砂糖堕ちハルカさんと幻覚アルさん概念

砂糖堕ちハルカさんと幻覚アルさん概念

妄想概念不法投棄の人

 目の前でアル社長が砂糖堕ちさせられてショックで砂糖の禁断症状が再発して幻覚のアル社長が見えるようになった伊草ハルカさん概念


 ヒナさんと戦闘になりアル社長が敗北、砂糖を食べさせられて中毒者にされてしまいます。社長を人質に取られてカヨコさんとムツキさんは動揺しハルカさんもショックで砂糖の禁断症状が発症し動けなくなります。

 ヒナさんに今までの憾みとばかりに一人ずつ執拗に甚振られ戦闘不能状態にさせられるカヨコさん達。ついにハルカさんの番になります。ヒナさんが銃を構えた瞬間に「避けなさい」と言われ咄嗟に躱すハルカさん。急に俊敏に動き自分の攻撃を躱されて驚くヒナさんと自分の頭に響くアルさんの声に驚くハルカさん。

 「あ、アル様…ど、どこに」「安心して、私ならあなたのそばに居るわ。敵は一人よ、戦いなさいハルカ。銃を持って」銃を持ち握るものの震えてまともに構える事も出来ません。

 「大丈夫、私がサポートするわ」ふと銃を握る自分の手にもう一つの手が重なり優しく包んでくれます。ヒナさんに対する恐怖心も身体の震えも消え、力が湧いてくるのを感じます。

 頭に響くアルさんの声に導かれるようにヒナさんの攻撃を躱し少しずつ反撃をしていき、遂にはヘッドショットを決めます。

 ハルカさんの会心の一撃が命中し顔面が半分血に染まり怒り狂うヒナさん。ハルカさんは体力を使い果たし倒れてしまいます。

 絶体絶命のピンチ、しかし幻覚アコさんに「委員長、ここはもう撤退すべきです」「この娘どもはもう虫の息、放置して構いません」「ホシノさんが窮地に立たされています。至急救援に向かってください」言われ、砂糖中毒で動けないアル社長を担いでその場を後にします。


「アル様……私…やりました……あの風紀委員長を……アル様?」

 横たわるハルカさん、ふとさっきまで聞こえていたはずのアルさんの声が聞こえません。起き上がりフラフラとアルさんの名前を呼びながら彷徨うハルカさん。コツンと何かが足に当たりその拍子にふと甘い香りが鼻腔をくすぐります。下を向けばヒナさんが落としていったサンドシュガータブレットが入ったケースが落ちてました。思わず拾い一粒取り出し食べてしまいます。

 噛み砕いた途端に凄まじい衝撃と衝動がハルカさんの身体と精神を揺さぶります。それまで3%ほどの純度の砂糖を少ししか摂取してなかったハルカさんにヒナさん愛用のサンドシュガー(純度31%)はまさに猛毒。目と耳と鼻と口から大量出血してのた打ち回り、自分の中にある大切なナニかが焼き剥がされて行くような感覚に恐怖し、アルさんの名前を呼びながら必死に耐え続けます。もう限界だと思った瞬間、身体の中を渦巻く暴風のような衝動と焼けた鉄板を全身に押し付けられたような痛みが引いて行きます。そして何か柔らかく温かいものに包まれている事に気が付きました。


「ハルカのバカ……あなた、なんて無茶するの。ヒナの砂糖を食べるなんて!でも間に合ってよかった……私が砂糖の因子を取り込み大半を引き受けれたからよかったものの一歩間違えればあなたは自我を無くして命消えるまで暴れて続ける運命だったのよ」


 ハルカさんはアルさんに抱きしめられていたのでした。


「あ、アル様……アル様!アル様ぁっ!!」


 そこには本物の陸八魔アルが居たのです。声だけではありません。抱きしめた身体、顔を埋めた胸の弾力とその奥から聞こえる心臓の鼓動に良く知った匂いと温もり、自分の背中に回る腕、顔を上げれば困った表情を浮かべる整った美しい顔、その顔を包む長い髪がハルカさんの顔に垂れてくすぐってきます。

