある場所に移動する。
【良いお返事・・・。何時もこのくらい素直だったらなぁ】
ヨダナ「体に引っ張られているのかもしれんな。・・・というか、わし様たちはいつも素直だとは思うのだが?」
ユッダ「やりたいことに関しては素直だよね」
スヨ「意味が違くないか?」
マスターとドゥリーヨダナはのんびり後ろのテレビ画面が見える位置で観戦しながら話している。テレビゲームから離れるように移動してスヨーダナ・オルタは今までの経緯とドゥリーヨダナの現在の状況、手に持っている道具を持ってどうすればいいのかをユッダに小声で説明し始める。
ガネーシャ「それじゃあ、ゲームにそれぞれ自分の名前を入れてくださいっすー。」
「アヌヴィンダ」「ウルチナーバ」「ジャラーサンダ」「ウパナンダガ」「ガヴァチィ」
「「「「「これでいいか?」」」」」
ガネーシャ「次にそれぞれ乗りたいバイクを選んでくださいっすー」
【バイクの機種たくさんあるんだね。】
ヨダナ「番号が飛んでおるから、やりこむともっと機種が増えるのではないか?」
ガネーシャ「そうだと思うけど、まずは初期の装備でどれくらいは走れるか実際対戦するっすよー。」
「「「「「お前には負けないからな!」」」」」
【ちょっと青春っぽくみえちゃうな・・・。】
この後ガネーシャのアドバイスを聞きながら、色々なステージを開放して自分好みのバイクの機体を探し出し始める。伝達を聞き終えたユッダもゲームに加わって最終的にアヌヴィンダ、ウパナンダガ、ガヴァチィ、ユッダ、ジャラーサンダ、ウルチナーバの順でゴールした。
―悪だくみ・・・?―
スヨーダナ・オルタはユッダに「後は頼む・・・」と言ってふらふらしながら自室の方角へと足を進めていった。それを見送って8人は目的の人物がいる部屋に突撃した。
ドゥフシャーサナ「最近俺たち悪属性としてみられて無くなってる気がする。特に俺は胃痛枠としてみられることが多い。(床に置いた大きな立てかけタイプのホワイトボードを背にして腕を組んでいる)」
【あ~・・・(今までの事を思い出して遠い目をしている)】
ユッダ「“ヴィカルナ”に“おまえ”が振り回されているからでは?」
ヨダナ「悪魔のヴィカルナ、なんであんなにはっちゃけておるのか・・・。まぁ元気なのは良い事なのだが」
「兄上、兄上~!」「俺も俺も~!」「俺も元気だぞ~!」「褒めろ褒めろ~!」
ヨダナ「分かった、分かった。並べ、並べ。」
「「「「えへへへへ~。」」」」
ドゥフシャーサナ「ずりぃ!俺も!!」
ヨダナ「うむうむ。・・・おぬしもこい」
ユッダ「えっ!!?・・・えーと・・・おじゃまします?」
若モリ「そんなに団結力あるのなら、僕の意見なんて必要ないんじゃないかな?(座布団のような物の上に座って目線を合わせやすいようにしてくれている)」
「「「「「それは駄目だ」」」」」
ヨダナ「わし様たちだけだと意見が凝り固まる可能性があるからな。第三者の意見があったほうが良い」
ユッダ「悪だくみ、得意なんでしょ?それとも、もう一人の貴方に聞いた方が良かった?」
【ほどほどでお願いね!絶対後で面倒なことになるから!】
若モリ「年老いた僕に負けるわけないだろ!いいだろう、つきあってやる!!」
ヨダナ「(ちょろいな、こやつ。まぁ、年老いた方でもマスターが頼めばどうにかなりそうな気がしてしまうのはりあえず黙っておくか)」
ユッダ「(なんか、良い情報得た!って顔してるなぁ・・・。後々何かしらで活用しそうな気がする・・・。ま、ドゥリーヨダナが楽しそうならいいか・・・。)」
「イメージを払拭する方法かぁ・・・」「聖杯戦線やるか!」「ガネーシャ神やカルデア職員がやったことあるから“悪属性”って感じでは無いんじゃないか?」「怖い話開催するとか?」「俺たちが話すと最終的に“インドの神様にドン引き”案件になってしまう気が・・・」
【とりあえず、思いつくことどんどん言ってみよっか】
ヨダナ「雰囲気出すために名札でもつけるか?スローチャナー、ドゥルムカ、ドゥフシャーサナ、サティヤサンダ、ドリダユダもう一度並べ。」
「「「「「はーい」」」」」
