真新しい手記・4

真新しい手記・4


新作だー!\太陽万歳!/

執筆お疲れ様です…!


『医療の街ヤーナム』


麦わらの一味inヤーナム編。

無事にヤーナムへの玄関口であろう港町に麦わらの一味が到着した所から物語は始まります。

これは…ゾロ視点、ですかね?


物語冒頭、早速一味の中ではヤーナムに詳しいチョッパーから解説が入ります。

曰く、現在地であるこの港町はヤーナムだけどヤーナムではない様です。

元々『ヤーナム』とは島の名前ではなく島の山奥にある都の名前であるとの事。

島の一都市の名前が島全体を指す名前になるとは…影響力の大きさを感じますね。…では元々この島自体にはどんな名前がついていたのでしょうね…?

そして早速ファンタスティック迷子を発動しかけてるゾロに苦笑いが。

ウソップとサンジの必死の引き止めの様子が目に浮かぶ様です…

ゾロの「港から見える山は島の中心方向のヤツだけだろうが。そう迷うこともねえだろ」の内心の呟きが盛大なフラグにしか聞こえない……それでも迷う人はね、道に迷うんですよ…


そこで現地の方…山奥の都への馬車の御者さんが声を掛けます。

悪い事は言わないから、馬車に乗ってお行きなさい。と。

ドレスローザの一件からは警戒心高めのナミさん…そうだね、また割高お値段吹っ掛けられるかもと思うとね…

そして御者さんが語る「禁域」のお話。

…曰く、山の中には医療教会指定の禁足地が森の片隅に残っているのだと。

…その禁足地、もしかしてやけに小綺麗に「整地」されてたりします…?いや禁足地だから一般の方がそれを知ってる訳はないか…

禁域やら禁足地やら、おまけに教会…教会があるなら神もいるのだろうとゾロの脳裏に掠めるはかつて空島で対峙した神を名乗る者…エネルの事。

「暗い雲に覆われた空からあの青い雷でも降ってきそうな街」…か。なんというか…鋭いな…覇王色の覇気の持ち主はそういうものを嗅ぎ分ける嗅覚が鋭いのだろうか。


馬車のお値段はナミさんのお眼鏡に叶うリーズナブルなお値段だったらしい。

一味は馬車に乗り込みヤーナムの街へと向かう。

ヤーナムで馬車というとカインハーストを思い出しますね…ヘムウィックの辻…

馬車の閉じられた片開きのドアには、エレジアの楽譜にも刻まれていた「やたらと記憶に残る読めねぇ一字のエンブレム」が掛けられていた…それってもしやカレル文字…?

というかゾロが静止を聞かずにファンタスティック迷子を発動してたら、絶対にゾロだけの禁域ソロ攻略になるだろうしワンチャン秘匿中の秘匿であるビルゲンワースに辿り着くんじゃないかと勝手にヒヤヒヤしてたり。

ゾロは恐らくビルゲンワースに秘匿されてる神秘の数々に首を傾げそうな気がしますが、ゾロがビルゲンワースに迷子(うっかり侵入)になってしまったら最悪ゾロが兄上の討伐対象に選ばれる未来があったかも知れないと思うと……


『赤子の赤子、ずっと先の赤子まで。絶えぬ凪が、私たちを慈しみ守りますように』

馬車の御者さんは、一味をヤーナムの都に送り届けた後に、そう祈りの言葉を捧げてから来た道を戻っていった。

ゾロから言わせてみれば「この島は凪の海に守られてるとも言えるだろうが、凪なんてものは祈りゃ長続きするようなもんでもねぇだろう」という意見。ご尤もではありますが…

…祈りとは信仰であり、信仰とは肯定であり、そして力となる。

まぁほら、諺で「嘘から出た真」…いや「鰯の頭も信心から」…なんてものもありますから。

案外隅にはおけなかったりするかも知れませんよ…?


場面はルフィとモモの助君のターン。

どうやら二人には何か感じている様子。


「何か見えるか?」という問いに、

ルフィは「…すげぇ静かだ」と答えます。

そしてそれに同調するモモの助君…


一体二人には何が見え、何を感じているのでしょうか…?

そしてモモの助君はやはり体調が優れない様子。精神的なものでしょうか?

お父さんの錦えもんさんと共に、侍親子は皆より先んじて宿を取って休む様です。どうかお大事に…

フランキーが後の合流の為にとサニー号から持ってきた電伝虫を錦えもんに預けるというさりげないファインプレーが光ります。頼りになるなこの大人……変態だけど。


ルフィが「静かだ」と零したヤーナムの街並みは、しかし祭の日のようなごった返しの様相を呈していた。つまり賑やか。

街並みを眺めてみれば、念のためにと魚人の特徴を隠して上陸したジンベエを余所に、恐らく同族の方々が通りに出店を構えていたり、背中に白い翼の生えた子供が通りを走り去って行ったり…

…いや本当に賑やかですね!ゲーム本編のヤーナムの街並みが綺麗になって、人が、様々な人種の方々の営みが垣間見えそうな描写に、まるで海外の賑やかな市場を覗く旅番組を観ているような感覚を覚えます。

しかしこの賑やかな通りの様子も、喜ばしい事ばかりではない様子…。

チョッパーが語るに、ヤーナムは元々難民の受け入れを行っており、頂上戦争の後からずっとヤーナムの人口は増え続けているのだとか。

人口が増えればそれだけ居住スペースの確保が課題となる…島の大きさには限りがあるのだからさもありなん。


サンジの「種族が多い」「まるで万国」の台詞に、描かれはしてませんが一味がホールケーキアイランド編を経ている事が分かりますね。確か以前にもチラッと触れられてたかな?

