糸師+士道の逃走劇

糸師+士道の逃走劇






『逃げろ士道!!お前だけでもあと何日か耐えればきっと助けが_____』




(っ...あ゛...?)


士道は頬にあたる硬く冷たい感触と丁度視界を限るよう付けられた布の柔らかい感触で呻きながら目を覚ました。

手首も自由に動かせず何かに縛られている感覚がある。どうやら拘束されたまま眠らされていたらしい 身体が酷く痛む。身体を起こす事さえ出来ない


(俺今どうなってる?全身痛ェし縛られてるけど手足の感覚はある 目隠しされてて周りは分からん、耳は...目隠しで耳まで遮られてて聞こえねぇな 喉に違和感も無いし多分声も出る 鼻はまぁ大丈夫だろ)


冷静に自分の置かれた状況を整理し、拘束される直前まで自分が何をしていたか思い出す


(確か...ブルーロックに高校生レイプ願望のあるキショい人外が侵入してきて...俺と冴ちゃんとリンリンで組んで逃げてたんだよな)










「で、この後どうする?取り敢えず他の出口探す?警察待つ?アイツら全員ブチ殺しに行く?それとも全部諦めて自首する?」

「バカかテメェ自首なんてする訳ねェだろ するんなら1人で行けクソ虫」

「相変わらず口が悪いでちゅねリンリン さっきお前のコバンザメが泣き叫びながら集団レイプされてる所見ちゃって気分悪い?」

「黙れカス死ね。...捕まったあの田舎モンが悪い」

「喋るんだったら声のボリューム下げろお前ら 見つかったらどうする」



冴はドアの小窓から近くにハンターが居ない事を確認し全部のドアに鍵を掛けてその場に座り込んだ。士道と凛も偶々逃げ込んだこの部屋を物色し使える物が無いか少し確認してから腰を下ろす。

この地獄の鬼ごっこが始まって早2時間。3人は互いが使える事を全て駆使してどうにかこの監獄から脱出出来ないか策を練っていた


この3人が組んだ理由としては始まった後割と近くに居たと言うのもあるが、身体能力が良い.メンタルも強い.3人の方が交代で休憩が取れる...と言った合理的な理由である。お互い絶対口にはしないが冴と凛は家族を守りたいと言う気持ちもプラスされているだろう。



「今んとこ心当たりある出口は全封鎖、スマホは圏外の癖に捕まった奴らのレイプ動画が永遠と送られてくる悪趣味なAV視聴専用液晶と化すしィ...警察も来る気配ね〜し〜詰んでる?どーする冴ちゃん」

「愚痴ばっか溢してんじゃねぇよ。さっき来た忍者が総指揮ルーム侵入しても電波繋がらないしどんなアイツらには攻撃も効かないって言ってたろ。もう警察来るまでの持久戦かアッチが飽きて帰る位しか助かる方法ねぇんだよ、バケモン共に掘られたくなきゃ腹括れ」



ブロックしても無限に送られてくる仲間の悲惨な動画 あまり見たくはないが状況整理の為に渋々目を通す

捕まっていないのは先ほど一瞬合流して知らぬ間に消えた忍者の乙夜と動画を観ても出てこない面子(乙夜曰く我牙丸雷市潔辺りじゃね?知らんけど とのこと) そして糸師兄弟と士道 


残ったメンバー大集合で出口破壊して脱出を図ると言う脳筋案も出たが人数が増えるとハンターも大集合して格好の餌食になるだろうから却下された。

ハンターが飽きて帰ると言うのも無理だろう、動画が送られて来る度にアイツらは陰茎を更に大きくして興奮しながら捕まったブルーロックスに貪り付いているし、俺らを捕まえようとしてる奴らも次第にフーッフーッと獣の様な荒い興奮した息を吐きながら探している。荒い息のせいで近付いてきたら丸分かりな事は助かるが 興奮し切ったアイツらには絶対に捕まりたくはない。

冴と凛は「あんなんに捕まって犯される位ならその前に喉掻っ切って死ぬ」と断言する程だ




「...クソ」




3人で居るとは言え集中力にも限界が来る 凛に至っては自分を勝手に慕っていた七星がハンター達に捕まって犯される所を生で目撃してしまった。身体やサッカーの技術は誰よりも優れているとは言えまだ高校生1年生 メンタルがガタつくもの可笑しく無い。と言うか自分以外の1年生はとっくに全滅して心も折られてるのによく持っている方だ。

