神巫編4
牛は穏やかで心優しい生き物だ
愛する仲間の死に涙を流し、我が子を奪われればその悲しみを忘れることはない
神巫もまた同じであった
男によって弄ばれる性玩具たちの姿に心を痛め、シトリスの残酷な行いに恐怖する
それでも少しでも誰かの救いになればと、怯えながらも決して逃げることはなく己の身を捧げる彼女の心は尊く美しい
「だ、で、あぁ、だめ、ですってっ……! むね、吸わない、でぇ……!そんなことしてもなにも……でませんよお」
男は神巫の乳房に顔を押し付けてその感触を貪っていた
ほんのりと埋まる乳房の感触、口の中に広がる生々しい肉の感触、甘やかな乳先のふにふにころころと舌先で転ばせられる適度な硬さに男は愉悦しつつも母乳蜜が出ないことを罵る
「そんなこと……できな……ひゃうん!い、いじわる……しないで、ください……」
母乳蜜はシトリスの支配を受け入れた証
それでは苦しむ女性たちと同じ場所に立てない
だから神巫はそれに応じることはない
だが男は神巫の言葉に聞く耳を持たない
男にとって神巫がなにを考えどう思っているかなどどうでもいいのだ
人間にとって牛の心根よりも食料としての価値を優先するように男にとって性玩具は自身を楽しませ、欲求を満たして幸福を与えるかただそれだけであった
「は、んんひぃぃっ!!やっぁあ!!だめ、あッ!!う、ぢゅうぢゅうっ……しないでぇえぇ!おっぱいぃっ、すっちゃっ、 だめっ、あ、んぐうぅぅっ……ちからっ、こめないでぇ……おっぱいっ、のびる、ひぃ……んはあぁっ」
男の粗雑な口先は容赦なく神巫の乳果に襲いかかり、噛みつくような勢いで口に含みその柔らかさを堪能する
「あぁ!んぁあ!あはあぁっ!!か、噛まないでっ……!そんなにつよくすわないでっ……んんううぅんんっ!!」
男は神巫の女性の部分をまるで自分を癒やすための玩具だと教え込むように
乳房に噛み跡を残し、柔らかな乳房に牙を食い込ませては吸い立て、 決して逃れられない痛みで神巫の精神を追い詰める
「あぁ……!いや、いゃぁ……んひぃっ!ひっ……!あぁっ!」
乳首は乱暴に噛まれたせいで鬱血して色味を増しぷっくりと腫れあがる
それは優しさなどない嗜虐心を満たすためのもの
男はすべての性玩具に対してこのように乱雑に扱っているわけではない
愛情たっぷりに奉仕してくれるフゥリには極力優しくしようと心がけており、自分をリードしてくれるマルファには多少の我が儘も許容している
シトリスに強姦紛いのプレイを要求したときに彼女はレイプされる女性を完璧に演じて、それ自体には大いに燃えたがそれは映画撮影のような感覚で男の求めているものとは少し食い違い、それに気づいたシトリスの申し訳なさそうな表情に罪悪感を感じた
「いぃいっ!?それ、いや……んぐ、ううぅあっ……くちゅくちゅって、しないでぇ……!おっぱいっ、あつくっ……」
だが神巫は違う
彼女はその正しさ故に男への嫌悪感を抑えきれないうえに他のキープたちと比べれば奉仕の腕も未熟だ
にも関わらず座してシトリスに食われることを選ばず必死に媚を売る彼女はある種希少な存在だった
苦しみながらもなにをしても耐え忍ぶ神巫の姿は男の嗜虐心をこの上なく刺激し、シトリスたちでは満たしきれない欲求を彼女の身体にぶつける
「……ぁ、ひいぃ、ぐるっ、ぐるぅぅっ、むねっ、さき、ぎぢゃっ、なにがぎぢゃっ、あぁあっ、あひぃ……ぐるっ、いっぐぅぅあっ」
絶頂へ達した神巫は背を仰け反らせながら息を荒げている