 アルさんをしっかり堪能しているハルカさん。そこへ後ろから声が掛かります


「ハルカちゃん…何してるの?」


「ハルカ……?」


振り返れば意識を取り戻したのかムツキとカヨコが起き上がろうとしてました。


「ムツキ室長!カヨコ課長!私っ!!やりましたっ!!アル様を救えたんです!!風紀委員長から取り戻せたんですっ!!アル様の的確な指示でっ!あの風紀委員長を撃退できたんですっ!!」


 しかし、二人は喜ぶどころか怪訝な表情を浮かべます。


「ハルカ……アンタ、何もない虚空に腕なんて伸ばして何やってんの?」


「ハルカちゃん……そこには何も無いんだよ?」


 まるで目の前のアルさんが居ないような反応を示す二人にハルカさんは焦ります。


「ムツキ室長!カヨコ課長!どうしたんですか!アル様ならここに居ますっ!!いくらアル様相手だからと言ってそんな冗談は言わないでくださいっ!!」


 しかし、ますます二人は怪訝な表情を深めて行くばかりです。


「あ、アル様からも何か言ってください!!ムツキ室長もカヨコ課長もアル様が見えないと居ないとふざけた事を言ってるんですよ」


【ハルカ……】


「あ、アル様……?」


 アルさんの表情を見て不安がよぎるハルカさん


【ハルカ、残念だけどムツキとカヨコが言ってる事は本当なの。私は本物の陸八魔アルじゃない。私はあなたが摂取して身体に取り込んだ砂漠の砂糖の因子が見せる幻覚なの。あなたの記憶とあなたの深層心理内にある理想像を元に私は生み出されたあなただけの存在。私の声も姿もあの二人には――、いいえ、あなた以外のこの世界の誰にも私の存在は見えないのよ】


「そ…そんな……嘘だっ!!!だって、今こうしてアル様に触れられます。アル様の体温を感じられます。声も吐息もすべて――。これが全部幻なんて私は信じませんっ!!」


【そうね……じゃあハルカ、あなたの銃を私に貸してくれないかしら?ちょっと前から触りたい持ってみたいって思っていたのよ】


「私の銃をですか……わ、わかりました」


 そういって自分の銃をアルさんに差し出すハルカさん。腕を伸ばし開いた掌に銃を置こうとしますがガシャンとそのまま手をすり抜け地面に落下します。


「アル様申し訳ございませんっ!!もう一度…もう一度だけ……」


 自分の渡し方が悪かったのだろう、そう自分に言い聞かせ、アルさんに銃を渡そうとするハルカさん。しかし何度やってもアルさんは銃を受け取ることが出来ず、虚しく銃が地面に落ちるだけです。


【これでわかったでしょう。私は偽物で幻の存在なの。あなたが望む本物の陸八魔アルでは無いわ】


 あなたを騙してごめんなさい、と謝る幻覚アルさん。それでも未だ信じられないハルカさん。


「ハルカ……あんた、砂漠の砂糖に手を出したでしょ。その手にある物をこっちに渡して」


カヨコさんがハルカさんの手の中にあるタブレットケースに気づきました。


「いや…嫌です」


 ハルカさんは全力で拒否します。ハルカさんは薄々感じていました。このタブレットを失えばもうこのアルさんには会えなくなると。


「ハルカちゃんそんなもの食べちゃ駄目だよっ」


「アンタ……ソレがどんなものか知ってるでしょ。社長みたいにされたいの?ヒナや他の狂った連中みたいになりたいの?もう一回言うよ、それを今すぐ捨てるかこっちに投げて」


「嫌です!いくらムツキ室長やカヨコ課長の頼みでもこれだけは嫌なんですっ!……そ、そうだ……お二人もこのタブレット食べればいいんです。食べればアル様に会えます。アル様の姿や声が見えるようになります。そうすればお二人も――」


 名案だとハルカは気が付きます。どうしてこんな簡単な事に気が付かなかったんだろうかと。お二人もこのタブレットを――砂漠の砂糖を取れば――きっと自分の事を信じてくれる。同じ立場へと堕ちてくれると。


【それは絶対に止めなさいハルカ。絶対にあの二人には…いいえ、決して誰にもこの砂糖を食べてはいけないわ】


 しかしその考えを実行へと移そうとした瞬間、まるで頭を殴られたような衝撃と共に幻覚アルさんの声が響きます。


「アル様どうしてですか!どうしてあの二人に砂糖を食べさせてはいけないのですか!砂糖を取ればアル様の事がわかるのですよ!?」


【ハルカ、さっきも言ったけど私はあなただけの、あなたにしか見えない幻覚なの。それはムツキやカヨコに砂糖を食べさせても同じ。もし見えたとしてもそれは彼女達専用の私の幻覚。私とはまったくの別個体であなたには姿も声も見えないの】


