私のヒーロー
Gボーイとファイアは私、フゥリにとって恩人。
そしてGボーイは特別。
私はオオヒメ様になるためだけに生まれてきた。。周りの大人からそう言われ続けてきた。
“その日”のためだけに生きてきた。
私はただその運命に逆らわず自分を殺して生きてきた。
拒否するなんて事は許されない。依代になることは幸福だ、私はオオヒメ様となり皆に奉られ生き続ける、悲しいことなんて何一つない。皆幸せになる。
そう自分に言い聞かせ生きてきた。
ずっと諦めてたのにGボーイ達に会って欲が出た、いや私が押し殺していた事が溢れてきた。
彼らは私が憧れた『自由』そのものだった。自分でやりたい事やなりたい夢を決めていて行動している、望まれた事をただ望まれるがままにする私とは違って。
それから彼らとしばらく行動を共にした。私が知らない事を色々教えてくれたり海や私の知らない場所に連れってくれた。知識として知っていたが見るのは初めてで心の奥底で小さな欲が生まれる。
“もっと……”
みんなにとって当たり前が私にとっては遠い夢だと諦めていた。
そう思っていたのに、最後の最後で手を差し出してくれた手にみっともなく泣きじゃくりながら縋った。あの手の暖かさを私は一生忘れない。
私のことを二人は本気で向き合ってでくれた。だから二人は私の中での恩人。
私が本当にやりたいことを一緒に見つけてくれたGボーイは特別。
それに生まれて初めて私を見て私の話を聴いてくれた。それが凄く嬉しかった。
『天戸開き』のあと、私は御巫をやめて”ただのフゥリ”として”自由”に生きている。
今まではできなかったこと全力で楽しんだり、ハレとニニに料理を教わったりしている。
退屈だった毎日がこんなに楽しものになるなんて思いもしなかった。
私を見つけてくれありがとう私のヒーロー