神は只、人が為

神は只、人が為




ーーーー古来より神は、人が願われなければ生まれない。



ツマラナイ【⬛⬛しい】

童/人が願った



タタカイタイ【⬛⬛しい】

女/人が願った



モウイチドダケ【⬛⬛しい】

⬛に堕ち⬛を求めた果ての只人が願った





一心に、一心に、一心に、一心に、一心に、一心に、一心に、一心に、一心に、一心に、一心に、一心に、一心に、一心に、一心に、一心に、一心に、一心に、一心に、一心に、

一心に、一心に、一心に、一心に、一心に、一心に、一心に、一心に、一心に、一心に、一心に、一心に、一心に、一心に、一心に、一心に、一心に、一心に、一心に、一心にーーーー




その果てがどれほど遠く歪もうと、はじまりの願いだけは一心に持ち続けた人間が願ったのだ。






ーーーーならばその願い、叶えずして何が神か。








「……等と謳ったが、この儘では叶えることも出来ずに消えゆくか……。」



ひび割れた霊核に、そこから漏れ出ずる魔力。





ーーーー違う!!違う!!チガウ!!こんなものは⬛⬛⬛⬛ではない!!


ーーーー偽物め!!紛い物が!!出来損ない!!


ーーーー作り直さないと、作り直さないと、作り直さないと



何度も、何度も、何度も、壊し、潰し、否定する。



その度、幾度と身体を編み直しては相まみえたが遂ぞ届かず此処まで来てしまった。



このまま何もしなければ、半刻もしないうちに消え去るだろうと確信だけはある。


そう、何もしなければ。




「……異方の国、いや世界か。それであろうと人の、すでに別の役目を背負いし者の力を借りるのは不甲斐無いなしか。」




草むらに倒れていた人の子を見つけた時はどうしたものかと悩んだものだが、その身体から視える縁をなぞってゆけばこれまた数奇な運命を背負わされていた。

この人の子の力を借りれば或いは、いや確信はある。

だが、それはこちらの重荷をこの人の子に背負わせるのだ。



ーーーーそれでも、願われたのだ。



「……ならば、こちらも縁を結ぶか。許せ、人の子よ。」



既に、契約の交わし方は解析出来た。だが、人の子の目覚めを待つには霊基が持たない。ほんの少し、仮にすらならないパスを繋ぐ。雀の涙程だが、確かに得た魔力で見た目だけはなんとか取り繕えた。


後は、ああそうだ、幾度となく相まみえては壊し潰された己の残骸。彼方此方に散らばるソレは、あのままでは人の子に酷だろう。繋げたパスを辿り、この子と更に繋がる者達との認知を少し書き換えた。


これで、いい。巻き込んでしまうことも、願いを叶えた先を見せてしまうことも、果ての終わりに至るその時まで。




「……願われたのだ、叶えずして何が神か。」





























⬛⬛⬛⬛⬛【⬛⬛⬛⬛⬛】

ソレは、いつかの男/人が願ったのだ。






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