真新しい手記・27

真新しい手記・27


新作だー!\太陽万歳!/

執筆お疲れ様です…!


『行き先』


今回は前回に引き続き…ではなく、麦わらの一味の仲間達の「一方その頃」のお話。

会食会場から方方に散り散りになりながらも、現状チョッパー達のチームとナミ達のチームの2チームに単独行動のルフィ、という構造になっている麦わらの一味。

今回はチョッパー達かナミ達か、どちらにスポットがあたったのか?

それでは参りましょう。



【追いかけっこ、またの名を聖堂街脱出戦】

・と、いう訳で今回物語のスポットがあたったのはチョッパー達のチーム。

語り部はチョッパーが務めます。

前回怒り心頭なグラディウスに追いかけ回され、更にローの友人達であるヤーナム海兵組とも望まぬ心ながらも拳を構え合ったチョッパー達。

現在グラディウス+ヤーナム海兵組達と追いかけっこの真っ最中の様で…?


・ルフィを探すべく聖堂街からの脱出を図りつつ、追撃してくるグラディウス達を相手取るチョッパー達。

チョッパー曰く、グラディウス達は「多分みんなで正面から戦えば倒せてしまうんだけど、逃げようとするととても手強い相手」との事。

正面きって皆で戦えば彼らに勝てる、と戦闘面での仲間達への信頼や自身の戦闘面に対する自信がちゃんとあるチョッパー、カッコいいですね…!


・またチョッパー達がグラディウス達の追撃を振り切れないのは、グラディウス達が殆ど全員が能力者というばかりではなく「なんだかすごく夜目が利く」らしく、また地理に詳しいからではないかとチョッパーの分析が入る。

地理の利は元々ヤーナムで長く暮らしてる彼らに分があるのは分かるし、グラディウス達はデリンジャーちゃん以外は能力者なのも分かる。

しかし夜目が利くとは…まさか彼らが『拝領』している『血』の影響か…?


・更にグラディウス達…恐らくデリンジャーちゃん達海兵組は集団での戦いにも慣れている様子。倒されないように陣形を組みながらじわじわと攻撃の手をチョッパー達に伸ばしてくるような戦い方を仕掛けてきてる様です。

…これは…『ファミリー』時代からそうだったのか、或いはヤーナムに来てから、海兵になってからこういう戦法を取るようになったのかは気になる所。

集団でラインを合わせて追い込むように、また倒されないように戦う戦法は少なくとも『海賊』が好んで取る戦法じゃないように感じますね。

どちらかといえば味方に被害を出さず敵の捕縛も視野に戦わないといけない『海兵』の戦い方かな、と感じます。

実際この世界線のデリンジャーちゃん達は海兵ですし。

…そうなるとちゃんとデリンジャーちゃん達に合わせて戦えるグラディウス君も手練れですねぇ。


・麦わらの一味、少なくともチョッパーは「この手」の戦い方をする相手との戦闘経験が少なく、その結果がチョッパー達もグラディウス達も「皆でおんなじ場所をぐるぐる逃げ回る/追いかける」形に。

…真夜中のヤーナムでトムとジェリーが開催されてる…


・「いーかげん大人しく捕まるだすやん!」「おめーらもいい加減諦めやがれ!」と埒のあかぬ追いかけっこにお互いが痺れを切らして攻撃に転じようとした時、不意にジンベエが「待て」と待ったを掛けます。


「何が…」と続けた声の先、びゅんと何かがチョッパー達とグラディウス達の間を横切って行きました。

横切った後、真っ暗な路地の突き当たりにぶつかった音がしたあと、音の主がこちらに戻って来る足音が。

さてその正体とは…?



【合流!麦わらのルフィ!】

・「合流しちまった!」との明るい第一声と共に、ガス灯に照らされぼうっと浮かび上がったのはいつもの麦わら帽子。

我らが麦わらの一味の船長、ルフィ。

…前回の話の終わりにルフィは聖堂街の探索に出るのだろうとは予想していましたが、早くも仲間達と合流出来て何より。

しかも医者のチョッパーがいるこちらに合流出来たのは大きいですね。

ドフラミンゴとの喧嘩の際のケガも診てもらえるでしょうし。


・ルフィとの合流に喜ぶチョッパー。

しかし彼の敏い嗅覚はルフィのケガ…血の臭いをすぐに嗅ぎつけます。

ルフィは「大丈夫!ちょっとミンゴとケンカしただけだからな!」と明るく言い放ち、仲間達から「何やってんだよルフィ!?」と驚かれる。

しかしルフィは「にしし」と何時ものように笑うだけ。体のあちこちから血を流している筈のなのに、ルフィの笑顔の晴れやかな事!何があったのだろう…?とこれにはチョッパーも不思議に思ってしまう。

…いやチョッパー達の反応はそりゃそうよな…なんでこの島の実質トップとケンカしてんのさ…大問題では…?って思っちゃうよね…


…しかしルフィの話を聞いて黙っちゃいられない人物が約一名。


・ルフィの発言に「き、貴様また狩長に…!!!」と今にも爆発寸前なグラディウス。しかしルフィの「(ドフラミンゴは)コラさんとねえちゃん起こすの手伝ってくれるって言ってたぞ!」との言葉に反射的に「馬鹿なことを……」と言葉を零すもルフィの姿、その怪我を見ると言葉を途切れさせた。