ユッダ「マスターと私と君の分は私が作ろう。」
若モリ「なんでもいいから、早く進めさせてくれ。(ホワイトボードに聖杯戦線と怖い話と書き込む)」
その後議論は白熱し、様々な案が出たのでとりあえずは満足した。霊基異常が解決しないと実行はできないから、後日トンチキ特異点が発生するかもしれないし、されないかもしれない。
―5王子(誰でも可)をへこませるー
ヨダナ「うげぇー。ビーマもおるではないか…。」
「「「「「ひぇっ・・・(体に引っ張られたのか思わずヨダナの後ろに隠れる)」」」」」
ユディシュティラ・オルタ「・・・おや。懐かしいですね、その姿。」
ビーマ「また、変なことに巻き込まれたのかよお前ら」
アルジュナに会いに来て偶々居たカリ化ヴィカルナ「もしかして、またあのふざけた羊神が原因だったりします?(威圧感のある笑顔)」
アルジュナ「・・・!!スヨーダナは無事ですか!?」
【スヨーダナの方は無事だよ。アポロンの方は・・・多分、アスクレピオスがパンクラチオンの的にしてるかな・・・。】
ユッダ「それぞれのやりたいことを消化すれば霊基異常が解決するらしいから、今カルデアをめぐってるところなんだよね」
ユディシュティラ・オルタ「やりたあいこと・・・?」
ヨダナ「こやつらは貴様らの誰でもいいからちょっとでもへこんだ姿が見たいと言っておってな。」
ビーマ「・・・はあ?」
ユッダ「正史や最近の出来事でちょっとあれだなと思ったことを言えば、少しでもへこませることが出来るんじゃないかって思って言いに来たところ。」
【解決のためだから、申し訳ないけど、聞いてほしいかな】
ヨダナ「言いたいことを言って何が悪い。ほら、お前たち何か言ってやったらどうだ。」
ディールガヴァフ「や・・・やーい、お前の弟警告無視して水飲んでタヒんだ~」
アロールパ「や・・・やーい、お前の弟女装してる~」
ソーマキールティ「や・・・やーい、お前の父親分かってたはずなのにやらかして呪いでタヒんだ~」
ヨダナの後ろに隠れたまま、プルプル震えながらも声を張っている。
ユディシュティラ・オルタ「うぅ・・・。全部正史の事実なだけに、何も言えない・・・。」
アルジュナ「なんで、女装してたこと知っているんですか!!?」
「「「「「ヴィカルナがお前に教えてもらったって話してたぞ」」」」」
アルジュナ「ヴィカルナァアァァアァア!!!(半泣きでカリ化ヴィカルナを睨む)」
カリ化ヴィカルナ「本に載ってるからいっかなで話したパターンだね。載ってなくて知ってることは話さなかったから別にいいでしょとも思ってるな、素の俺。(全く動じずに平然と答えている)」
【アルジュナ、(ヴィカルナだからこそグチの延長で話したかもしれないのに全員にバラされて)かわいそぉ・・・。聞かなかったことにしておくね・・・。】
ヴィヴィツ「や・・・やーい!お前たちのせいで別の兄貴が偽王って名乗ってるー」
ビーマラタ「や・・・やーい!クリシュナのガバガバ人数判定で別の兄貴が機構化しやがったー」
ヨダナの後ろに隠れたまま、プルプル震えながらもほんの少し苛立ちを込めて叫んでいる。
【それはこっちにもダメージ来るからやめて!!!】
ヨダナ、百王子5人、カリ化ヴィカルナ「「「「「「「???????(顔を見合わせて、さっぱりわからんの顔)」」」」」」」
ビーマ「何で不思議そうなんだよ、お前ら…(偽王時空のヨダナを見て情緒がぐちゃぐちゃになった前科があるためしわくちゃな顔をしている)。」
ユッダ「偽王時空はともかくとして、悪魔の時空は最終的に“悪役”倒したんだからハッピーエンドじゃん?っていう判定の顔だね。(同じく何で傷付いてるんだろう?って顔をしている)」
【うそでしょ・・・】
アルジュナ「マスター、彼らの認識はそうそう変わりませんよ…。何度説明してもこうなんですから・・・。」
ヨダナ「わし様たちが別側面のわし様たちに思うことがあったとしても、何故それで貴様らが傷つくのかさっぱりわからん。貴様らは真面目だから変に悩むのだろうが、もう既に終わったことであろう?」
