硝子玉と衣

硝子玉と衣


「まあころもさんは歌手としても頑張ってるよ硝くん。フリルちゃんからはいつも君の話ばかり聞かされてるけど…ね、ホント大丈夫?包帯ぐるぐる巻きでフラフラしてるけど…」

「大丈夫です。ただ古傷が開いて少し貧血なだけです。レバーでも食べたら回復しますよ。あと流石にそろそろご両親に挨拶行きたいですし」

「ここ焼き鳥屋じゃないから出ない…そうじゃなくて!!あ、いや、そんなボロボロの義弟を両親と一緒に見たくないよ⁉︎というかころもさん、初めて叫んだ気がする!」

あのころもさんが賑やかでしょう?実は今僕が居るのは会員制のバーの一室です。 

シックな雰囲気を台無しにする人気アイドル…これからは歌手業メインにマルチにやる予定の不知火ころもさんと居ます。

浮気じゃないよ?あと未成年じゃなくなりました。

はい。色々あって死にかけましたが無事大学も受かり、大学生です。20にもなりました。

傷の治りが悪い?

はい、あの男…貝原亮介は人間の身体の壊し方を熟知しているものだから一つ一つの傷や損傷治すのに時間がかかってます。

特に刺し傷が酷くてすぐ傷が開くためまだ包帯かかせません。

今日はフリルの姉のころもさんに頼まれた案件

「ある有名劇団の勤務、環境について正確な情報が欲しい」という依頼の情報を持って来たのだ。

彼女が目をかけている役者がかなり思い詰めているので助けたいから力を貸して欲しい、と依頼されたからには動くしかない。

ころもさんのおかげで僕は最強の仲間達が付いてくれたのだから。

まあ怪我な状況は軽くしか言わなかったからころもさんは本当に驚いていたのだけど。

「まー…君が無理をして掴んだものはこちらで何とかするよ。今度は仲良い人、助けたいからさ…いただいた情報は必ずうまく使うから」

「効果的な方法は熟知してますからアドバイス必要だったらしますし、何なら最後までやりますよ」

「いやー、硝くんにそこまでお願いしたら君が大変なことになりそうだし、フリルちゃん泣いちゃうだろうからやめとく。

私だって秀知院だから君と同じくらい強いんだよ?」

「そうでしたね、失礼しました…」

初めて会った時に脅されたもんな。

『フリルに近づいたのは私や秀知院関係者が目的?理由が理由なら君には社会的に死んでもらうよ』とか可愛く言われたっけ。

大人しくしておこう…後包帯変えたい。

「すいません、包帯変えて来ます」

「無理しないでね?あと帰っても良いよ?」

「いやいや、久しぶりに超人気アイドルに会えたのに勿体無いことしたくないですって」

「え、うん…ストレートに言うねぇ…待ってるから」

10分後包帯変えて着席しころもさんと近況を話していた。

「ねー硝くん、フリルちゃんとはどこまでやったのさー?いや女の顔になったから分かってはいるけどどんな感じかなー、とお義姉さん気になるから」

イタズラっぽくニマニマと笑いながら聞いてくる彼女の姉。凄く可愛い。 

可愛いけど僕は彼女持ち。可愛い止まり。

だからフリルさん、鬼のようにLINEするのやめて。何で僕が可愛いな、も感じたタイミングがわかるのかは知らないけどスタンプ爆撃してるよね?通知やばいんだけど。

とりあえず話す範囲どうしようか。

「…どこまで話したら良いですか?」

「えっ」

「フリルとどこまでヤっちゃったか…内容までお話しすべきですか…?覚悟と責任は決めてますが」

「え、ええ…ストレート過ぎてころもさん困っちゃう…」

「顔赤らめて可愛いですね。ファンとして推していきます」

「フリルちゃんにチクるよ?」

「他意はありませんがすいません、少しだけ調子に乗りました」

おそらく…99.9%の確率で義姉となる人と他愛無い話をして僕は帰宅した。

「お姉ちゃんは可愛かったでしょ?

…目移りしないで」

しっかりチクられてました。

その日の夜は色々激しかったです。

おまけ

「実際どんなことを…?」

「比喩表現で行きますね?ニュアンスで掴んで下さい…ではこの携帯を見てください

『エクスブイモ○!スティングモ○!ジョグレス進化ァ!!

パイルドラ○ン!

パイルドラ○ン究極進化ァァァ!!

インペリアルドラモ○!!』

…こんな感じです」

「えーっと…つまり激しく合体して滅茶苦茶回数、、して…更にもう一戦…?

それでフィニッシュ…?」

「なんで分かるんですか、ころもさん。説明しないでください。まるでセクハラしてるみたいじゃないですか」

「くぅ…私が話し振ってるから強く言えない…!

というか否定しないんだ…フリルちゃんが大人過ぎるよぅ」

顔赤らめたころもさんは可愛かった。

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