礼園女学院の超能力者

礼園女学院の超能力者

ああああ

式と黒霧先生が居なくなって数ヶ月

鳥の囀りがよく聞こえていたあの頃の学院は、跡形もなくなってしまった

真面目に授業を聞いているふうで、誰も目が泳いでいる。


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式が天井につけた傷を見ながら過ごす夜。詳細に言うと眠気が来ない夜。私こと黒桐鮮花は驚く程意識が冴えていた。理由はずっと、ずーっと頭からざわざわと反響している話し声。授業中も、放課後も、音量の違いはあれど静かになったことはない。

そんなに侵されて頭がバカになっている自分が憎らしい。



いつの間にか下から聞こえていたはずのいびきが聞こえなくなっていたことに今、気付いた

敬虔なクリスチャンだの評価をつけるほど出来た人間でないのは長い交流を経て知っているが、消灯時間を過ぎて廊下を歩いているところをシスターに見つかったら一発アウトということを知っている静音は馬鹿では無い。


「……静音?」

返事は無い。体を起こし、梯子に足をかけて、体を翻し、ゆっくりと降りて下を見てみると


そこには皺がついてぺたんこになった布団があった


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扉を開けると、月光に浮かび上がる影があった。廊下をゆっくりと覗く、1,2,3,4,5,6…………

多すぎる。さすがに多すぎる。ここまでのリスクを払って全員何処に行ってるんだ?


バレないように静かに後をつけていく。禁忌に惹かれる性分なのだ、こういうで逃げるのは後で後悔する


廊下を抜け、食堂を抜け、階段を降り

奇跡的に学習室にまで辿り着くと、中は小さな明かりが漏れていた。LEDのランプか何か付けているらしい


こっそりとドアを開けると

轟音が耳をつんざいた。学習室の奥に人は溜まっていて、こちらによる度に人は少なくなっている

「今日も楽しみね、秘封倶楽部」

「前回はサイコキネシスによるトランポリンでしたわね。着地地点がもう数センチズレてたら机に直撃でしたわ」


「な、なに……?」

訳が分からない。こんなに煩い場所が嘗て学院にあっただろうか、シスターが1人でも来たら全員退学レベルだろう、なぜこんなに皆熱狂しているんだ?


「12時です。ランプを消しなさい」

 一際大きい声で誰かが話したあと、カチンと音がして空間が闇に閉ざされる


ガラガラと扉が開く音


突如、ランプが付いた。必然的に部屋が明るくなり、ランプの持ち手と周囲が見えるようになる


真っ黒でぶかぶかの帽子もルーン文字の衣裳が施されたマントも、片手にある7つの紫のビー玉らしき何かも

『魔女』、それは彼女に対しての褒め言葉なのだろうか


「今日も来てくれてありがとう!」

魔女が言う。

「倶楽部の活動がこうして知れ渡っているのは数ヶ月前の自分には予測できなかったよ」

「さぁ、始めよう」

「秘封倶楽部会長による『神秘暴き』を」


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