終わらない悪夢

終わらない悪夢


♡脱出√後、ローの自慰



 黒ひげ海賊団に囚われていたハートの海賊団が見事脱出を果たし、数週間が経過した。

 クルー達はついぞ元の身体に戻ることはできなかった。けれど、この広い"新世界"ならばきっとどこかに元に戻す方法があるはず。微かな希望を抱き、ハートの海賊団は航海を続けていた。


 ──深夜。不寝番のクルー以外は寝静まった頃。

 鍵をかけた船長室にひとり籠もったローは、ベッドの上で重々しい溜息を吐いた。

 ローは今、多くの問題を抱えていた。凌辱を受けたクルー達は心身共に深く傷ついている。表面上は"いつものハートの海賊団"に戻ろうと明るく振る舞ってはいるが、ふとした時に見せるぎこちなさや男に対しての恐怖の表情は彼らの受けた仕打ちの凄絶さを物語った。夜中に叫び声を上げながら飛び起きたクルーもいる。

 そして"これ"もまたローの抱える問題のひとつ。

 胡座をかいた股座で、ローの愚息は大きく反り返って天を仰ぎ、ドクドクと熱く脈を打っていた。

 黒ひげ海賊団に敗北し、囚われていた頃。女の身体にされ手酷い凌辱を受けるクルー達を見て"こう"なることがままあった。囚えられている間、大切なクルー達が酷い目に遭っているというのに股間を膨らませる己に強く嫌悪感を抱いたものだ。

 その嫌悪感は今もローを苛み続けている。

 再度吐き出される深い溜息。ややあって、ローは自らの右手で勃起した陰茎を握った。そのままゆっくりと上下に扱く。先端から溢れる先走りを絡め、粘着質な水音を立てて、熱の籠もった息を吐きながら。

 未だ鮮明に脳に焼きつく凌辱の光景は、萎えるどころか更に興奮を高める。脱出後のローの"オカズ"はもっぱらあの時の記憶であった。


 ぶっ殺してやる、海に沈めてやる。噛みつかんばかりの勢いで一際殺意を剥き出しにしていたのはペンギンとシャチだった。

 そんな彼らも女の身体にされて"雌の快楽"を刻み込まれていった。

 もうやめて、出さないで。イきたくない。あの威勢の良さが嘘のように泣き叫び懇願する。律動に合わせ揺れる豊満な乳房。いたずらに叩かれて音を立てる豊かな尻肉。

 強引に向き合わされた二人が口づけを強要されたこともあった。……最初は無理矢理だったが、やがて二人共とろんとした顔で夢中で舌を絡め合っていた──


「……うっ……!」


 低く唸るような声が洩れると同時。限界まで高められたそれが絶頂を迎える。ドクン、と大きく脈打つと、手の中に精を吐き出した。

 ……射精を終え、深く深く息を吐く。

 手のひらの上のどろりとした白濁に目を落としたローは、自分自身に吐き気すら覚えた。ずっとずっとこの繰り返しだ。

 ──悪夢はまだ終わっていないのだと嘲笑われているような気さえした。

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