真新しい手記・25

真新しい手記・25


新作だー!\太陽万歳!/

執筆お疲れ様です…!


『行けよ』


今回は前回に引き続きルフィ&ローの主人公達のターン。

敵の手により聖堂街に解き放たれた赤目の獣達を相手取り、ルフィとローは新たな力を開放し応戦する。

物語は戦闘のその先へと…

今回の語り部はルフィ。

参りましょう。



【ショートカットは冒険者の嗜み?】

・聖堂街での赤目の獣達戦を制し、再び夜のヤーナムを駆ける二人。

移動中の会話の中でルフィのギア4のデメリットについて触れられていたり。

味方の能力のメリットデメリットを把握するのは戦闘においては大事。

思いの外戦闘に時間を取られた二人。

ローは道中にてルフィ「ならでは」のショートカットを提案し、ルフィもまたそれに乗る。

ルフィの能力を生かしたショートカット…ワンピースならではの描写ですよね。

感覚として隻狼の狼さんのビックリ3次元マニューバーみたいな感じかしら…?


・しかしルフィのショートカット先には思わぬ事態が待ち受けていて…?



【つるすべ?アワアワ? 登場!CP9・カリファ!】

・ショートカット先に飛び込んだルフィを待ち受けていたのは…アワアワお風呂なでっかいバスタブ。しかもヌルヌルすべすべして力が抜けてしまう。

なんの脈絡もなく置かれた泡風呂。

ちょいと遅れて駆け付けたローに指摘されて自身の手を見たら、あらまびっくり風船の様に丸くてツルツルな腕に指。


・一部作画崩壊してるルフィの様子に慌てて駆け寄ろうとするローですが、ルフィに「ダメだ!!」…と、それを止められる。

ルフィは泡風呂から這い出しながら声を上げる。


「ミンゴ治せんの、お前だけなんだろ」

「行け!!」


力の入らぬ身体に、それでも力を込めて叫ぶ。

ルフィの叫びを受け取ったローは走り出した。ドフラミンゴを探すために。

ルフィは内心に呟く。


『ミンゴがコラさんの兄ちゃんなら、ローは絶対行かなきゃ駄目なんだ』

『だって昔あの夢で、おれはあいつが医者になりたい理由を聞いたから』


・再び走り出したロー、ローに「自分の事より先に進め!」と足を促したルフィを柱の陰から伺っていた影が一つ。

柱の陰から出てきた影の正体は呟く。


「あら意外…彼があなたを置いて逃げるなんて」


影の正体…ルフィ曰く「金髪メガネ」は意外そうに呟く。

が、ルフィは意に返さない。

ルフィは思う。金髪メガネはローの事をなんにもわかってねえ。と


「逃げたんじゃねえ」

「先行っただけだ」


ローは誰より、諦めが悪いのだと。


…ルフィとロー、言葉は少なくとも、お互いに意図している意志がちゃんと通じ合っているこの描写が堪りませんね…

そしてルフィのローに対する理解と信頼の厚さよ…これぞ王道、友情・努力・勝利を掲げるに相応しい熱い描写ですね。

ジャンプらしい熱さと勢い、フロムらしい闇と重厚さが絶妙に絡み合う作者様の作風が、この物語が大好きです。


・さて柱の陰から現れた「金髪メガネ」…読者は彼女の存在をよく知っています。

彼女はCP9が一角、アワアワの実の能力者たるカリファ。ルフィ達がW7及び司法の島で対峙したCP9のメンバーにして紅一点。

アワアワの実の能力は奇想天外ながら対能力者、対捕縛性能に長けており非常に厄介な能力。

「泡」による能力の削ぎ落としは勿論、「泡」である為か能力者の天敵である「水」がなければ能力の削ぎ落とし(泡)を解除し辛いというね。


司法の島ではナミが彼女を相手取っていましたが、天候を操り雨を用いて「泡」を取り除いていたナミとは違いルフィは自力で「泡」を解除する能力に乏しい…

過剰な覇気による能力の拒絶及び解除が出来れば良いのですが、現状ルフィはギア4のデメリットの時間経過の真っ最中。覇気は使えない状況。…所謂ピンチ、ですね。


