砂浜とフルルドリスの熱い夏
あやめ色の長い髪に抜群のスタイルの美女フルルドリスは、彼女がマスターと呼ぶ男と海岸に赴いていた。
もとより引き締まっているのに出るところは出ていて、かつ芸術的なまでに均整の取れているその肢体。今はビキニタイプの水着を着用していて肌の露出も多いため、その姿に目を奪われるものは後を絶えない。
歩くだけで周囲の男たちの視線は集中し、どころかそれを咎めるはずの連れの女性まで思わず視線を奪われる。
ビーチバレーの球が誤って飛んできたのを打ち返したときなど、女性陣からは黄色い声が上がり、男性はといえばその動きの華麗さにどよめいたり揺れる胸に夢中になったりで、フルルドリスはスカウトを丁重に断っている間に何故か握手を求められ困惑する一幕もあった。
そのフルルドリスは今、アイス屋の前で手に持ったアイスを見つめながら、先ほどあったとある出来事を思い出していた。
マスターが荷物を預けに行っている間、フルルドリスは小さな女の子が泣いていたのを見つけたのだった。聞くとお気に入りのビーチボールが波にさらわれてしまったのだという。
海を見渡し、波間に漂うボールを発見したフルルドリスは海に飛び込み、それを女の子に返してあげた。
「おねえちゃん、ありがとう!」
「どういたしまして。たいせつなものはぎゅってして、はなさないようにね」
「うん!あの、これ、もらって!」
「ありがとう、使わせてもらうね」
そうして少女から手渡されたのは、アイスを交換できる券だった。
フルルドリスは思案する。あの子はちゃんと…
「おねーさぁん!もし、かし、て!今ヒマしてる?俺と遊ばない?」
突然、軽薄な声が浴びせられる。
見ればいかにも遊び人といった風体の若い男が立っていた。その視線はちらちらとフルルドリスの身体を見ている。
ナンパされたのだ。
フルルドリスはその整った容姿やスタイルの良さからこういった経験は初めてではない。ただ断るだけでは諦めが悪そうなタイプだとフルルドリスの直感が告げていた。
「そのアイスうまいよね!1本じゃ足りないんじゃないの?おねーさんに買ってあげよっか!俺の持ってるやつでもいっけど!?」
「いえ、結構です」
きっぱりと拒絶したつもりだったのだが男はなおも食い下がってくる。
「え~なんでぇ?そんなこと言うなって!あ、んじゃもっと美味いもん食い行こっか!こっちこっち、案内するってぇ!一緒に来てる奴もあっちいるからさ、みんなで楽しく」
「自分で購入したもので間に合っています。それに…マスター?」
フルルドリスは後ろに向かって声をかける。近くに開いたパラソルの影から顔を出したのは長身の男だった。
ナンパ男が怪訝な顔になる。
「アイス…食べませんか?」
マスターにアイスをかざして見せるフルルドリス。
「いいね、冷たいものがほしかったんだ」
手を伸ばすマスターだったが、フルルドリスはアイスを渡さず、どころかそれを自分の口に運ぶと一口齧り取った。
「…♡」
マスターがその行為に反応するより早く、フルルドリスは差し伸べられたマスターの手を掴み、一気に身体を密着させる。
柔らかな両の乳房がマスターの胸板でぐにゅりと歪む。
その勢いのまま、何かを言おうと開きかけたマスターの唇を自身の唇で塞いでしまった。
「んっ…♡っちゅぅ…♡♡れぅ…♡」
口内で舌がぶつかり、フルルドリスの舌によってアイスがマスターの口内へと運ばれる。
溶けたアイスが口の端から零れ、フルルドリスの胸へと落ちた。
「んれぇ…♡ぢゅ…♡っちゅ、っは…♡
…すみません、私にはこの通り、先約がありますので」
「な…!」
マスターの腕を自分の腰に誘導しながら横目で言い放つフルルドリスに、ナンパ男は足元の砂を踏み荒らし、
「クソが、時間の無駄かよ!」
そう吐き捨てると、人で賑わうビーチに去っていった。
「…大丈夫?」
「心配には及びません。マスターの手を煩わせることもないと思っていたのですが…随分と諦めが悪そうでしたので」
「…フルルドリス、その…あれは…」
「ええ、他にも方法はあったでしょう」
ならば何故、という疑問を顔に浮かべるマスターにフルルドリスは、
「ナンパ男を退ける…私がそんな理由にかこつけて、本当はただ…あなたと口移しを…キスを、したかった、と言ったら…はしたない女と咎めますか?」
