続きかもしれない
目が覚めてから体が熱く気怠い。更に景色の彩度は上がり、布の擦れる音でも敏感に感じ取り取り様々な匂いも明確に嗅ぎ分けられてしまう。この感覚は何度も経験していて、その原因も理解している。
発情期が来たのだ。
人でありながらも獣としての特性を持ち合わせている獣人、その特性は外見のみならず習性及び体質等も程度が違えど反映される。そして、獣人全てに反映される特性と言うのが発情期だった。とは言えその容態は千差万別であり、重い物だと理性が欠落するものもあり、また軽ければ発情期である自覚がないものもある。
そしてフェリジットの場合は症状は重いが性欲自体はそこまで掻き立てられるものではなく外的要因に興奮しやすいという事も無かった、ただそれとは別に厄介な症状があった。
「んっ…また出てる…」
胸に布が張り付く感触、フェリジットが胸元に視線を向ければ、その先端が濡れており、2つのシミが出来上がっていた。端からこうだった訳ではない、数年前から突如として発情期の際に母乳が出るようになったのだ。この事実はキットさえもしらない秘密となっていた。
「…はぁ、またやらなきゃ…」
そう言って床に座り込み、自分の目の前にバケツを用意する。そして上半身の服を脱げば、服から解放された豊かな胸がたゆんと揺れる、その胸はいつもよりもやや大きいようで、いくつもの青筋が走っていた。そして意を決したように自身の胸に手を添え、搾り始めた。乳首の先からトロトロと母乳が垂れ、少しずつバケツの中にこぼれ落ちる。
「っ…くっ…はぁ」
フェリジットの顔に苦痛の色が滲む、無理も無かった。その胸は母乳によって非常に張っており、少し押しただけで痛みが伴う。更に敏感にもなっている為、少し力を入れて揉むだけで感じてしまいまともに搾り出す事が出来ない。だが絞り出さなければ余計に痛みが伴い、どうであろうと痛みによる拷問を自ら与えるような状態だった。
ただ、どっちも苦しいなら後から苦しまないように出すことを選んだ訳で、今の苦痛を我慢してさらに強く胸を握った
「あ゛ぁっ…!」
苦虫を噛み潰した様な苦しい声が喉から漏れてしまう、こうなる度に自分の体質を呪いたくなる。そんな状態のフェリジットが、背後に迫る気配に気が付けるわけがなく、背後にある部屋の扉が勢い良く開け放たれた。
「どうしたフェリジット!?大丈夫、か…」
「……ふぇ?」
シュライグが部屋に入ってきた
―――
拠点の一角で、シュライグとルガルが何かを話している
「フェリジットはどうした?」
「発情期で寝込んでいるらしい、キットから聞いた。」
「そうか、もうそんな時期が…俺たちはかなり軽いからまだ良いが…」
フェリジットの症状が重いのは二人とも知っていた。
「そういえばよぉリーダー、フェリジットの所に行かなくてもいいのか?」
「だめに決まってるだろう、一時の欲に漬け込んで目合うなんて、恋人であっても許されない。」
「…いや、別にヤりに行けなんて一言も行ってないんだが?」
「…忘れてくれ///」
「ほぉ〜」
その言葉を聞いてルガルは感嘆の声を漏らす。
鉄獣戦線では我らがリーダーであるシュライグが、硬派に見せかけた恋愛に非常に疎いクソボケである事は周知の事実である。だからこそあの時のフェリジットの言葉を聞いた者達は皆驚いた。一瞬何事かとは思ったが、キットの一言で皆祝福し始めた。二人は倒れ込んで動けなかったが。そしてその後に盛大にパーティーを開いた、そこで聞いた話だが、シュライグもフェリジットが好きで両片思いの状態であり、且つお互いの好位には一切気がついていなかったらしい。
それはさておき
「ともかく、見舞いくらいには行った方が良いだろ?」
「だが…」
「えぇい、迷う位なら行け」
「…俺が我慢できるか…」
「しろ」
「むぅ…わかった」
と言う訳で、自分が我慢できるかどうか悩みながらフェリジットの部屋に向かうシュライグ、自分が襲われるなんて一切考えていないのである。そんなこんなで部屋の前まで来たわけだが
「あ゛ぁっ…!」