「とりあえず」「へこんだっぽい?」「前半はともかく」「後半は俺たちが苛立ったこと言っただけなんだけどなぁ」「パーンダヴァの人間良く分からん」
【・・・わ・・・わぁ・・・】
ユッダ「解決したんなら次行くべきじゃないか?(ちらりとヨダナの弟たちの足元を見る)」
脚の方から薄っすら透けてきてる様を目撃したらここにいるみんなの情緒がぐちゃぐちゃになるかもと思い、マスターは慌てて【後で詳しく説明するね!】とだけ言ってドゥリーヨダナ達を引きずりながら退出した。
―本を読んでもらうー
【あれ?ドゥリーヨダナの自室、なんかいつもとちょっと違うような・・・?】
ユッダ「多分、スヨーダナ・オルタが夢の中で干渉されないよう何かしたんじゃないか?」
ヨダナ「少なくとも、何らかの香を焚き込めているようだから、マスターが感じた違和感はそれではないか?」
【そうなんだ・・・。】
部屋の中を移動してユッダの手助けを借りながらベッドへとよじ登る。そうしてドゥリーヨダナの自室のベッドの上で真剣な顔の弟たちが本を差し出した。
「カルデアにある時計を見るに、もうそろそろ就寝の時間に近いので」「俺たちで兄貴に何を語ってもらうのかを中でずっと語り合って」「時には殴り合って」「時には手を取り合って」「最終的に決まった本なんだ。読んでくれるよな。」
ヨダナ「嵐のように煩かったいくつかはその声だったりするのか・・・?」
【そういえば、スヨーダナ・オルタも言ってたけど、嵐って何なの・・・?】
ユッダ「多分知らなくてもいい事だよ、マスター」
ヨダナ「読んでやるから、渡せ。クンダヴェーダ、ドリダサンダ、ドリダハスタ、ドゥツサハ、ドゥルマルシャナ。もう少し近くに来い。ユッダはベッドに座れ。マスターは聞きたいのならそこら辺にある椅子にでも使ってもよいぞ。」
【待って、待って!ナーサリーたちに密かな人気になってたから読み聞かせ気になってたんだよ。直ぐに準備するから!!】
ヨダナ「わし様、気は長くないぞー。(背もたれにするクッションをいい感じのフィット感にするために本を横に置いてこねこね積み上げている)」
【お待たせしました!!】
「すごいなマスター」「素早い動きだ」「日本にいるっていう噂の忍者と言うやつにでも教わったのか」「全力ダッシュって感じだったぞ」「何が何でも聞いてやるという気概があっていいな。」
ヨダナ「うむ。待たせまいとして素早く動く。お前はえらーい。・・・さて、では読み上げるとするか。それでは。はじまり、はじまり・・・。」
いつもの快活な感じが鳴りをひそめ穏やかな口調で物語を語り始める。台詞のところは臨場感たっぷりに登場人物の気持ちを代弁しているのではないかという迫力を持っていた。ハラハラ・ドキドキしながらも穏やかな時間は過ぎ去っていく。
ヨダナ「そうして、その世界の幕は閉じましたとさ。・・・おしまい。」
【すっっっごかった!また聞きたい!!】
ヨダナ「わし様の気が向けばなー。」
「「「「「・・・・・。(ほぅ・・・とため息をつきながらも眠たそうにうつらうつらしている)」」」」」
ユッダ「・・・そろそろ寝よっか」
ヨダナ「・・・うむ。クンダヴェーダ、ドリダサンダ、ドリダハスタ、ドゥツサハ、ドゥルマルシャナ。おいで。」
「「「「「・・・ただいま」」」」」
穏やかな声が同時に響き、光がドゥリーヨダナの胸元に吸い込まれていく。だが、新たな弟たちが表に出てくることはなかった。
【あれ?弟さんは?】
ヨダナ「後は寝るだけだからな。明日になれば、また出てくると思うぞ。」
ユッダ「私もこの部屋で寝るつもりだし、マスターは明日の朝また来ればいいんじゃないかな。」
【・・・分かった。明日の朝、直ぐに来るから待っててよね。それじゃぁおやすみ。(心配そうにしながらも退出する)】
ヨダナ「ゆっくり寝るのだぞー。」
ユッダ「・・・ほら、ドゥリーヨダナ。(ベッドに横になってポンポンと胸元辺りを叩く)」
ヨダナ「・・・むぅ。小さくなければ、わし様が抱き込んでやるのだが…。」
ユッダ「まぁ、たまにはいいだろう?それにこの方が影響が限りなく少なくなるらしいからね。」
ヨダナ「分かっておるわ。お休み。ユッダ。」
ユッダ「お休み。みんな。」