「はあはあ……あっ、もーもー」
思い出したかのように牛の演技をする神巫の姿はひどく滑稽で、その哀れさに男は思わず苦笑いをする
男は母乳蜜も出せないお前は牛以下だと身につけている服を脱ぐように神巫に命令した
「は、はい……」
神巫は服を脱ぐと地面に頭をついて男に赦しを乞う
男は流石は宣告者の神巫だと誹りながらこれで勘弁してやると肉棒を突き出す神巫の口元に近づける
信じるものの心に寄り添い暖かな声で罪を赦す宣告者とは違い、男の声はどこまでも傲慢で利己的だった
「ありがとう……ございます……ご主人様」
その言葉とは裏腹に神巫の唇は震え顔は青ざめている
「ご、ご奉仕させていただきますね……ちゅっ……」
神巫は両手で竿を扱くとまずは亀頭にキスをした
男はさらに舐めるように指示を出す
「はひ、んちゅ、れろっ……ちゅぅ……」
神巫はくぐもった声で返事をするとチロチロと舌を動かして亀頭を舐める
しばらくすると肉棒の先端から半透明の溢れ出し、神巫はそれに顔をしかめるがそれでも我慢しながら目に涙を浮かべて肉棒をきれいにしてゆく
神巫は男を愛していない
でも性玩具としての役割は果たす
受け入れないが完全には拒まない
男にとって神巫は遊びがいのある玩具であった
「もういいですか?許してくれますか?」
一度口を離しうるうるとした目で男を見つめながら神巫は訊ねる
だが男はそれで満足するはずもなく肉棒を神巫の頬に叩けつけしゃぶるように命令する
「は、はい……」
髪を掴まれ肉棒を押し付けられた神巫は恐る恐る口に含んでいく
するとある程度進んだところで動きを止めて上目遣いで男を見つめる
これ以上は苦しいと訴えかける瞳で赦しを懇願する神巫の姿に男は嗜虐心を刺激され、竿の根本まで無理矢理ねじ込む
「んぐぅっ!むぐっ……!ぐ、ぐるじぃっ……!」
肉棒に喉奥を圧迫される苦しみと呼吸のできない苦痛に神巫は悶える
すると男は抑える力を緩め肉棒を引き抜いてく
「すー、はー………むごぉ!」
許してくれたのかと安堵して呼吸を整えようと神巫であったがすぐにまた男は肉棒を奥深くに無理矢理押し込んでいく
「ふぅぅっ、んぐぅぅうぅ!」
男は神巫の頭を固定すると、自ら腰を振り出した
「ぐ、んぶぅ!あがっ、おごぉぉ!!」
神巫の舌遣いはたどたどしいがそれが逆に男の興奮を高め、神巫が悲鳴をあげると喉が収縮されることで押し寄せる圧迫感に
男はさらなる快楽を味わう
「ふぐぅっ!ごぶっ、おごぉぉ!!」
神巫の喉が締まり肉棒を刺激する
その感触に男は絶頂へと上り詰め、そのまま精液を神巫の喉奥へと流し込んだ
「んぶぅううぅ~~ッ!!」
大量の精液を流し込まれた神巫は鼻から逆流した精液が吹き出し、大きく目を見開く
「げほっ、ぶぁっ!げっほげほ!!」
たまらず咳き込と、男は飲んでくれなかったことに怒り乱暴に押し倒す
「ごめんなさい……ごめんなさいぃ……ひぎぃ!?っい、痛いっ!」
男は乱暴に股を割り開くと、フゥリにアンダーヘアーを刈り取られてツルツルになった固く閉じた割れ目に自身の肉棒を押し当て強引に押し込もうとする
「いやあああっ!!」
ろくに準備のなされていないそれは男の侵入を激しく拒むが男はお構いなしにねじ込んでいく
「いだい、ひぎぃ!!ぐぅっ!ぬいでぇっ!!」
引き裂かれるような強い痛みに神巫は激しく身体を震わせ全身を強張らせる
男は知っている