頬を赤く染めながら、上目遣いで答えた。
その言葉に、マスターはゆっくりと首を横に振って見せる。
フルルドリスの表情筋が笑顔を形作ろうとしたが…それは叶わなかった。
今度はマスターの方から、フルルドリスの唇を奪ったからだ。
「んっ!♡?ん、む…♡ぇる…♡ちゅ♡っあ……♡♡んぇぉ…♡♡」
突然のことに目を瞬かせるも、すぐに受け入れて舌を差し出すフルルドリス。
周りには人の目もあったが、二人の目には今互いのことしか見えていなかった。
二人の唾液が混ざり合い、口の中でくぐもった水音が響く。
「ん…っぷぁ……したくなったら、いつだって」
「マスター…♡それだと、四六時中してもらうことになってしまいます…♡」
「今度そういう日作る?」
「……♡♡…想像するだけで…♡♡マスターは私を熱中症にさせたいのですか…?♡」
「…涼しいところに行こうか」
「ぁ…♡ ま、マスター…♡それなら…いい場所があります、あちらの方に…」
フルルドリスの指す方に歩き始める二人。ビーチの客とすれ違いながらフルルドリスに聞くには、人が来ることも少なく誰にも邪魔されない場所だと言う。
マスターの指が、そっとフルルドリスの指に絡まる。
マスターは理解していた。
フルルドリスが行こうとしている場所がどこかはわからないまま、理解していた。
何故こんなに人の少ない方向へ歩いているのかも。
これから行く場所できっと何が起こるのかも。
フルルドリスが、望んでいることも。
思わず、繋いでいる手に力が入る。
「…………私も、はやくいきたいです…♡ええ、そう遠くはありません……♡」
何も言っていないのに、フルルドリスが何かに答える。
足音の間隔が短くなったような気がした。
ふたつ並んだ影が、喧騒から遠ざかっていく。
「ここです」
「…すごいね、まさに穴場って感じがする」
二人が着いたのは、岩壁と木々に囲まれて周りから見えないようになっている場所だった。
奥の方には岩壁から水が流れ小さな滝のような様相を呈していて、ひんやりとした空気が漂っている。
「はい、ですから……邪魔が入ることもありません」
「そうだね、さっきみたいな奴もきっとここには気付かないよ」
「さっき…」
先刻向こうで低俗な男に絡まれたことを思い出したのだろう、フルルドリスは来た方角をちらと見やってからゆっくりとマスターの方に向き直る。
「マスター…」
その後に続く言葉は、マスターが予想していなかったものだった。
「もし…」
もし私が……
あの軽薄な男の誘いに乗っていたら……
もし、あの誘いに…頷いてしまったとしたら……
私は今頃、どこで…何をしていると思いますか……?
きっと私は、あの男に手を取られて…連れていかれてしまうのです…
歩いているうちに…男の手が私の後ろから…私の腰に触れて…
戸惑う私をよそに…まるで恋人であるかのように私の肌を撫で…
いくばくもなく…男の手の位置が下がっていって…
私の尻を…さわさわ…ぐにぐにと……弄ぶのです…
私の意識は男の手に向かっていて…自分が男の掛けた罠に近づいていることに気付けない…
気付くと…男が元居たらしき場所にいて…
男は、私の肌が綺麗だとか…日焼けさせたくないなどと言って…
なにか粘り気のある液体を、私の身体に…塗りこんでくるのです…
その液体が塗られたところは…気のせいでしょうか…じわじわと熱を帯びるような感覚がして…
男の手が背中から腹へ…脇腹へ…私の身体を無遠慮に撫でつけ…
そして…ついには水着の下にまでも侵入してきて…
直接胸に塗り込まれる、怪しい液体…
男の手が胸の頂点に達し…思わず声を漏らしてしまう私…
乳首を熱い感覚が襲い…ゆっくりと…しかし確実に…硬く尖ってしまう……
それに気付いた男は…片手で胸を揉みこみながら…もう片方の手は下の水着に潜って…感触を確かめながら…液体を塗り込むのです…
私の身体は玩具の様に扱われ…
もう全身火照りきってしまった私は…男に身体を寄せられても突き放せず…そして…
唇を…奪われてしまうのです…
キスをしながら…男は身体を押し付けてきて…
臍の下に…硬いものが当たって…
私の口内で舌を暴れさせた男は…唇を離すと、私を押し倒し…
いいだろ、と…水着を脱ぎ去り…
俺の女になれよ。
そう……言うのです……
そのとき、私はどう返答するのでしょう…?
