続・狐魅いる御巫
それからしばらくの時が流れ、適齢期を迎えた二人はいよいよ婚礼の儀行ったことでフゥリに施された避妊の秘技が解かれることになった
少年がそれに昂らないはずもなく、フゥリを孕ませようとこれまで以上に激しい行為に及んだ
当然ながらこれまでのように毎日のようの少年の相手をさせられ続けたフゥリはその身に子を宿した
「ハレちゃんとニニちゃん、元気かな…」
フゥリは暇つぶしにくるくると玉を指の上で回す
同じ御巫である友人たちもフゥリ同様に子を為すために望まぬ結婚をした相手と交わっているのだろう
知っても辛いだけだからとことの詳細は話さないと定めているが、自身がどのような扱いを受けていたのかを顧みれば想像するのは容易い
彼女たちも子を身籠れば昔のように一緒にいるのが難しくなるだろう
フゥリにとって彼女たちの存在は唯一の癒やしであり、彼女達にとってもフゥリは大切な親友だった
フゥリにとっては幸せとは言えない妊娠期間において唯一の幸いは少年が手を出さないことだ
甘えるようにすり寄ってきたり、身体を求める素振りをみせてフゥリを困らせることもあったが決して無理強いはしなかった
それもあってかフゥリは不自由することなく無事に出産することができた
「かわいい女の子です」
フゥリは絶望した
男児であれば家の後継者として扱われ、大切に育てられることは間違いないだろう
だが女児は違う、御巫としての才能は血筋によるものが大きい
だがらこそ、自分たちはこれまで神の権威を得ようとする権力者によって支配され、それによって家を存続させきたた
望まぬ出産とはいえ、自身の血を分けた我が子には幸せであってほしいという想いはあった
「若様、おめでとうございます」
「やったぞ!ついにやった!これでフゥリは完 全に俺のものだ」
少年は興奮を抑えきれない様子で声を張り上げる
元より子を為すために親から定められた婚姻
もし期間内にフゥリが妊娠をしなければ無理矢理離縁させられ彼の弟にフゥリを奪われるところであった
「なあフゥリは俺のものだからちょっとぐらい俺が飲んでも問題ないよな?」
そういって少年は出産の影響で硬く張りつめたフゥリの乳房にしゃぶりつく
「そんな…いきなり…」
少年はフゥリの静止を無視して赤ん坊の横で乳首を強く吸う
「あんっ」
フゥリは甘い声で喘ぐと少年はさらにもう片方の胸も揉みほぐす
「なあ、硬いってことはまだ出せるんだろ。飲ませろよ」
フゥリは観念した
正式に婚姻を結ぼうと、子を産もうと彼と関係はなにも変わらず従うよりないからだ
フゥリは赤子に与えるのと同じように少年に母乳を与える
「んっ……ちゅぱ……ぴちゃ……ごく」
少年は夢中になって吸い付く
「おいしい…ですか?」
「ああ、最高だ。フゥリのおっぱいミルクは甘くて美味しいよ」
フゥリはその言葉に顔を引きつらせるが不思議と不快感は思っていたよりはなかった
「俺、妊娠中もフゥリを犯ししたくて仕方がなかったけど、ちゃんと我慢したんだ。だから褒めてくれよ」
少年はフゥリの胸に吸い付きながら言う
「えらいえらい」
フゥリは子供をあやすような口調で言う
犯されたばかりのころと比べれば嫌悪感を抑えて自然な表情を作れるようになったが、これには気持ち悪さが勝り表情がぎこちない
少年が母乳を吸うことに夢中であるためバレていないことが幸いか
「へへっ、じゃあさご褒美をくれよ。そのままおっぱいを飲ませながら、俺のチンポを手で扱いてイカせてほしいんだ」
「はい……」
フゥリは少年のズボンを下ろし肉棒を取り出す
「ふふっ、こんなに大きくなってる。おっぱいで興奮してくれたんですね」
フゥリは優しく撫でるように刺激を与えていく
「ああ、フゥリのおっぱいがエロすぎるからだよ」
「んっ、ああっ…嬉しい。もっと気持ちよくしてあげますね」
フゥリは少年を射精に導くためさらに激しく扱きあげる
「くっ……出る」
「いいですよ……いっぱい出して下さい」
少年はフゥリの手の中に欲望を吐き出すと彼女はそれを口の中へと運ぶ
