紛れもない
・
・
・
・

シュパレ・ノウ
ロヴィナの2歳上の兄。
月の神を信仰するドがつく程に辺境に位置する小さな村にてノウ家の長男として生まれた少年。月が霞む程金色に輝く瞳を持っている。
その特異な目の色のせいで幼い頃から周りの大人からは月の神の使いだと信じられており、現世で穢れてしまう前に月に帰さねばならない(頃さねばならない)と判断された。
それがお互いの苦行にならないようシュパレは「神様のお皿の上」に乗ることは光栄な事だと洗脳まがいな教育を受けさせられた。妹のロヴィナとはほとんど関われなかった。
シュパレが七歳になったある半月の真夜中、大人に強引に起こされ連れていかれると「神様」の石像の目の前に座らされた。
ろうそくや果物がいくつも置かれ、塩が撒かれた魔法陣の真ん中、ズタズタに切り傷やむち打ち跡をつけられてから火炙りにされた。
その亡骸は後に切り分けられると「神様のお皿の上」に供えられ、一部はお守りとして村人が頂いたとさ。
イタリア語でシュパレ(sciupare)は「無駄」、ロヴィナ(Rovina)は「台無し」を意味する。