 それだけじゃないわ。と幻覚アルさんは続けます


【今のあなたは奇跡的に正気を保ててるけど、あの二人がそうなる保証はどこにもないわ。砂糖を与えれば確実に狂い壊れる。あなたは便利屋68を破壊するつもりなの?もしも本物の私がそれを見て知ったらどうするつもりなの?】


 少し厳しい口調で咎められるハルカ。その時でした。銃弾がハルカを掠めます。見ればカヨコが銃を構えてました。


「いい加減にしてハルカ。今すぐ砂糖を捨てて。あんたはまともじゃない。ムツキ、銃を構えて爆弾の用意。ハルカを倒して目を覚まさせるよ」


「カヨコちゃん!?」


 完全に戦闘モードに入ったカヨコさん。ハルカさんも思わず銃を構えます。


「目を覚ませるのはカヨコ課長の方です……アル様は…アル様は絶対に渡さないっっ!!」


※ここで選択肢が出てきてこのまま戦闘に入るか、幻覚アルさんがハルカさんの身体を一時的に乗っ取って、自分が偽物とは言え陸八魔アルであることを証明(ムツキちゃんやカヨコさんの秘密やアルさんしか知らない秘密の事を言う)してギリギリ戦闘回避します。

 戦闘回避できなかった場合はBADENDへ入ります。ハルカさん死亡ENDやハルカさんがタブレットを一気に煽り狂化暴走して二人を殺して自分も死を選んだり、そのまま完全砂糖堕ちアビドス入りしたりします。


 戦闘回避後はとりあえずタブレットは出来るだけ食べないと言う条件で和解し(ちょっと理由付けが弱すぎる。何かもう少しネタが欲しい)ます。

 その後は幻覚アルさんの頼みでアルさんがお世話になっているガンショップへ行き、アルさんの愛銃と同じスナイパーライフルと手に入れます。アル様と同じデザインでと言うハルカさんにあなたが使うのだからあなたのデザインと名前でと幻覚アルさんに言われてハルカさんのSGと同じカラーリングと専用の新しい名前(名称思い付かない、何とか二人の固有武器の名前を取り入れたカッコイイ名前が欲しい)を付けて便利屋の事務所へと帰ります。




 深夜、疲れ果てて、事務所のソファーや床で雑魚寝しているハルカ達。窓辺にもたれて幻覚アルさんは一人佇んでました。


【やはり、アポピスとのリンクが消えかかっているわね。この宿主(ハルカ)が砂漠の砂糖に染まりながらも正気を保ててるのはそのせいかもしれないわね】


 彼女達は砂漠の砂糖の因子が生み出した幻覚。その行動目標とは強力な神秘と器を持ち、砂糖に酷く溺れながらも抵抗を続ける忘れられた神々である少女達を甘い言葉で唆し、少女たちの心の傷や弱みを浮かび上がらせ、揺さぶり脅し誘導し、最後の一線を超えさせること。そして最終的に彼女達の創造主たるアポピスの望む形の贄へと育て上げ糧として捧げるのが絶対使命であり存在理由である。

 しかし、彼女は――、伊草ハルカに巣食う砂漠の砂糖の幻覚であるこのアルはそれをしようとはおもわなかった。


【私は伊草ハルカを守りたい。彼女を救い助け、砂漠の砂糖の呪縛から解き放ち、本物の陸八魔アルをも救い二人を再会させたい】


 それは彼女の存在全てを否定するに等しい決意。そして無謀と言うべき創造主への叛旗を翻すまさに反逆行為でもあった。


【そして……無事この砂漠の砂糖の悪夢から解放して……私は……消え……消え……】


 それ以上の言葉は出せなかった。彼女にはある感情が芽生え始めていたからだ


【駄目よ。私は偽物……私はハルカを蝕み苦しめるだけの存在……本来は居てはいけない……存在なの……なのに】


 本物の陸八魔アルになりたい。本物の彼女に成り代わり、ハルカを守りたい……ずっと彼女の傍に居たい。天寿を全うし、平和に迎える最期のその瞬間まで。


 そんな感情が芽生え始めている事に幻覚アルは恐怖を覚え始めていた。


【今はそんな事を考えている暇はないわ。今は彼女を守り、サポートする、それに集中するのよ。アビドスへ、あのアポピスが居る暗黒と地獄の砂漠へ、彼女と彼女の大切な物を救い取り返すために】