チョッパーもルフィに近寄ってルフィの体を診てみれば、キラリと光るイトが見える。

ルフィの怪我、その中でも刃物でつけられたような傷の殆どが透明なイトで丁寧に縫われていた。


・ルフィの体に残るイトでの縫合の跡、これはもしや……と思うチョッパーの横でグラディウスが呟く。


「お前のそれは…確かに狩長の能力だ」


そう。縫合を施したのは他でもない狩長。ルフィが今しがたケンカしてきたドフラミンゴ本人だったのだ。


「ん?わっ!あいつ縫ってたのか!」

「いや気付けよ」


今更気付いたルフィにツッコミを入れるウソップ。ルフィはハラが減ってて気付かなかったらしい。

ルフィなら仕方ないか…と思うと同時にちゃんと自分が負わせた怪我を治してから離脱したんかドフラミンゴ…とドフラミンゴのある種の律儀さに思わず笑みが溢れます。


「狩長はどうなさった」とルフィに聞くグラディウス。ルフィは「ローと合流するって飛んでいった」と答える。


「そうか…であれば…」


答えを聞き、腕を組み大きく息を吐いたグラディウス。

けれどもう、どこもパンクしそうな様子はない。


「話を聞かせてもらうぞ…麦わら」



【ルフィの話、これからの話】

・ルフィから聞いた話は、なんだかモノスゴイ内容だった。


:ルフィのいう「ねえちゃん」はローの姉である。

:「コラさん」はローの病気を治して、ルフィを助けてくれた人。

:ロー、ねえちゃん、コラさんは三人共に昔『夢』で会った。


:でも今は「ねえちゃん」も「コラさん」も夢で独りぼっちになってしまったから、現実の二人を見つけて起こしてあげたい。


・ルフィの話の内容をまとめてみると単純に見えるが、ロー達に最初に会ったのは"夢"であるし、ルフィがコラさんに助けて貰ったのも、ローの病気が治ったのもきっと"夢"の中でのことなんだろうとチョッパーは推察する。