強制的に体を火照らされ…全身を弄られ…朦朧としている私は…
昂ぶらされた生殖本能の命ずるままに…
…「はい」……
……「あなたのお
「フルルドリスッ!!」
大きな声。空想の世界からの脱出。
「……はい♡♡マスター♡♡」
マスターはフルルドリスを強く抱きしめると、荒々しくその唇を貪る。
「ふッん♡!♡んむ♡♡ぢゅ♡んぅ♡んれるぇる♡♡んぅ~ぇぅ♡♡ぇぁ♡♡ぁむ♡♡むぢゅ♡♡」
マスターの舌がフルルドリスの口に侵入し、舌を絡めて吸い上げる。
フルルドリスも恍惚の表情を浮かべながら懸命に舌を伸ばしてマスターの舌と絡み合わせる。
互いの唾液を交換しあい、飲み込み、それでも足りずに口の端から零れ落ちる。
息継ぎすら忘れるほどの長い長い接吻。
互いの唇が離れる頃には、混ざりあった二人の唾液で口周りがべっとりと濡れていた。
名残惜しげに二人の視線が交差する。
マスターの瞳には欲望が宿り、それはフルルドリスも同じ。
互いの吐く息は熱く、目は潤んで、発情していることは明らかだった。
「俺の」
愛する女の双眸を見つめながら、フルルドリスに低く響く声を発するマスター。
ごく短い言葉だったが、フルルドリスにはそれだけで十分だった。
「はい…♡♡♡」
胸中から溢れ出る想いが空気を震わせる。
「私は、フルルドリスの全ては貴方のものです♡♡
他の男の不躾な手に弄ばせることなど、万が一にも有り得ません…♡
触れてください♡
この身体が真に貴方のものであるという証を刻み付けて下さい♡
誰が見ても…貴方との恋に落ちたまま、抜け出す気など毛頭ない女だとわかるように…♡
私を好きにして下さい…♡
貴方にいっぱい愛してもらいたくて…♡荒唐無稽な妄想を囁いて…♡雄のイライラ促進してしまうこの淫らで賢しい雌に…♡
貴方の愛を…感じさせて…♡
空想の中の私が…少しでも貴方のものであることを忘れた責任を…取らせてください…♡♡
もう二度と忘れることなどないように…♡
今ここで…
これで…貴方を思い出させてくれませんか…♡♡」
気付けばフルルドリスの内股には水ではない液体が伝い、長い指はマスターの盛り上がった股間を撫でさすっていた。
「…そこに手をついて」
岩壁に手をつかせて、後ろから抱きつくような体勢になるマスター。
背後から両手で胸を鷲掴みにし、そのまま円を描くようにして揉みこむ。
(むにゅ♡むに♡ぐにゅ♡)
「ああっ♡♡っふぅ˝♡♡ぁあ♡嬉しいですっ♡マスターっ♡」
水着の布を押し上げるように固く勃起した乳首にマスターの指が掠めるとフルルドリスは身体をぴくりと震わせる。
「…触ってほしい?」
「♡…はい♡♡マスターに触られたくて♡こんなに固くなっているんです…♡♡つ、強く摘まんだり…♡♡引っ張ったり…♡♡して、ほしいです……♡♡」
「…!」
(きゅっ♡)
「んっくぅ˝っ♡♡あっい˝♡♡っ♡♡」
敏感な両乳首を親指と人差し指で挟み込んで摘ままれると、フルルドリスは快感に背筋を反らせる。
その姿に更に興奮したマスターは自身の水着をずり下げるとその下から勢いよく跳ね上がった雄の象徴をフルルドリスの尻に押し当てる。既に先走り汁を垂れ流していたそれは水着越しに肌を擦り、その感触にフルルドリスは期待に思わず喉を鳴らしてしまう。
「っン♡ゴクッ…♡♡ま、マスター…♡なにか…♡ふぅ♡♡当たっていますが…♡随分と…お辛そっあッや♡乳首なでなでぇっ♡♡っくふ♡う♡ふぅ♡っ……♡」
敏感な突起を弄られると言葉を断たれてしまう。行為の主導権はマスターのものだった。
マスターの肉棒の先端が、水着の上から割れ目をなぞる。
亀頭の先がクリトリスに触れるたびにフルルドリスは甘い声を上げ、腰をびくつかせる。
肉棒は何度も往復を繰り返し、時折水着の中へと潜り込もうとするかのように押し込まれる。
