終わりの始まり
青年はふらふらと廃墟の中を歩いていた。服はボロボロになっており、身体からあちこちから血が出ていてその姿は亡霊のようである。
彼がいる廃墟も、かつては立派に栄えていた都市だったのであろう。しかし、今は戦火に包まれて見る影も無くなっていた。
青年はそのまま進んでいると、建物の残骸に紛れている何かを見つけた。よく見ると倒れている人間である。
「あ…ゾロ…」
ゾロと呼ばれた男は背中を大きく切り裂かれており、既に息絶えていた。
「なぁ、ゾロ起きろよ…起きてくれよ…」
青年はゾロを抱えながら人形のような冷たい表情で話しかける。
「頼むよ、みんな死んじまったんだよ、ナミも、ロビンも、ウソップも、サンジも…ブルックも…みんな、みんな死んじまったんだよ!!!」
それでもゾロは動かない。
「お願いだよ、起きてくれよ…………あ、うわ、あ…うわああああああああああ!!!!」
彼が死んだことを確信した青年はその場で発狂し、倒れた。
直後、暗雲が立ち込める。
その日、スターチスの街から太陽が消えた。