絵描きウタ

絵描きウタ



髪は逆に染めた。右目にかかる髪は髪留めでどうにかした。お姉ちゃんと私の服のサイズは同じ。歌声はともかく普段の声はそう変わらない。


だからって無理じゃないかなぁ・・・

「え、え、えと、あ・・・ウタだよー・・・」


私がお姉ちゃんの代わりに配信をやるなんて



お姉ちゃんが風邪をひいた。喉を痛めたので歌う事はできない。ゴードンさんがつきっきりで面倒を見ているが問題が一つあった。


「配信しなくちゃ・・・昨日約束してたんだ。」

「無理だよお姉ちゃん・・・休もう?」

「ファンのみんなに嘘をつくわけにはいかないよ・・・・・・・・・そうだ、アト。アンタとわたしで昔イタズラしたよね」

「え?・・・入れ替わりのこと?」


私たちがお父さんと一緒にいた頃。私の能力を使って入れ替わりをよくやっていた。顔がそっくりなので意外とバレなかった。

一言喋れば態度でわかってしまうためあまり意味はなかった。それにお父さんとベックマンと・・・ルフィは話す前からバレてた。ルフィに至っては入れ替わってることにすら気づいてない有様


「・・・待って。お姉ちゃんの配信って歌ったり踊ったり喋ったりするよね・・・・・・!?」

「なんかうまく適当にやってくれれば・・・ゴホ」

「無理無理無理無理無理無理ぃ・・・・・・絶対バレるよぉ・・・」


でもお姉ちゃんの頼みは断れなかった。結局私は能力を使ってお姉ちゃんそっくりにメイクをして、お姉ちゃんの服を着てお姉ちゃんとして配信を開始した。


「え、えっと今日は・・・あ、う、歌はちょっとやめにしてみ、みんなとお話ししようかなって・・・」

『歌が聞きたかったのに』

『新曲を発表するって嘘なの?』

「あ、わ、私今スランプで・・・そ、そうだ!今日は、えっと、お、お絵描きをしようかなって思う・・・よ」

『ウタが絵を描くの!?』

『楽しみ!ウタって絵も描けるんだ!!』


そして私は絵を描いた。抽象画や風景画など色々書いて、それに関する話ばっかりしてしまった。私の悪い癖

話せる話題があったら立板に水でペラペラ話してしまう。


「えーっと...最後にどうしよっか・・・」

『絵描き歌やって!ウタの絵描き歌!

「え、絵描き歌!?何を描いたら・・・って歌!?・・・歌かぁ・・・」


歌なんてお姉ちゃんには到底及ばない。歌ったらバレちゃう。でも絵描き歌なら・・・大丈夫?


「じゃ、じゃあ!私の絵描き歌や、やる、ね!」

「ねえアト、私の絵描き歌ってなんのこと?」


そのあとお姉ちゃんに問い詰められたのは言うまでもない

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