「ふ…っ♡♡っくぅ…♡マスター…っ♡♡っあっ…♡♡っひぁん♡♡っ♡ますたーっ♡♡ますたぁーっ♡♡」
艶めかしく尻をくねらせ、物欲しげな声でマスターの名前を呼ぶ。
腹の奥がきゅうきゅうと悲鳴をあげ、秘所からはたらたらと垂れた愛液が足元を濡らしていた。
フルルドリスはマスターの方に顔を向ける。
「…くださいっ…♡♡♡焦らされるの辛いです…っ♡♡♡厭らしい雌と…♡♡ののぉ˝っあ♡♡あ♡♡♡あ˝♡♡」
フルルドリスが言い切る前に、水着がずらされ膣口にあてがわれた肉棒が柔い膣肉を押し広げ始めた。
(ぬぶぷっ♡ぐじゅっ♡)
「あ˝あ˝ぁ♡♡はいって♡♡くるの…っ♡♡あ、だめで、すイキそうに♡♡っくぁあ♡♡♡」
肉壁を掻き分け、太く硬いものが侵入してくる感覚に、フルルドリスは歓喜の声を上げる。
待ち望んでいた挿入に、膣内襞が媚びきって絡みつく。
「このまま奥まで、挿れるから…!」
(ぬぢゅぅぅっ…♡)
(こつん♡)
「っお˝っ˝♡♡イ˝♡♡ッッ♡♡♡――ッ♡♡」
(びくびくぅっ♡♡)
最奥に到達すると、フルルドリスの全身が震える。それは彼女が絶頂するときのクセで、イッたのがわかりやすいのをマスターはエッチだと気に入ってくれていたがフルルドリスはそれが恥ずかしくもあった。
「っく……!…動くよ……」
「まって…♡♡いまイッって…♡♡
(どちゅっ♡)
っきゅ˝♡♡♡」
言葉は確かに耳に届いていたが、動き出したマスターの腰は止まらない。
子宮口をノックするように小突かれるたび、脳髄を快楽の電流が流れるような錯覚を覚えて意識を手放しそうになる。
(ぱんっ♡ ぱんっ♡ ぱんっ♡ ぱんっ♡ぱんっ♡ぱんっ♡ぱんっ♡)
肉がぶつかり合い、フルルドリスの桃尻が卑猥な音を立てる。
「まっ♡へ♡♡ますたー♡♡っぉ˝♡♡い、そんっ♡な♡奥を…ッ♡♡っお˝♡♡あぁっ!♡♡」
フルルドリスは焦らされた後の激しい快楽に立っていることすらできなくなりかけていた。しなやかな脚の筋肉が不規則に形を変え、尻にマスターの腰が打ち付けられ膣肉が蹂躙される中でどうにか体を支えていた。
だが、そんなことはお構いなしに、マスターのストロークは次第に大きくなっていく。
「フルルドリスは……! 俺の、女だ……っ!!わかったか…!」
「っぁあ♡♡はいっ♡♡はぃぃ♡♡う˝っ♡ぉ˝ぅ˝…♡♡っう♡私はっ♡♡貴方の女ですっ♡♡♡片時も忘れることなどっお˝♡あっ♡ありません…♡♡ずっとマスターのものでっぅ˝あ˝あ˝あ˝♡♡♡」
マスターが自分のことを求めてくれている。愛してくれている。そう身体と心で同時に実感できる瞬間が、フルルドリスに至上の幸福を与えてくれていた。
マスターは一際深く突き上げると、そのまま何度も押し込むように膣奥を責める。
(ぶぢゅ♡♡ぐり♡ぐりぐりっ♡♡)
「ォ˝う˝っ♡♡っくひィ♡♡ますたぁ♡♡それっ♡それだめ♡♡それ好き♡♡お˝っ♡♡お゛ーっ!♡♡ふっ深♡♡いですっ♡♡おくにっ♡♡つよっ♡♡っん˝ぉ˝♡♡ふぅ˝う˝う˝う˝っっ♡♡♡」
「子宮にも…!俺のだって証拠…注いでやる…っ!」
「っはい♡♡はい♡♡くださ、い♡♡大好きなますたーのっ♡♡ますたーのせーし♡♡ほしいです♡♡おねが♡しま♡ひゅ♡♡全部♡♡染めて♡♡」
もう限界が近い。マスターの腰の動きが速くなり、膣内で肉棒が一際大きく膨らむ。
「っく……!」
(ばちゅ♡ばちゅ♡ずちゅ♡…どちゅっっ♡♡)
(ぶびゅる♡びゅるるる♡♡ぶぴゅっ♡♡びゅぅーっ♡♡びゅぅーーっっ♡♡)
「っほお˝っ♡♡♡きたぁっあイグ♡♡♡っいぐ♡♡♡ィクイクイグ膣内射精イック˝♡♡イぎ♡♡ぅ˝♡お˝オーッ♡♡お˝ぉ˝お˝ーーーッッ!♡!♡♡♡」
(びっくんっ♡♡びくびくびくぅっ♡♡)
