突然の雨の日

突然の雨の日




 突然の雨に降られた。今日の予報は晴れで折り畳み傘を鞄に入れてなかったため私は雨でびしょ濡れになる。

「ここからなら、○○の家の方が近いな」

 そう考えた私は豪雨の中、○○………私の思い人の家に走る。自前の運動能力の高さのおかげで私は10分もしない内に○○の家にたどり着いた。○○の家のドアノブに触れて引っ張るとドアは簡単に開く。居ない時や鍵がかかってる時はピッキングして入るのだが今日はもう帰ってきてるらしく濡れた○○の靴が玄関に脱いである。こういうのは性格が出るもので、○○の靴は綺麗に揃えて置いてある。私はその横に靴を乱雑に脱ぐもすぐに向き直り、靴を揃える。そして玄関側に置いてあるタオルで濡れた頭や腕などを拭く。一通り水気を取るとシャワーを借りるために洗面所に向かう……その前に置きっぱなしにしている着替えを取りに行く。階段を登り、○○の部屋の前を通り声をかける。

「○○シャワー借りるね~。あ、覗きたかったら覗いてもいいからね」

 そんな冗談を言いつつ、私は私が寝泊まり用に使ってる部屋に入り、クローゼットから綺麗に洗濯された服と下着を取り出し、洗面所に向かう。そして洗面所の戸を開くとそこには上半身裸で髪を乾かしてる○○が立っている。

"あ、サラ来てたんだ。すぐ出るから待っててね”

 そう言う○○の声が頭に入らないくらいに私は混乱している。何故なら、雨に濡れたせいで制服が透けてブラが見えてしまってるからだ。こんなことなら可愛いものを付けてくればよかった。や、○○って意外と筋肉あるんだな。と言った訳の分からない思考が渦巻き私は大きな翼で自分の身体を隠しつつ声にならない悲鳴を上げる。

“ほんと可愛いなサラは”

「か、かわ……揶揄わないでよ」

“本心なんだけどな。ほら、出られないからそこからちょっと動いてよ。もう少し可愛いサラを見ていたいけど、このままだとサラが風邪を引いたら大変だから”

 そんなことを何も考えずに言うものだから私の胸は高鳴る。私が少しずれると、○○は脱衣所を出ていき戸を閉め私一人になる。まだ、顔が熱いのを感じるが○○の言う通りこのままでは風邪を引いてしまう。風邪を引いて○○に看病してもらうのもいいがそれでは、○○と一緒に出かける時間が減ってしまう。私は制服を脱ぎ洗濯籠に入れようとしたところで○○の服が目に付く。私はそれを手に取る。そしてどうせシャワーを浴びるし、と思い服を着ようとする。服に腕を通した瞬間、戸を叩く音がする。

「ひゃ、な、何○○?」

“言い忘れてたけど湯船にお湯張ってるからゆっくり浸かるといいよ”

 戸越しに○○はそう言う。今ので少しチビってしまったが、雨でパンツも濡れてるし誤差の範囲だ。私は軽く○○の匂いを官能すると服を脱ぎ、浴室に入る。私は軽くシャワーで身体を温めると、身体と頭も洗うと湯船に浸かる。

「(さっきまでここに○○が入ってたんだ……って何を考えてるの私)」

 私は顔をお湯につける。数十秒で息苦しくなり、顔を上げる。

「……もう○○も今日は入らないだろうしいいよね?」

 誰に問いかけるわけでもなく私はそうつぶやき、浴槽の縁に腰かけると大事なところに手を伸ばす。 指を動かしていると次第に気持ちよくなり嬌声が漏れる。好きな人の家の浴室で何をしてるんだろうと思いつつも、気持ちよさから指はその思いに反して激しく動く。数分経過して、私は絶頂する。それによって股の力が緩む

しゅいいいい……

 私はおしっこを出してしまう。雨で冷えてしまったせいか、おしっこはなかなか止まらずそれどころか勢いは増し水面を叩く。

「はぁ……気持ちぃ(今後もお風呂でおしっこしちゃお)」

  次第におしっこの勢いは弱まり、お尻の方に垂れてきて出終わりと同時に身体が震える。湯船を見ると、透明なお湯の中に広範囲の黄色い靄が広がってる。これが私の出したものだと思うと急に恥ずかしくなりお湯に浸かり、黄色い靄をかき混ぜる。

「そろそろ上がろ」

 私は浴室から出てバスタオルで身体を拭くと、用意していた着替えに袖を通し白いパンツを履く。服のサイズは大きめなので下はパンツだけでいいだろう。それに○○になら見られても構わない。私はドライヤーとブラシをもって脱衣所を出て○○の居るであろうリビングへ向かう。リビングに入るとコーヒーのいい匂いが鼻腔をくすぐる。

“サラもコーヒーいる?” 

「うん、後髪乾かして」

“それぐらいやって出てくればいいのに”

「○○に髪を梳いてもらう方が気持ちいいんだもん」

“仕方ないな……ほら、コーヒーいれたよ砂糖二杯と牛乳を少々でいいんだよね?”

「うん」

 一度○○と同じものを飲みたくてブラックコーヒーを飲んだが苦すぎて飲みきれなかったのは良い思い出だ。○○はマグカップを私の前に置くと私からドライヤーとブラシを受け取り、私の髪の手入れをしてくれる。私は○○のいれてくれたコーヒーに口を付ける。いれたてのコーヒーは暖かくそしていつもより少し甘く感じるものだった。しばらくして私の髪を梳かし終えて○○は私の前の椅子に座り、コーヒーに口を付ける。その後は今日あったことを○○に話す。こんな何もない当り前の一日の時間が過ぎていく中、私は急な雨も悪くないと思うのであった。

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