それに、ねえちゃんもコラさんもそんなに長いこと眠ったままなんて、ウタみたいに何かに呪われて捕まってるに違いない、とも。

ならば、とチョッパーは続ける。

例えルフィとの関係がなくたって、おれだって医者として見過ごすわけにはいかない、と。


ルフィ

「あと、ミンゴはコラさんの兄ちゃんだ」


ブルック

「それはなんとも…」


フランキー

「オイオイそれで手伝うって話になったのかよ…」


ルフィとブルック達のやり取りを横で聞きつつ、漸く状況を飲み込めてきたチョッパー。

そして、ドフラミンゴがずっと狩人をしているのも、エレジアで自分達を助けてくれたのも"コラさん"のためなのかな?と思案してみたり。


・麦わらの一味の内の話題は次に移る。


「どうしてCPの連中はロビンではなく急にルフィを追いかけだしたのだろう?」

「ルフィ捕縛の号令を掛けた政府の役人が顔色を変えたのはコラソン…ロシナンテの能力の話が出た時だった」

「世界政府の心配事か…そちらの話を追えばもう少し何か分かるか?」

「私達、今のところ何にも手掛かりありませんからね」


侃々諤々。皆が様々な意見を述べますがこれといった答えは出ず悩む所に、ルフィが言葉を零します。


「サボならなんか知らねえかな」…と。


それに反応したのはグラディウス。


「サボ?ああ、会場に乱入した革命軍の…」


グラディウスはサボの話を持ち出したルフィに嫌な顔をしましたが、それだけに留まり今はこの状況をなんとかする方が先だ、と思ってくれたようで。

「であればおれが会場に戻り…」と情報を集めてこよう的な発言の最中に、突如鳴る電伝虫のコール音が。


・「あ!ちょっと黙ってて!ヴェルゴ中将からお電話よ!」と子電伝虫を取り上げ、静かにってジェスチャーをして背中を向けるデリンジャー。


ヴェルゴ

「デリンジャー」


デリンジャー

「中将!グラディウスから話聞いたわ!ね、会場どうなったの?」


ヴェルゴ

「獣は狩人に任せ、われわれはミョスガルド聖を護衛しながら革命軍と共に旧市街へ向かってる」


デリンジャー

「革命軍と?」


ヴェルゴ

「ああ、どうにもCPの動きがキナ臭くてな。スモーカー君の提案だ」


デリンジャー

「あたし達も行った方が?」


ヴェルゴ

「いや…市街の方で例の喋る獣によるものとおぼしき事件と、ロロノア・ゾロの目撃証言が挙がっている」


静かに。って言われてたのにゾロの名前が出てきた瞬間声を上げそうになったルフィの口を神速でウソップが塞ぐ。

流石ウソップ。こういうときの反射神経はいつだってピカイチだ。とチョッパーも内心に称賛を送る。


ヴェルゴ

「夜を歩ける海兵は少ない。皆でそちらの増援に向かってくれ」


デリンジャー

「分かったわ!」


通話を終えたデリンジャー。

満面の笑みを浮かべてチョッパー達に向き直った。

獣が事件を起こしたなんて物騒な話の後なのに、機嫌よくヒールを鳴らしながら。


「事件よ事件!獣はあたし達がなんとでもしてあげるから、あんた達は旧市街へ!」


デリンジャーの一声に、麦わらの一味の目的地が更新される。


「よりによってゾロが一人かよ…ちゃんと合流する出来るだろうな」

「上手くナミさんと合流してくださってればいいのですが…」


ゾロが一人で行動してる。この状況の深刻さを理解するにはゾロと行動を共にした人じゃないと分からないよな…()

話し始めた麦わらの一味を見てグラディウスは肩をすくめてましたが、とりあえず現状ではもう破裂寸前までには怒ってはいない模様。


グラディウス

「であればおれは狩長を追う。革命軍の連中は、ヴェルゴ中将がどうにでもなさるだろうからな」


バッファロー

「ロロノア・ゾロは見かけたら旧市街のこと伝えとくだすやん」


ベビー5

「こっちで見かけたら、他の仲間もね」


それに、とベビー5が口ごもる。

バッファローも困ったように頬をかいて、なにか思う所がある様子…?


ベビー5

「…私達も昔、コラさんに助けられたから」


バッファロー

「それもお前より先にだすやん」


ベビー5

「もう一度会えたら、今度はちゃんとお礼がしたいの」


ルフィ

「任せとけ!」


ベビー5とバッファローの意外な告白に、ルフィは太陽のように笑う。

それを見た二人も、ちょっと笑顔になってくれた。

ローの友達でもある二人は、ルフィよりも前にコラさんに出会ってたんだな。

チョッパーは夜の聖堂街にて一人思う。


「よーし!行くぞ旧市街に!」


大きな声で宣言するルフィ。

それをどつくグラディウス。

ウソップがそれを見て呆れたように笑う。

ルフィがいると、いつもの空気が戻ってくるみたいだとチョッパーは思うのだ。


他の皆も見つけたいな。

そんな事を考えながら、チョッパーは聖堂街の暗い坂道を歩き始めたのであった。



素敵な物語をありがとうございます…!


初見読破時の感想。

「いや登場多っ!?」


いや今回は登場人物が本当に多かったですね…!入れ替わり立ち替わり、数えて総勢11名!(声のみの出演のヴェルゴさんも含む)


チョッパー達とグラディウス達の追いかけっこからルフィ登場までの描写はどこかカートゥーンちっくで良きでしたし…

ルフィが登場してからはもう、いつもの安心出来るワンピースですよ。

怒り心頭だったグラディウスもルフィ登場からルフィの体に残る狩長の痕跡を見てスッ……と鎮火しましたし。

ヴェルゴさんとデリンジャーちゃんの通話の一連のやり取りの中で繰り広げられたルフィとウソップのやり取りとか「あぁ、ワンピースだ…」と笑顔になりましたね!大変楽しませて頂きました…!


登場人物が多かったのにも関わらず、誰が喋っているのかわかりやすくて大変助かりました…作者様の構成力と文章力の賜物ですね…いつもありがとうございます。


今回特にお気に入りの描写は、ご機嫌でヒールを鳴らすデリンジャーちゃん!

可愛い!物騒!でも可愛い!


「コラさんに今度はちゃんとお礼がしたい」ってルフィに告げるベビー5ちゃん達に「任せとけ!」って返すルフィの頼もしさよ…必ずこの街に、皆に夜明けをもたらしてくれるって信じてるよ…!

後、バッファロー君「ゾロに会ったら旧市街の事を伝えておくよ」って言ってくれてたけど、ゾロの場合は伝えてくれても合流出来るとは限らないんだよなぁ…と読んでて一人遠い目に…()

ちゃんとナミさん達に回収されて良かったよゾロ…


さて、今回でナミさん達もスモーカーさん達も、そしてルフィ達も目指す目的地が「旧市街」となりましたね。

ナミさん達は錦えもんさん達と合流したら旧市街へ向かう予定ですし、スモーカーさん達もミョッさんを護衛しながらサボ達と共に旧市街へ。

そして今回でルフィ達もこれから「旧市街」へと赴く事に。

これは旧市街で全員集合になりそうな予感…?



狩長を追うグラディウス。

市街の喋る獣を追う事になったデリンジャー達。

旧市街へ一路向かう麦わらの一味。

同じく旧市街へ向かっているスモーカーさん達にミョッさん、革命軍。

そしてローは無事にドフラミンゴと合流し治療が出来るのか?

行方をくらませているCP9の思惑と目的は?

会場の獣と狩人達の一戦の行方は?


今後も目が離せませんね…!

…所でルフィ達の所に旧市街への道筋が分かる人っているんですかね?

大丈夫かなぁ…ちゃんと辿り着けるかしら…?

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