苦しそうに呻く声が聞こえた。そして、考えるよりも先に身体が動いた。
「どうしたフェリジット!?大丈夫、か…」
「……ふぇ?」
そして今に至る
―――――――
気付かなかった、シュライグが近づいて来ていたことに。そして見られてしまった、私の羞態を、一番知られたくない人物に。
等のシュライグは私を見て固まっている。無理もない、こんな姿を見れば誰だって混乱するだろう。暫くの沈黙の後、シュライグが口を開いた。
「その…すまない……そうなった理由を聞いてもいいか?」
気が動転したのか、恋人としてほっとけなかったのかは分からない。ただ、今の私は相当参っていたのかもしれない。シュライグには話しても良いと思って、自分の体質を話すことにした。
―――――――――――――
「…そう、だったのか…」
「……うん」
「聞いて悪かった、言いたくない事だったろうに」
「ううん、貴方だから話したのよ…」
話を聞いたシュライグはバツが悪そうだった。だけど、私は話したおかげで、心が楽になった気がした。相変わらず胸は苦しいままではあるが
「その、何だ…俺に出来る事があれば…何でもする。出ていってほしいなら今すぐ出ていく…」
「えっ?」
今、何でもと言った?だとすれば、これを頼めるかもしれない
「ならさ、シュライグ…
搾って…私のおっぱい///」
「」
シュライグは再び固まった。
――――――
今シュライグは胡座をかいており、私はその中に収まるようにして、シュライグの胸に背中を預けて座っている。
「…本当に良いのか」
「何度も言わせないで…シュライグだから頼んでるのよ///」
「…だが」
「何よ、いっつも私のおっぱい吸ってるくせに///」
「ぐっ…」
シュライグを黙らせ、自身の搾乳の手伝いをさせる。何時もの自分ならとんでもない事だと思うだろうが、発情期によって正常な判断が出来なかった。
「こ、こうか?」
「いっ!?」
「っ!す、すまない」
「だ、ダメッ、やめないで…///」
自分の胸に指が食い込み痛みが走る、その反応を見たシュライグは咄嗟に手を話そうとするが、それを何とか止める
「…わかった、なら」
「んっ///」
そう言うと、先ずは私の胸を優しく撫で始めた。ゆっくりと馴染ませるように、痛みを和らげるように優しく丁寧に、時折乳首の近くを指が掠めるが絶対に触れない。
「…痛くないか?」
「んぅ///」
シュライグが掌で胸を持ち上げ、そして胸に添わせてゆっくり滑り落とす。その行為に痛みはなく、気持ちよくて、でもそれ以上にもどかしくなった
「あっ…はぁ♡」
段々と乳首が疼き始め、熱く固く主張し始める。まだ弄られていないのに…いや、弄られていないからこそより疼きが募り自身の存在を主張する。
「シュライグぅ…」
「痛いか?なら一旦止める」
「んうぅ…違うのぉ/// 」
乳首も弄ってほしいと頼もうとするが、何時ものクソボケが発動してしまい頼めず仕舞い、まだまだ乳首への焦らしは続いたままだった。
そして、その我慢の限界に達しそうになった時
「…はぇ?///」
トロトロと乳首の先から母乳が流れ始める。
両は少ない様だが、これでも自分自身で搾った時と同等の量が溢れてる、ただ胸を撫でられただけでだ
「な、なんで?/// 」
「…そろそろ、良さそうだな…」
「えっ?」
困惑している私を他所に、シュライグは次の段階へと移行する。この時の私は、欲に染まったシュライグの瞳に気がつけなかった。
両手を私の乳首に添えて、両方の乳首を指で強く握りつぶした。
「お゛ほぉぉぉぉぉぉぉ!?♡♡♡♡」
ブシゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ
今までにない程の快楽を受け私は絶頂し、握り潰された私の乳首から母乳が噴水の様に噴き出した。
「お゛っ♡♡ほあ゛♡♡あ゛あ゛っ♡♡」
ゴリゴリと磨り潰されるかの如く乳首を捻られ、獣のような喘ぎ声が漏れる。無意識に快楽から逃れようとして、身体が弓なりに反るが、それを許さぬように乳首を強く握られおり、かえって己の乳首を引っ張る形となってより一層乳首への快楽を伝えて絶頂の助けとなるだけとなった。
