私は保守派
貴方も 」私は幼少期かけっこが得意だった。
ただ、一番になることは無かった。
そう、あの子のせいで。
私は幼少期呪霊にあった。
ある道を通り、角を曲がって、目の前に……
呪霊に襲われているあの子が居た。
私はすぐさまUターンをして、走った。
かけっこが得意だから、追いつかれなかった。
少し薄暗い、嬉しい気持ちが胸の中にあった。
性格が悪い自分を自覚しながらもそれで生きられるなら万々歳だろうと思った。
そこから家に帰って、ご飯を食べて寝た。
あれは少し脳の片隅にある程度になっていた。
存外、普通に平然に生活が出来て驚いた。
明日学校に行ったら案外普通にあの子も居るのかなとか思った。
でも、居ない。まぁ、居るわけが無いよな。
あれは夢じゃ無いと気がついた。
いや、はっきりとここでそう思った。
そこから、呪術界に入るまで色々あったな。
例えば目の前で呪霊に喰われて助けを求める人を手遅れだと見捨てたり、呪霊が見えているっぽい人に話かけたり、ある人に足元を掬われそうになったり……
でも、今は呪術界に入れたので何もかも全て関係無しだ。
この腐った呪術界を、腐ったままで停滞させる。
自分が有利に動けるように版を作り、下を蹴り落とし上へ上がる。
それで上まで登り詰めるのだ。
そうしたら、人の意見なんて簡単に握り潰せる。
人の意見を握り潰し、今の呪術界のままを保つ。
あの子みたいな子はきっと増えるだろうけど、私みたいな子……私の仲間もきっと増えるだろう。
「貴方も、そう貴方もこちらに来るの」