・カリファに対しカッコよく啖呵を切って見せたルフィですが…


「そう…でもあなたはここでおしまいよ」


…と、カリファに冷たくあしらわれる。

カリファが取り出したのは海楼石の鎖。

ルフィはカリファの手により胴体に水を掛けられ、そこら辺の柵に海楼石の鎖でぐるぐる巻きに縛られてしまいます。


カリファはルフィを捕縛した後に電伝虫で長官であるスパンダムに報告を入れます。


カリファ

「長官」


スパンダム

「かかったか!?」


カリファ

「セクハラです」


スパンダム

「任務状況の確認が!?」


いつものやり取りなんでしょうが、2年前の司法の島の時と全く変わらない理不尽なセクハラ認定にフフッと笑みが溢れます。

スパンダム長官苦労してるね…まぁスパンダム長官だしいいか…って気持ちになってしまうのは何故だろうね…

やっぱり日頃の行いなのかな…


・カリファが電伝虫でやり取りをしてる間にどうにか抜け出そうと藻掻くルフィですが、アワアワで力を削ぎ落とされ海楼石の鎖で能力も封じられ、覇気は今だ使えないこの状況。

藻掻きながらも『そういやこいつら(CP9)前に見たときより強そうになってた』と思うルフィ。視線か何かでそれがカリファにも伝わったのか


「私達を二年前と同じだと思わないで?」

「もうブランクもない。能力の練度だって段違いよ」


と、ぴしゃりと言いのけられる。

…そうだよなぁ。二年も空いてるんだもんな…CP9の皆って、扉絵連載シリーズでも垣間見えますが皆が皆が「強さ」に対してストイックだもんね…


・尚も現状を打破しようと唸り藻掻くルフィ。淡々とスパンダムへの報告を入れるカリファ。


「長官、ご報告いたします。捕縛対象の確保に成功。これより…」


…その言葉の続きは、紡がれる事はなかった。



【月夜の襲撃者】

・カリファの電伝虫での報告が不意に不通となる。

カリファの持っていた電伝虫の首が、トン、とまるで包丁で魚の首を落とすが如く、スッパリと飛んだ。

月明かりにキラリと照らされた線が、ルフィとカリファの間を踊る。

湖の街で見た透明なイトが沢山重なり、ルフィとカリファの間に薄い壁の様なものを形成する。


カリファが呟いた。


「……ドンキホーテ・ドフラミンゴ」


…音もなく影もなく、二人の前に現れたのは会場から姿を消した筈の狩長の姿。


「失せろ」


ドフラミンゴから発せられた言葉は漆黒に塗り潰された覇気を伴う。

覇王色の覇気。カリファが後ずさる。


「それとも…ここで死んでいくか?」


ドフラミンゴの言葉が言い終わるよりも早く、カリファは柵の向こうへ飛び降りて撤退。

ルフィは「なんだ逃げんのか」と思っていますが、カリファはカリファでドフラミンゴの初撃の覇王色で気絶しなかっただけでも偉いし、実力的に敵わない相手に対して即時撤退が出来る判断力が残ってただけで大健闘だと思うよ…

カリファ達が受け持つ任務は「生きて成果を持ち帰ってこそ」初めて意味を成すものも多いだろうしね。


・「…何遊んでやがる」…とルフィの拘束をイトを用いて解除してあげるドフラミンゴ。

ルフィはルフィで「ミンゴもなんでこっち来てんだよ!ローが探してんぞ!」と返す。

ドフラミンゴのイトは器用にルフィを縛る海楼石の鎖を緩め、壁みたいに見えたイトの塊がアワアワの「泡」を落としていく。


・本調子ではないものの、ひとまずの復活を果たしたルフィ。


ドフラミンゴ

「もう動けるな」


ルフィ

「おう!ありがとう!」


ドフラミンゴ

「おれに礼とは…本当に妙な奴だ。お前は」


ルフィ

「いきなり失敬だぞお前!」


ドフラミンゴ

「……そういう所もな」


…なんだろう、ドフラミンゴは表情が見えない筈なのに凄く困惑というか…「なんだこいつ…」みたいな表情というか空気を纏ってそうだな…ってのがひしと伝わってくるやり取りだぁ…