「フゥリのミルク最高だったよ」
「はぁ……若様のミルクも……おいしいです」
ちっともおいしくはないが、何度もやらされて慣れきってしまったのかフゥリは気づけば少年に指示をされなくても自ら進んで行うようになっていた
「俺しばらくフゥリとセックスしてないから下手になってるかも…だから応援してよ」
フゥリは少年を抱きしめ彼の耳元で囁く
「がんばれ♡がんばれ♡おちんちんおっきくできて偉い、偉い♡」
フゥリは少年の肉棒を鼓舞するように擦ると少年は再び硬さを取り戻していった
少年はフゥリを押し倒すと、膣内へと挿入する
「んっ…あぁっ……」
フゥリは久しぶりの感覚に歓喜の声を上げる
「フゥリのまんこも締まっててキツいな……」
「がんばれ♡がんばれ♡おちんちんがんばれ♡いっぱいへこへこがんばって中でびゅーってだして♡」
フゥリは我ながら雑すぎる応援だなと思ったが少年は喜んでくれたようで腰の動きが激しくなる
「フゥリはもう一生俺のものだからな。一人で終わると思うなよ。何度だって孕ませてやるからな」
「あんっ…ありがとうございます。んぐう、ああん…私は一生若様のものですっ。私の子宮は若様専用の精液袋ですう」
うわ言のように吐き出されるフゥリの言葉に愛はない
だが打ちつけられる度にフゥリの肉体は歓喜の声をあげる
屈伏され、支配されることを当然のものとして受け入れている
持って生まれた穢た血のなせる業か、あるいは自身にそういった素養があるのか、それはフゥリにもわからない
「フゥリ!好きだ!愛してる!」
「はい!私も若様のことが大好きです!」
フゥリが少年の歪んだ愛を脳で受け取る前に出力された言葉は以前と変わらない空虚さを伴わせている
しかし快楽に呑まれ熱と甘さを内包したその叫びは少年の心を満たさんとする
「イクッ!出すぞ!全部受け止めろよ」
「はい、来てくだしゃい。中にたくさん出してぇ。また赤ちゃん産みたいのぉおお。」
フゥリは膣内に大量の白濁を流し込まれると同時に絶頂を迎える
少年は行為を終えた後も甘えたりないのか再びフゥリの乳房にむしゃぶりつく
「フゥリ、フゥリ」
それは先程のような自身を蹂躙した肉欲は感じられず、愛に飢えた赤子のようであった
フゥリはまだ純粋であった頃の彼を思い出し気づけば自然と頭を優しく撫でていた
フゥリは考える
もし自分が御巫でなければ、彼と違った出会いをしていればもっと違う関係、それこそ本当の夫婦のような関係を築けたのではないかと
だがそんなものは詮無きものだとフゥリは切り捨てる
この男が自分にした仕打ちは今でも傷として心に深く刻まれている
これ以上彼との心の距離が縮まることはないという確信があった
壊れた器に水を注いでも溢れるだけなのだから
しかし、フゥリにとって思わぬ変化が訪れる
オオヒメの依代に選ばれたのだ
フゥリは儀式を見守る人々の表情を見渡す
義父は己の家の繁栄を確信しほくそ笑んでいる
父と母は珠の家が安泰であることに安堵している
ハレとニニは悔しそうにしながらもフゥリを祝福している
我が子は母親の晴れ舞台であることを感じ取ったのか笑顔で手を叩いている
フゥリは彼らが何故喜んでいるかがわからない
自身が依代として消えて神を拝めるのがそんなに嬉しいのか
舞は好きだ
友と競い合いながら高め合い、技を磨いていくのは心地よい
だがハレやニニのように一時的とはいえ自己を神に捧げることを美しいとは思わない
フゥリはその感情を周囲にひた隠しにしてこれまで生きてきた
その考えが異端だと知っていたから
ふとフゥリの瞳に少年が映る
彼は酷く悲しそうな顔でこちらを見ていた
フゥリとの子を作り、フゥリがオオヒメの依代になれば彼の家はより盤石なものとなるというのに
はあ、とフゥリは溜息をつくと同時に心の中で温かいものが込み上げる
向いている方向は違えどもフゥリははじめて彼と気持ちを共有できた気がした
たとえそこに真なる愛がなくとも互いに特別な存在なのだと