現在喧嘩をしている状況だか家族が無事で居てくれている事も大きいだろう

士道と冴は始まった直後即2人行動を開始して30分後くらいにすぐ凛と合流したが凛と冴のあの一瞬の安堵した顔は忘れられない

他の奴らを追いかけるのに夢中なのか、この部屋に籠城して1時間程立ったがハンター達が追いかけて来る気配は無い...冴がそう判断した瞬間




「おい凛、疲れてんなら一瞬でも寝とけ。今ん所アイツら来る気配ねぇか__________」




ドン




嫌な音と気配がする 

3人が今居る部屋は医務室と繋がった備品室だ、ドアは3つあり全部に内側から鍵を掛けてる。ここら辺の作りは全部頭に入れてるから何処のドアから飛び出しても逃げるルートは考えてある

あるが...



「冴ちゃん、喋ってたとは言え全く気配しなかったよな?」

「じゃねぇとコイツ寝かせようとしねぇよ」

「もしかしてヤバい系?」

「かもな 最悪アイツら殺す準備しとけ悪魔くん。サッカー選手なんだから脚は使うな 持ってるスコップで脳天カチ割れ」

「冴ちゃんワイルド〜〜かしこまりんりん♡殺っちゃった場合2人も共犯者だからねん」

「黙れクソ虫まともに働け」



音がした方向とは逆の方向のドアの鍵を開け手をかける 小窓からは付近に誰かが居る気配はしない。一瞬で駆け抜けて別のフロアに行き下見をしていた他の籠城場所までバレずに駆け込めればセーフだ。この3人の足の速さならそれが可能である





「3で出るぞ    1...2...さ_________あ?」


「どしたの冴ちゃん」




ガチャッガチャガチャガチャ



「鍵 開いてんのに扉が開かねえ...!?」

「はぁ...!?」




ドンッッッ

ドンドンドンッッッッッッ

ガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャ


後ろのドアを叩く音とこじ開けようとする音が聞こえる 

多分、1匹とかじゃ無い

沢山 居る気配がする



「開かねえ...!!なんでだよ...!?」


「焦んなクソ兄貴!開かねえなら真ん中のドアから行くし........か......ぁ...ぅぁ」


「...ウワ〜...嘘じゃん...死んだコレェ...?」




ドアの鍵に集中して下を向いて居た内、上を向いたらさっきまで誰も居なかった筈の廊下側の小窓からハンターがこちらを覗いていて目が 合った

ここのドアだけでは無い 凛が言った真ん中のドアの小窓からも沢山のハンターの発情しきった目が3人を見つめている




ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン

ガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャ






「嘘だろ...嘘だろ!?さっきまで誰も居なかったじゃねぇか!!!」




凛の怒りと焦りと恐怖の詰まった声が部屋に響く

そりゃそうだ あまりにも急過ぎる さっきまで息を荒くしながら群れずに一人でドスドス追いかけて来てた癖に、急に音も無くこんな大勢で行動するだなんて初見殺し過ぎる こんなん避けようが無い おかしい








ピーーンポーーーンパーーーンポーーーーン



[こんにちわ 皆様日本語で失礼します。ペナルティのお知らせです、糸師凛.糸師冴.士道龍聖の3人は逃走中のルールその6《部屋の籠城時間は1時間まで》を破ったのでペナルティを与えます。ハンター60名追加です 頑張って下さい]





「はぁ...っ!?ルールってなんだよ!知らねぇっつーの!!!」




[ルールはお手持ちのスマートフォンで確認可能です ルールその10《運営のアナウンスにはミッション時以外逆らってはいけない》糸師凛、追加のペナルティを与えます。ハンター40名追加です。以上で放送を終わります]




「は...??60...?40...??」


「つまり今外に100匹いんの...?バカの数字?てかルールってこの意味不の文字の事言ってる?嘘だろ?理不尽過ぎん?」



急いでスマホを確認するとホーム画面の隅に「繝ォ繝シ繝ォ荳?隕ァ」と小さく書いてあった それをタップすると一度も見た事のない様な異世界の文字列がズラっと並んでいる

読ませる気は無い癖にルールは守れと言う理不尽を押し付けて来るのか コイツらは



「クソペナルティのせいで鍵開かなかったのかよ...クソッッッおい!凛!立て!逃げるぞ!!」




士道も冴も自分の幼少期から練り上げて来た肉体と運動神経には自信がある ここに居るのは新世代11傑の糸師冴とブルーロックで1.2を争うストライカー2人、運が味方して逃げ切れる可能性は無い訳では無い