ルフィはルフィで「これでミンゴと合流出来た!」「コラさんとねえちゃんの事を聞いて、ちゃんとローに診てもらわねえと」と次の事を考えてるし。

後、失敬な!って言ってるルフィに対して申し訳ないが「お前…失敬って言葉をちゃんと使えたんだな…」って思ってしまった。ごめんなルフィ…君はアホっぽい一面が取り沙汰されがちだけど、ちゃんと相応に知識や学はあるもんな…船長は伊達じゃない。


・ルフィの思考をよそに、ドフラミンゴは言葉を続ける。


「お前、すぐにこの街を出ろ」

「グラン・テゾーロに潜んでいりゃあ連中の目を掻い潜れる可能性は高い。テゾーロの奴にも他の連中にも、連絡は回してやる」


最初、頭に「?」を浮かべたルフィ。

どうしてそんな事を言うんだ?と思いつつ、懇切丁寧に逃げ道を提示してくるドフラミンゴに「別にいいよ」と返す。

ルフィの返答を聞き、ドフラミンゴは更に続ける。


「…兄(サボ)が心配か?あいつらは蒸気船を島の"裏手"に隠している。独力で脱出が可能だ。なんならそっちに乗ってもいいが、ドレスローザにゃすぐには戻れねえだろう」


ドフラミンゴはルフィへと顔を向けながら、ルフィの返答を待つ。

その姿はさながら、仲間の航海士が自分に対して「自分が言った事、ほんとに分かってるか?」といいだけな姿に似ていた。

ドフラミンゴは重ねて告げる。


「この街を出ろ」


勝手に決めんなよ、とルフィは内心に零す。

ルフィの答えは一つだ。


「いやだ」


…月夜の下、ドフラミンゴとルフィの問答の行方や如何に…?



素敵な物語をありがとうございます…!


前回に引き続きルフィとローの冒険譚の回でしたが…意外な新展開に驚きです…!

大変楽しませて頂きました…!


まさかCP9の二番手としてカリファが登場するとは…!なんの脈絡もなくバスタブがドーン!とショートカット先に置かれてた時の衝撃と来たら…!

ルフィとローの互いの「信頼」を感じさせるやり取りに胸を熱くさせつつ、アワアワや海楼石の鎖でルフィが捕縛された時はあわやどうなるのかと……


カリファと長官の変わらぬやり取りに笑いつつ、唐突に命を散らせた電伝虫に合掌…南無三…


唐突に現れ、ルフィを助けてくれたドフラミンゴですが…これは…影騎糸の方かな?多分。

でも影騎糸って覇王色の覇気まで出せるのか…再現性たっかいな…

イトで海楼石の鎖を解除して、イトの塊でアワアワも落としてあげて…イト万能だな…アワアワを落としたのはなんの技だろ…?盾白糸かな…?


しかし終盤のドフラミンゴとルフィのやり取り…あれドフラミンゴにしてみたらかなり穏当に、懇切丁寧に「この街から出ていけ」って言ってますよね…

ローの友達だったり、弟(コラさん)との関係を匂わせていたりするからの丁寧な対応なんだろうか…?

「CP9から逃げ切れるように各所に連絡して手配しておくよ」「兄(サボ)の事が心配?大丈夫彼らはちゃんと独力で逃げる手段を持ってるよ。何なら兄の船で兄と一緒に逃げてもいいけどそれだとドレスローザ(自分の船)にはすぐには戻れないよ」って「とにかくこの街(ヤーナム)から出ろ」って丁寧にゴリ押してくる兄上…


まぁルフィは「いやだ」って言うんですがね!コラさんとねえちゃんを起こすまではテコでも街から出ないぞルフィなぁ…

こうなったルフィは頑固だぞ…


…ドフラミンゴの介入で一時撤退したカリファちゃん。彼女、本来あの電伝虫での報告の続きはなんて言うつもりだったんだろうなぁ…

ローはローで単独行動になったし、ルフィとドフラミンゴのやり取りの続きも気になるし…目が離せませんね…!

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