この玩具は弱く、臆病で、痛がりだが、どれだけのことをしても決して壊れず心を保ち続ける
だからこそ彼女はこの世界で生きてこれた
それ故になんの遠慮もせずに腰を打ち付けられる
「あがっ!うぐぅぅ!!ふぎぃっ!!」
子宮口を亀頭で突き上げられ神巫は声にならない叫びをあげる
やがて男は快感を貪り食うように欲望を吐き出す
「あ……お……ぁはっ……」
神巫の意識は飛びかけていたがそれでもなんとか意識を保ち、男に頭をさげてふらふらとその場をあとにした
「神巫、大変だったでしょう?少し見せて……あら?少し腫れているわ。ヒリヒリするけど我慢してね」
シトリスは指先に傷薬をつけるとそれを優しく塗りたくる
「これで大丈夫よ。これからも痛かったり苦しいとときは遠慮なく私にいってね」
シトリスは神巫をまるで壊れ物かのように大切に扱う
神巫が男のお気に入りであるから
「あなたはすごい子よ。人間は苦しいことがあるとそこから逃れようとするの。それがたとえ自分のことであっても他人のように考えて目を逸して痛くないフリをするの。でも神巫はそこから逃げずに『正しく』あろうとしている、真っすぐでいることはそう簡単ではないわ」
「…………あなたはそうやって自分の穴を埋めるために人を利用する……壊れるまで」
「ふふっ、その通りよ。だから頑張ってね誰かが代わりにならないために」
シトリスは捕らえる女性の総数を一定にしている
そしてそれを男に周知させている
つまり新しく欲しくなったら、減らしてもらうのだ
一番いらないものを
それによってこの楽園はより男によって都合のよいものへと洗練される
男の心を掴んでキープが増えればそれも減る
「1日中頑張ったからお腹減ったでしょう?たくさん食べてね」
シトリスは神巫にステーキ肉とミルクとチーズタルト与える
「………いただきます」
神巫は空腹には抗えずそれを食べ始める
ステーキ肉は口に含めれば柔らかくとろけ上質な脂身と赤身のうまみが混ざり合う
ミルクはコクと甘みがありつつ、サラッと飲みやすく、チーズタルトはクリーミーで爽やかなレアチーズ味とベイクドチーズのねっとりした味が調和し、サクサクとしたクッキー状のタルトがアクセントになっている
気づけばあっという間に平らげてしまった
「おいしかった?」
「はい、おいしかったです」
神巫はお礼を言う
憎んでいる相手だろうとそれを伝えてしまうのは彼女の律儀さゆえか
「知ってるかしら?自然界では子牛は1日5~7回に渡ってお乳を飲むのだけれど、酪農場では搾乳は1日2回程度に簡略化して初乳以外は全て人間が飲む牛乳になるのよ」
「それってつまり?」
「出産しなければお乳は出ないから子供を産み続けるのよ。2ヶ月毎に、人間のためにね。そもそも牛乳は牛の赤ちゃんが成長するために飲む物であって、人間が飲むためにはつくられていないのにね」
「それは……残酷ですね」
「そうね。どれだけ環境を整えたとしても屠畜されるときに恐怖を感じない動物はいないのだから」
「人間も同罪だった言いたいんですか?私も見えないところで犠牲にしているから受け入れろと」
「違うわ。その逆よ。私は尊敬しているのよ。幸せになるためならどんなことでもできる人間に」
「言いたいことは理解できますがそれで納得できるはずがありません」
「そうね。神巫は正しいわ。だからそれがあなたの強さだってこと忘れないでね」
「………ごちそうさまでした」
神巫はシトリスの言葉に応えず静かに手を合わせる、犠牲を噛みしめながら