マスターの精液が吐き出されると同時に、フルルドリスは背筋を思いきり仰け反らせて絶頂する。
全身がびくびくと震え、体を支えるべき足も砂を無意味に蹴るだけで姿勢を維持する役には立たなくなっていたが、後ろからマスターがフルルドリスの仰け反った身体を抱きしめてくれていた。
フルルドリスは舌を突き出しながら、快感に声にならない喘ぎを漏らす。
「~~ッッ♡♡♡~~ッ♡っはへ♡♡っへぇ~♡~~っ♡♡ッ……♡♡まひゅ♡っ♡ますたぁ…♡♡っ♡♡ますたぁ♡♡」
長い絶頂をからだ全体で感じながら、荒い呼吸のまま、ただ繰り返しマスターを呼ぶ。
マスターはゆっくりと、未だ繋がったままの結合部から肉棒を引き抜く。
(ずぬる…♡ぢゅぽんっ…♡)
「っんひぅ……♡♡」
栓を失った秘所からは、収まりきらなかった白濁液がどろりと溢れ出し、地面に染みを作る。
「フルルドリス、掴まって」
マスターは優しくフルルドリスを支えながら向かい合うようにして自分の上に座らせる。
自然とマスターの首に手を回すフルルドリス。その眼はまだ快楽の余韻で蕩けたままだった。
「……ちゅ…♡♡っふぅ……♡♡っん♡♡っは……♡♡」
唇を重ね合わせるだけのキス。それだけでも今の二人には十分すぎるほどの幸福だった。
「マスター…♡♡好きです……♡♡大好きです……♡♡」
「俺もだよ、フルルドリス。大好き」
「♡♡♡…マスター♡ちゅ♡…離さないで…♡ずっといっしょに…♡♡ぜったい…♡♡ちゅぷ……♡♡ちゅっ……♡ちゅっ……♡♡」
マスターの首の後ろに腕を巻きつけながら、何度も唇を重ねる。
マスターの唾液を慈しむように、フルルドリスは夢中になって彼の舌を、口内を舐め回す。
「ちゅっ♡っ…ふ…んんむっ♡♡…んれるぇる…んれぅ♡…っぷぁ…♡♡私の全て…♡♡あなたに…♡♡ちゅ…♡♡はぁ…♡♡んちゅれろれる…♡♡」
フルルドリスがその形のいい豊満な乳房を歪ませるようにマスターの胸板に押し付け、ずり、すりと擦り付けていく。
「んん…っは……フルルドリス、まだ物足りない?」
「ぁ…♡えっと…♡あの……♡♡ その……♡♡♡」
「…かわいい」
「っ♡♡あ、あ…♡う…♡♡」
マスターの言葉に顔を真っ赤にしながら恥ずかしそうに俯く。
マスターはそれを愛おしそうに見つめると、彼女の髪を撫でて言う。
「いいよ、このままもう一回しよっか」
マスターの両手がフルルドリスの尻と胸に触れる。
「っ♡♡は、はい……♡♡お願いします♡♡♡ますたーっ♡♡♡」
フルルドリスの甘い声が、天然のプライベートビーチに響く。
砂浜を歩く二つの足音が、少し遠くで明るくライトアップされた仮設ステージに向かっていく。
「もう少しすると、ステージで出し物があるようです」
「そこまで調べてるんだ」
「マスターと一緒に居る時間は無駄にしたくありません。…いえ、貴方と一緒に居られるだけで無駄ではありませんが」
「…ありがとう」
「感謝されるようなことでは……、…?」
フルルドリスが視界の隅で動くものにふと目をやると、もう帰路に就くところだろうか、小さな女の子がビーチボールを大事そうに抱えて女性の後をついて歩いていくところだった。
歩みの止まったフルルドリスにマスターも気付き、同じ方向を見やる。
「…………」
「…?」
「…マスター」
(ぎゅっ……)
「どうしたの、フルルドリス」
急に抱きついてきたフルルドリスを抱きしめ返しながら尋ねるマスター。
「いえ、ただ……こうしなければ…そんな気がして」
「…そっか」
ボールを抱えた女の子が二人の存在に気付いた。マスターを抱きしめているフルルドリスと視線がぶつかる。
フルルドリスを見て、マスターを見て、自分の腕の中にあるボールを見て…
もう一度フルルドリスの方を向くと、満面の笑顔が花開く。
フルルドリスの顔にも、笑みが浮かんでいた。