ゾロはサンジが覗いていた出店の濃赤のお酒が気になる様子………ん?まさかこのお酒は…?!

読者の期待に答えるように、出店の店主が口を開きます。


「あぁお客さん、ウチのは駄目だよ」

「ウチの酒は教会の認可を受けた”医療用“でね。血を受け容れてる人にしか売れないんだ」


…と。

首の長い出店の店主さんがゾロ達に説明してくれます。そしてこの出店にも馬車に刻まれていたあの一文字…恐らくカレル文字が。

それに口に合わないと思うよ。と、店主さんの手元の濃赤のお酒は「何を熟成したモンなのか光を通さず濁っていた」


………。


このお酒、血の酒だー!!!

初見読んだ時、ここのくだりは大興奮でした!

加盟国ヤーナムでも「血の酒」の文化は健在だったのですね…!そして市場にも教会の認可を貰った”医療用 血の酒“が流通していると。

そしてこの医療用血の酒はヤーナムでの治療…血を受け容れてる人にしか販売できない規定がある様子。

アレかな、血を受け容れてる人の「血の乾き」みたいなモノを緩和する薬酒みたいなものなのでしょうか?医療用血の酒は。

なら血を受け容れてない人に売れないのも納得。いや、そればかりではないのは百も承知ですが。

「血の酒」が教会の認可の元で合法的に製造がされてるとは…原材料の「血」の提供元はやはり…?

短い描写だけでもいくらでも空想と考察の翼が広がって行くかの様です…!

また、この時点では一味の皆は加盟国ヤーナムのあちこちに見られる「あの一文字」こと(恐らく)カレル文字の事をまだよく理解してない感じが伝わってきますね。

加盟国ヤーナムの中では「当たり前」のように浸透しているような描写も相まって自分の知識や常識が適応されない異国に来ています感が凄い。


唯一チョッパーだけは「血の酒」の事を知っていそうな素振りが垣間見えた所で、数話ぶりの登場であるローと合流する一味。

チョッパー、ルフィ、ジンベエはローの登場に特に嬉しそうです。が、一味の中でも唯一ゾロは一歩引いた場所からそれを見ていますね。

「おれの他に(ローに対して)警戒心を残した奴は誰もいねえのか」…と、内心に呟きながら。


ローの持つ大太刀…『鬼哭』を見やり「人斬り包丁みてえな、どうにも剣士の刀とは思えねえ」「一国丸ごと斬ってきたと言うような妖刀と呼ぶに相応しい刀」と形容するゾロ。そしてそんな妖刀と呼ぶに相応しい刀に選ばれたという事は、それ相応の意味を持つ。と。剣士ならではの視点からの警戒ですよね。ゾロは三代鬼徹という妖刀を携えているから尚更敏感なのかな…?

そして「血を吸い続けたそいつ(鬼哭)の気配は狩人連中の、トゥールや、それ以上にエレジアに現れたドフラミンゴのものによく似ていた」とも。

……。いや本当に鋭いな…。鬼哭の元々の持ち主(コラさん)の事を思うとね…気配が似てるというのはこう…胸にくる。


ローと共に登場したのは、ドレスローザ編でも先んじて登場していたデリンジャーちゃんや、ここで一味達とは初対面となるベビー5ちゃんやバッファロー君。

原作と違うのはデリンジャーちゃん達は海兵である事。皆もしかして海兵の制服や「正義」のコートを羽織ってるのかしら…?

何気にゾロのデリンジャーちゃんに対する「女男」って認識が凄く簡潔でゾロらしいなと思ったり。

そして彼、彼女らの間を縫って現れた年嵩の男性。ゾロの目測からして「それなりにやるみてえ」と言わしめる強者の気配をその男性は…何故か顔に卵焼きを貼り付けていた。


「おれはG‐5支部基地長、海軍本部中将のヴェルゴだ」

「君達の救ったドレスローザと患者達の件、感謝する」


…顔に卵焼きを貼り付けながら、海賊相手に礼なぞ言ってのけた男性…ヴェルゴ中将は、ただの竹刀を軽く石畳に下ろして笑った。


素敵な物語をありがとうございます…!

ヤーナム上陸から、街のあちこちに見られるカレル文字(?)や血の酒、ゾロの『鬼哭』の見立て、更にヴェルゴさん達の登場、禁域などの今後の伏線(?)らしきものまで…いや情報が詰め込まれているなぁ…!と…!

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