「ハァ…凄い勢いだ…イけばイく程母乳も良く出るのか?」
「はぅ…♡」
そう呟くシュライグの声は私には届かなかった。乳首から手が離れると同時に張り詰めた糸が切れるかの如く力が抜けてしまい、彼の胸に凭れ掛かった。
知らなかった、母乳を絞られる事がこんなにも気持ちいい事だったなんて、彼の手によって痛みさえも快楽に変えられて、私の乳首にそれを刻みつけられてしまった。
「まだ…漏れてるな…ハァ、今度は、一気に搾り出す…」
「ふぇ?///」
だが、そんな余韻に浸る間も無く背中を押され四つん這いの態勢となる。
何か聞こうにもそれも間に合わず、間髪入れずに私の背に覆いかぶさり、両手で輪を作るように包み込む様に胸の根本に手も添えて、その輪を縮めるようにして力強く握りつぶした。
「お゛っ ♡ ♡ ♡ ♡ ♡ ♡ ♡ 」
もう、声かどうかも分からない音が喉から絞り出される。
「ハァ…行くぞ」
そしてゆっくり、じっくりと力を込めて、乳首に向かって搾り込む。
「ん゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛♡ ♡ ♡ ♡ ♡ ♡ ♡ 」
既に乳首は壊れた蛇口の様に母乳を吹き出し続け、水面から弾けた飛沫が床を白い斑点に染める。そしてその手が先端まで到達した時に、その乳首を一際強く握り潰した。
「♡゛♡゛♡゛♡゛」
白目を向いて身体が弓形に反れる、声も出せずに喉が潰れて息が詰まる。
何度も何度も強い刺激を胸に与えられて、絶頂から帰れなくなってしまう。それでも尚意識を手放すことはなかったが、それがかえって快楽に溺れる要因となってしまった。
そして、母乳が出なくなるまでこの行為は繰り返され、私が絶頂から帰って来れたのは、母乳が搾り尽された後だった。
―――――――――――――――
「終わったぞフェリジット…楽になったか??」
そっとフェリジットを胸に抱き寄せてシュライグは問うが、当のフェリジットからの返事がない
「…フェリジット?」
やりすぎてしまったのかと思い、フェリジットの顔を覗き込むと
「…ひっく…うぅ…」
フェリジットは泣いていた
「す、すまない!調子に乗りすぎた!謝って済むことじゃないのはわかってる…だが…」
「違う…違うの…」
自分に非があると思ったシュライグは即座に謝るが、フェリジットはそれを否定した。
「…こんな醜態…シュライグに見せたくなかった…」
そしてポツリ、ボツリと呟いた。
別に信用していないわけではない、シュライグがそれで見限るような男で無いことも誰よりも理解していると豪語できる。
だが、それでもやはり、自分の酷い所は見せたくない、それが自分を愛してくれている恋人であるなら尚の事、自分の綺麗な所だけを見てほしいものである。
だがどうだ
羞態どころか醜態まで晒し、獣のような声を上げてイき狂った。これ以上に酷い事があるのだろうか
背けたい事実と嫌な想像が積み重なって、フェリジットの心と気分は地の底までへも沈み込みそうな程だった
「もう嫌…あんな醜い姿を晒して…シュライグの恋人で居られる筈―――」
だが、その言葉は最後まで紡がれる事は無く、シュライグのキスによって防がれてしまった。
「…そんな事言わないでくれ」
「でも…」
「俺は一度たりともフェリジットが醜いなんて思った事はない。寧ろ何度見ても見惚れてしまう。」
「…でも、体もおかしいし…」
「それは発情期のせいだ、おかしくなって当然だ」
「…酷い所を晒して…」
「片羽なんかよりはずっとマシだ。フェリジットだって、片羽の俺を受け入れてくれたじゃないか」
「…もう、こんな時にも自分を卑下しないで」
この男は相変わらずだと思った、だがシュライグの言葉によって不安が溶かされ安堵の気持ちで満たされる。
だからこそ
少しずつ、フツフツと湧き上がる自分の欲情にフェリジットは気が付けなかった。
―――――――