手当たり次第に拾った武器であるスコップとバールを2人は構えるが_______




「おい凛 早く立て逃げるぞ! 最悪バラバラになっても良い!お前の脚力なら逃げれるだろ!」



凛のメンタルは既にボロボロだった

冴と士道が居る故に表には出さなかったが虚勢を張っていただけですでにこの閉鎖空間で限界だったのだ。



「ぅ...ぁ兄貴...ダメだ...アイツが いる」

「あぁ...??兎に角立て!俺が...兄ちゃんがなんとかしてやるから!!」




「さっき...アイツ(七星)をグチャグチャにした奴がいる...ずっと俺の方みてた...ずっと!!!


ぅぁ...立てない...兄ちゃん...」


「凛...」




冴は凛の表情を見て一瞬で理解した

凛はもうこの場から恐怖と疲労で一歩も動けない と



パリン!とドアの小窓が割れる音がする

そこから少しでも早く俺たちを陵辱してやろうと発情し切った目何かを叫びながら手を伸ばすハンター

ドアはもう1分も持たない

そろそろ3方向から3人にありったけの性をぶつけようとするモンスターが雪崩れ込んで来る

明らかにハンター達は目の前の獲物を前に理性を失った顔をしている 100匹居るなら吾先にと手を出そうとしてまず仲間同士で争うだろう その隙を見て武器を使って逃げれるかもしれない と言うかその可能性を信じるしか道が無い




「ちょっ、冴ちゃんそろそろドア持たねぇよ!?逃げる気あんのかお前ら!!100匹相手は÷3しても流石に死ぬじゃん!?」


「...俺は残る 凛は置いていけねぇ バールはやる。テメェは二刀流で暴れつつ逃げろ 」


「はぁ?何言って...」


「流石に家族を置いて行ける訳ねぇだろ、俺もそこまで鬼じゃ無い。凛を置いて逃げたとしたら俺のメンタルは相当やられる、お前の足手纏い確定だ。それでお前も捕まったら終わりだ」


「...ヤられんのは変わんねぇよ?捕まった奴らみたいにプライドズタズタに折られてあぁ〜らめぇ〜って喘ぎたいワケ?」


「1人にする方が不味いだろ 俺は凛にダセェ所見せる気はねぇからまず折れねぇよ マグロに徹しとけば興奮しないで途中で飽きる」



ミシッ バキンッ


ドアが壊れる音が聞こえる 自分の向かい側のドアからはもうハンターの半身が侵入して来ている 迷って居る時間はもう無い



「〜ッ逃げろ士道!!お前だけでもあと何日か耐えればきっと助けが_________ぁ」












(あーそうだあの後2人を囮に逃走しようとしたけど数ヤバくて結局途中で捕まったんだワ...ブン殴って対抗したらボコられたんだっけ?だからこんなに身体痛ェんだ 納得)


(冴ちゃん大丈夫かなー...リンリンもケッコー精神やられてたっぽいからチョイ罪悪感)


何があったか鮮明に思い出す 今思うのはやはりそれ以外に道が無かったとは言え囮に使ってしまった糸師兄弟の事だ。冴は弟を思う気持ちでその場に留まる事を選びはしたが、士道を逃がそうとする気持ちもまた本物だったと言える。その意思を報えなかった事は正直自分が腹立たしく思えて来る



(あークソ...今どうなってる?動くか?いや、なんか変な匂いすんな...なんだコレ、あと地面濡れてね?気持ちワリィ!)



身体がハッキリと覚醒し五感も強まる中、特に鼻を刺激される。生臭い それもかなり濃い臭いで吸うと頭がおかしくなりそうになる

視界は暗いが少しでも臭いを遠ざけようと縛られた身体を頑張って移動させようとした瞬間何かにぶつかった



「襍キ縺阪◆縺」



その瞬間目隠しを外され一気に視界と聴覚が戻って来る


士道がそこで初めて目にしたものは_______









「ん゙お゙っ゙♡イ゙グイ゙グイ゙グ♡ ぉ゙♡♡あぐっ♡」


「はーっ♡はーっ♡もっとぉ♡くらひゃい♡ ん゙あ゙あ゙あ゙っっ♡♡♡」






「ぁ...え...?」



士道が1番最初に目にしたのは、ハンター達に囲まれて淫らに自ら腰を振っている人間の尊厳を全て投げ出した様な姿をした無様な糸師兄弟の姿だった


Report Page