終わった日
ここだけゾロがルナーリア族Part2の145※閲覧注意
※【ここだけゾロがルナーリア族】のスレより
※ゾローリアの更にIFネタ
※ファンタジスタした幼少ゾロがキングに拾われ百獣海賊団所属√
※幼少ゾロはくいなと約束する前
※くいな生存&麦わらの一味√
※CPはゾロ×日和
※IFネタの派生⇒百獣√
※キャラエミュが微妙
※文才なしの駄文
※捏造設定あり
※それでも良い方のみ、お読み下さい
将軍様が百獣海賊団のカイドウ様に、この鈴後の土地とそこに住まう民を渡した。
その事が知らされたのは、既にカイドウ様が新たに任命した大看板への就任祝いとして、この地を下賜した後だった。
鈴後の土地の新しい主となったのは、齢15歳の“戦災”のワイルド様…戦乱の災いを異名に持つ、“火災”のキング様の養い子。
敵対すれば容赦無く斬り殺し、血の惨劇を作り出すと聞く…そして、何故かワノ国の侍を配下として扱い、従前の百獣海賊団の配下はいないのだとか。
地獄の様な支配は、まだ続くのか…それとも酷くなるのか。
いよいよ、鈴後の地へとワイルド様がいらっしゃる日が来た。
幾人もの侍達を従えて、鈴後の民が集う場所へと歩いてくる。
黒染めのフード付きのマントや袴を翻して歩く様は、堂々たる姿で。
腰に二振りの刀を差している事もあって、まるで侍の様で。
「…本日より鈴後の地を治める事になった、ワイルドという。まずは、この鈴後の地はワノ国であって、将軍オロチの治める土地では無くなった。」
若々しく朗々とした声で、そう宣言された。
周囲がざわつく。
それはそうだ。
ワノ国であって将軍様の治める土地ではない…とは、どういう事なのか。
「どういう事か疑問に思う者もいるだろう。鈴後の地は、おれ個人が治める土地であり、将軍オロチの命にも法にも従う必要は無い…という事だ。勿論、百獣海賊団の者達にも無下にはさせぬ。」
この人は、何を言って…。
「…おれは、外つ国で8つまで生まれ育った…だが、父方の祖母はワノ国・鈴後の者。」
そうしてワイルド様がフードをとり、顔を出される。
鮮やかな若葉の緑髪に、日に焼けた色合いの精悍な顔立ちで、黒い紗の薄布の向こうで不敵な笑みを浮かべていた。
「まさか…牛マル様」
そんな老人の声が聞えた。
牛マル様と言えば、14年程前に亡くなられた…この鈴後の郷の大名の名前だ。
「そして、おれの祖母の名は“フリコ”…おれにとっては、“霜月牛マル”は大叔父にあたる。」
真っ直ぐな目で我等を、鈴後の民を見つめられる。
「我が大叔父の代わりに、おれが鈴後と鈴後の民達を守ろう。まだ若輩者だが、おれを支えてはくれないか?」
そう言って、鈴後の民達に手を差し伸べて下さったのだ。
ようやく、実感をした。
将軍オロチ…いや、黒炭オロチの地獄のような支配が、終わったのだと。
「……お戻りだ」
「「「“霜月”の若殿様が、お戻りになられたぞ!!」」」
カイドウさんの4つの“災害”たる大看板が揃う。
鈴後の民衆に文字通り、顔を見せて来たワイルドを見る。
悠々と酒を飲んでいて、何を考えてるのか分かりやしない。
「おい、ひよっこワイルド…何考えてやがる?」
ワイルドの行動に疑問しかなかったので、聞いてみる。
「うるせぇ、クイーンのバカ!良いんだよ、コレで」
バカと返された…一番末っ子なのに、キングのカスと同じ様に言いやがる。
「…〝侍達〟と同じか」
養い親と養い子だからか、思考が読めるらしいキングが声をかける。
「そうだ、キング。長く使う為に…おれに盲信的にする為の〝餌〟だからな」
おれに対してとは違い、素直に頷くワイルドに多少苛つく。
まぁ、おれは最年長だからな、我慢してやるが。
「…それだけなのか?ワイルド」
今まで黙っていたジャックもワイルドに問いかけた。
「…なぁ、ジャック……オロチは必要か?」
その問いかけにワイルドは答えず、そんな事を口にする。
おいおい、そんな事を考えてたのかよ。
「…ッ!?まさか!」
ようやく思い至ったのか驚くジャックを横目に、笑いが込み上げる。
「ムハハハハ!!成る程な!!」
キングも同じ思いなのか、ワイルドの頭を撫でてやっていた。
「…ふっ…楽しみだな」
ワイルドが浮かべる酷薄な笑みは、オロチの末路を示している様で。
…幼いひよっこながら、えげつねぇ手を考えつくもんだ。