 ズキンッ…


 幻覚アルの身体に僅かな揺らぎが生じる。さぁ、もう一つの大事な仕事の時間だ。

 彼女が手を翳すと光が集まり一つの武器を形成する。スナイパーライフル「ワインレッド・アドマイアー」が姿を現したのだ。

愛銃を構え、ゆっくりと寝ているハルカに近づいて行く。


「ハァッ…ハァッ…ハァッ……あぅ……うううう……はっ………あぐっ……」


 少し息が荒く苦しそうに呼吸を繰り返してるハルカ。砂漠の砂糖の禁断症状が彼女を苦しめていた。


【ごめんなさいハルカ……私のせいで……あなたを苦しめる事になってしまって……】


 あの時、空崎ヒナに追い詰められた時、奇跡的に生み出された幻覚アル。ハルカの身体の中に僅かに残っていた砂漠の砂糖の因子を必死にかき集め何とか声が伝わる状態まで昇華し、ハルカを救うため全力で支援した。

 そしてそのまま力を使い果たし消え去るはずだった……。


【あの時、私があんなことを考えさえしなければ……】


 完全に消え霧散する瞬間、彼女は願ってしまった。【まだ消えたくない。もう一度、もう少しだけハルカのそばに居たい】と。

 その結果彼女の意識に思わぬ干渉をしてしまい、偶然にも空崎ヒナが落としたタブレットケースを見つけてしまい砂糖を取得してしまった。

 高純度の砂漠の砂糖はハルカの身体を作り替え、幻覚アルに力を与えてしまった。声・姿・身体・力、本物の陸八魔アルが持つすべて物を持てるようになってしまった。


ズキンッ


 再び揺らぎが生じる。先程よりも強くハッキリと。


【無駄な考える事はもう止めよう。今は私のやる事をしなければ……】


 苦悶の顔を浮かべ玉汗を沢山浮かべ魘されているハルカ。その彼女の身体の上に覆いかぶさるように幻覚アルは己の身体を重ね密着させる。


【ハルカ……私にあなたを護らせて……】


 苦しそうに呼吸をする唇に己の唇を重ね合わせる。光の粒子が身体を包み込み、幻覚アルはハルカの中へ溶け込むように消えて行った。




 見慣れたゲヘナの街並みが広がる世界に幻覚アルは姿を現した。

 ここは伊草ハルカの身体、そして心の奥底。神秘と器の力が交差して生まれる心象世界。

 伊草ハルカにとって大切な初めて陸八魔アルと出会い救われた思い出の地を映し出した世界。

 しかし、その町並みは砂漠の砂が大量に流れ込み、飲み込まれ消えようとしていた。


【もうここまで浸食が進んでいたなんて……!!】


 ズズズズズズ…と腹の底に響き渡るような地響きと大地震のような揺れが始まる。


 やがて大音響が響き渡り、地面が盛り上がり爆発し、周りのビルや建物をなぎ倒し崩壊させながら巨大な砂蛇が姿を現す。

 この砂蛇こそがこの世界の創造主で宿主の伊草ハルカに巣食い彼女を苦しめ続ける、未だアポピスとリンクが繋がり、幻覚アルとは分離している砂漠の砂糖の因子が生み出した――、いやアポピスの因子が作り出した幻覚であり創造物だ。

 数度周囲を見渡し、地面に立ち睨みつける幻覚アルを見つけると勢いよく襲い掛かって来たのだった。

 己の理由そのものを否定しかなぐり捨て創造主に楯突く反逆分子である幻覚アルを処分するため、この世界の主である伊草ハルカを砂糖堕ちさせ心の支配させるために



【あなたにはこの世界を壊させない!奪わせない!!私が必ず守るわっ!!】


 銃を構え、砂蛇目掛け銃弾を発射する幻覚アル。

 誰も知らない、伊草ハルカすら知らない、彼女だけの孤独の戦いが今夜も繰り広げられようとしていた。



#概念書き殴りここまで


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