シュライグに抱きしめられてる。シュライグに包まれている。シュライグの、匂いが―――――
彼の胸元に顔を擦り付け、彼の匂いを堪能する。息を吸う度に鼻孔を擽り、肺を満たして、少しずつ溶けていく理性が粘っこく私の心に纏わりついて、私の欲情を掻き立てる。
それはどんな媚薬よりも強力で、私を虜にして、理性を蝕む。
何故知らなかったのか、何故気が付かなかったのか。もっと、もっと彼を感じたい。もっと彼に私を求めてほしい。もっと乱暴に、欲望のままに――――そんな思いが募り続けて息が荒くなり、また胸に違和感を感じた
「フェリジット、大丈夫か?」
違和感を感じたであろうシュライグが声をかける。だが、当のフェリジットは、その言葉を引き金にシュライグを押し倒して馬乗りになった。
――――――
「はぁ…はぁ♡」
「フェリジット?き、急にどうした?」
私に押し倒されてシュライグが戸惑っている。そんな姿も愛おしくて、余計に欲情が掻き立てられる。
そしてシュライグは、私が発情期である事を今更ながら思い出した。そして、今から何をされようとするのかを嫌でも理解した。だけどもう遅い
「待てフェリジット!今ヤるのはシャレにならない!!」
縦陣の男女の発情期には、明確な違いが一つだけある。それは女の場合は「子供を宿せる」という合図だと言う事だ。勿論それ以外でも宿せるのだが、発情期の場合には受胎率が跳ね上がるのだ。だからこそシュライグは止めようとするが、フェリジットは聞く耳を持たずに組み伏せたままだった。
「頼む、フェリ「うるさい♡」んぐっ!?」
それでも尚抵抗しようとするシュライグを黙らせる為に顔にたわわな胸を押し付け口に乳首をねじ込む。そして胸を押しつぶされた衝撃でまた母乳が溢れ出した。
「あんっ、また出ちゃう♡」
「んんぐ…」
「ねぇシュライグ♡…好きでしょ?私のおっぱい♡」
「んうっ…!」
「あぁん♡」
シュライグが抵抗する為に私の胸に歯を立てる。だが今の私にはそれすらも甘い刺激となり、シュライグの口の中により一層母乳が溢れた。そして、ゴクリとシュライグが喉を鳴らしたのを確認し、胸をシュライグの顔から離す。その際に、先端から滴る銀の糸が艶かしくテラテラと光を反射していた。
「どう、シュライグ、美味しい?♡」
そう聞いてみるも、当のシュライグは突然の出来事に腑抜けており、口をパクパクすることしかできてなかった。
「フフ、腑抜けちゃって。かわいい♡」
そしてお互いの胸をあわせて、シュライグの下腹部を撫でる
「すごく熱い///…ねぇ、もう我慢の限界でしょ?♡」
シュライグは必死に耐えてるかそれが余計に私の欲情欲情を掻き立てる、最後のひと押しを図った。
「我慢しないで///シよ?♡」
―――――――
結論から言うと、私はシュライグに負けた。
あの後シュライグは理性を手放して掛かった。それだけならまだ良いが、馬乗りになって組み伏せていた筈なのに、とんでもない馬鹿力で持ち上げられ、逆にベットの上に組み伏せられてしまった。
その後は、まぁ、お察しの通りである。
途中、せめてもの抵抗でシュライグが私の部屋の机の引き出しの中に控えていた避妊具を取り付けるのを妨害しようとしたが、その度に散々弄られ絶頂し続け、余りにも敏感になってしまった乳首を捻られてしまい、たったそれだけで弓形に身体が反れてイってしまい何もできなかった。
抱き潰されて、日が沈む時に意識を手放して、次に目が覚めたのは日の出前だった。
「…ん」
私はシュライグの腕に頭を預けて、抱きしめられる形で同じ毛布に包まっていた。
体には気怠さが残るものの、発情期のそれとは全く違い、寧ろ幸福感で心が満たされていた。
何時もであればまだ症状が続いている筈なのだが、欲求が満たされたのかすっかり鳴りを潜めていた。
「…ありがとう、私に付き合ってくれて」
今度はシュライグの時に満足するまで付き合ってあげようと思いなら、私は再び眠りについた。
シュライグの発情期が、無いに等しい程症状が軽いと知るのは、もう少し後の話