竜の囁き 3
不当な読者【ローグタウン】
「久しぶりだな、ルフィ」
「革命軍のおっさんか。確かに久しぶりだな。おっさんもこの街に用事か?」
「ああ、ちょっとした用事だ。あと、お前たちが来ていると聞いて、軽く探していた」
「なんだ? 革命軍には入らないぞ」
「承知している。・・・海賊になったのだな」
「ああ。うちのお姫様が元々海賊志望でな。・・・貴族と揉めちまって、現実的に音楽活動が難しくなったのもある」
「ゴア王国でやらかしたらしいな。貴族の横暴はどこも酷いものだ」
「そーだな。おっさんが革命軍作ったのもわかるぞ」
「ふふっ、それでも革命軍には入らないのだな。一応伝えるが、革命軍の領域で、音楽活動すれば同じような目には合わないぞ」
「悪ィな、さっきも言ったけどよ。ウタが海賊志望なんだ。加盟国だとか革命国家だとか気にする気がねぇよ」
「元海兵ならば言われずとも分かっているだろうが、海軍は見逃さない。海賊と音楽活動の両立は困難な道だぞ。・・・ルフィとあの子の関係はなんなんだ? あのとき聞いたように、恋人なのか」
「いやそういう関係じゃねえよ。今は船長といちクルーさ。あの危なっかしい奴を、まだまだ放ってはおけねえ。・・・それに、ウタの歌は本当にすげえんだ。人を幸せにできる。だから歌を届ける手助けをしてえ」
「ほぅ、ならば是非ともいつかは聞かねばな。・・・あの子が一人前に船長か。ルフィは子育てとしてはやり遂げたのだな。立派なことだ」
「勝手に育ったって感じだけどな。おっさんも子供いるのか?」
「・・・私は革命軍を組織するに当たって、姓を捨てた。・・・組織としては子供の面倒みることはあるがな」
「ふーん。まァ、『世界最悪の犯罪者』だもんなァ。エー・・・知ってるヤツがよ、親のやったことを引きずってるんだよな。そういうの大事なのわかるぞ」
「・・・許されることではない。私には父親の資格はないのだ。できることは、負の影響を残さないことばかりだ。・・・さて、忙しいところに声をかけて悪かった。海賊として何処まで行くのか、楽しみにさせてもらおう」
「おう。おっさんも気をつけてなー。革命した国に行くことあればよろしくな」
【W7】
ガープ「そういえばルフィ、父親と会ったんじゃな。わしからすれば、海軍辞めたときに、革命軍に入ることは覚悟しておったが、まさか海賊になるとはの」
ルフィ「――――――――――――」
ガープ「なにを言うとる? ドラゴンのやつは話をしたと言うとったぞ」