真新しい手記・23

真新しい手記・23


新作だー!\太陽万歳!/

執筆お疲れ様です…!


『確信』


今回は一味サイドのお話…ではなく、会食会場に留まっている人々のフェーズ。

ミョッさんこと天竜人のミョスガルド聖や、その護衛を務める海軍将校達。

一味の皆は獣となった若き狩人の咆哮によりあちらこちらに吹き飛ばされてしまいましたが、ミョッさん達は無事なのか?

またドフラミンゴや一味達がいなくなった会食会場で何が起きようとしてるのか?

語り部はスモーカーさんが務めます。

参りましょう。



【会場の「今」と、獣と、それから】

・獣となった狩人が発した咆哮により吹き飛ばされるスモーカーさん。しかし会場の外に飛ばされた麦わらの一味と違い室内に留まっており、また「護衛対象」たる天竜人…ミョスガルド聖の姿が視認できる程度に引き離されただけに留まっているのが描写から見て取れます。


・ドレークさんの意味深な呟きを拾いつつ、護衛対象の天竜人の姿を探す。

思いの外距離が離れてたらしい。

原因は「庇おうと思って前に出た」こととの事ですが、こればかりは結果論かな…行動自体は間違ってないと思ったり。


・しかし護衛対象の天竜人…ミョッさんは獣となった狩人に対して呼びかけを繰り返しているとの描写が。

「まるで、それが人に引き留める縁にでもなるかのように」とのスモーカーの内心の描写もありますが……ミョッさーん!危ない事は控えてー!気持ちは分かるけど獣への抵抗力もないのに単身での行動はあまりに危険よー!と心が悲鳴をあげましたね…


・ミョスガルド聖の声に獣の注意がそちらに向く。あー!言わんこっちゃない!危なーい!



【危機一髪、一触即発?】

・ミョスガルド聖のピンチにもスモーカーさんは冷静。現状の間合いなら救助が間に合う。問題ないとの判断。


・しかしスモーカーさんよりも一手早く、ミョスガルド聖への救助の手が乱入する。

その手の主は革命軍のNo.2。鉄パイプで獣の爪を器用にいなし、背に天竜人を庇いながらの撤退の構え。


・スモーカーさんの一撃は革命軍のNo.2を掠めていく。


サボ

「うわ!天竜人もいるってのに、危ねえ奴!」


スモーカー

「護衛対象に当てるヘマなんぞするか」


スモーカーさんとサボのやり取りの描写の中で「十手を避ける傾向もない」と描かれてるのを見て、あぁそうか…この時点のサボは"まだ"非能力者なんだよな…と。

サボが兄弟の悪魔の実と再会するのはいつになるのやら…


・睨み合い、一触即発の空気を醸し出すスモーカーさんとサボのやり取りに、ミョスガルド聖が「待った!」の声を上げる。

獣と化した狩人は恐竜形態となったドレークさんが抑えてくれている。


ミョスガルド

「これが…これが政府の秘匿なのか!?君達は知っていたのか…?私達が…」


「私達が、いつか獣になりうるということを!!」


…ミョスガルド聖の叫びが会場にこだまする。

そう、それは獣と化した狩人の言だった。奴のいう穢れた血の持ち主…天竜人から獣は生まれ、また天竜人は獣を脱する事は出来ないと。

ミョスガルド聖の叫びに、スモーカーさんの脳裏に過るのはかつての上官…ロシナンテの不格好な笑顔。

彼のタバコとドジと笑顔の裏に隠された血を追う性を、ついに暴く日が来てしまったと。


・ミョスガルド聖の叫びに答えたのは、意外にも革命軍のNo.2であるサボだった。


「あぁ、知っていた…といっても、獣になっちまったそいつ(若き狩人)に聞いた話だが」

「天上を除いて、天竜人が人の形のまま長生き出来る場所はねえ」


シルクハットのつばを引き下ろしたその口ぶりは、ひどく苦々しい。


サボの言葉で、スモーカーさんの内心では「謎が一つ解けた」と零される。

ヤーナムの狩人。それは、あらゆる理由で地上に降ろされた竜の血を引く連中を始末する為の組織だったのだと。

連中が、狩人が狩る獣とやらは、かつて人の姿と言葉を持っていた。

今、唇を震わせるミョスガルド聖や、消えたドフラミンゴや、ロシナンテさんのように。

それに加えて、どうやらその血…天竜人の血には他の連中を獣にする力まであるようだが。…とも。


ヴェルゴ

「待て、役人とCPがいない」


コアラ

「ほんとだ…天竜人を放っていくなんて、どうなってるの…?」


冷静に状況判断に努めていたらしいヴェルゴさんの言葉に、漸く戻ってきたらしい革命軍の女の方…コアラちゃんが尤もな指摘を返す。

改めて周りの状況を見渡せば、会場に残るのは獣と天竜人、その護衛たる自分達海軍将校と革命軍の二人だけ…

世界政府の役人と、それに同行していたCPの連中、そしてそれらに追われているんであろう麦わらの一味の姿は無かった。


ミョスガルド

「私は恐らく…政府にとって、もはや守るべき対象ではないんだ」


スモーカー

「…知った以上は、か」


ミョスガルド

「ああ。だが、それすらも秘匿。生き延びられれば、地位を使ってこの事態を収束させる手伝いが出来るかもしれない」


サボ

「そりゃ願ってもねえ話だな。俺達もこんな形でヤーナムやあんたと関わるのは本意じゃない…それにルフィも巻き込んだんだ」


サボの言葉にスモーカーが「どういう関係だ」と問えば「弟だ」と返ってくる。

サボはあくまでルフィは革命軍の同志じゃないと言いたいらしい。

…まぁ、そうよなぁ…

そしてスモーカーさんもまた「ルフィは革命軍ではない」という事に関しては疑いはないらしい。ローグタウンでのやり取りもあるしね、スモーカーさんらしくて好き。



【狩人達の到着】

・そんなこんなやり取りをしてる内に、ヤーナムの狩人達が会食会場に到着。

そういやドレークさん会話に入ってこないな…とか思ってましたが…そうか…ここまでずっと獣とスマブラってたかドレークさん…お疲れ様です…


・これは一体…?!と状況に驚く狩人達に、サボが「その獣は狩人だった奴だ!どういう訳か獣になってる!!」と告げる。


・サボの宣言にどよめく狩人達。

「馬鹿な」「まさか聖血とは」「ならば我々も」…狩人達の間に交わされていく声に、恐怖が伝染していく。


そのうちの一人が「狩長が天竜人ならば」と零すのをスモーカーさんの耳は耳聡く拾い上げた。そして察する。こいつら盗聴してやがったな、と。

…盗聴……あっ。コレは…獣と化した狩人君が革命軍から借り受けて設置してた盗聴用の黒電伝虫かー!仲間の元に繋がってるって描写がありましたもんね!

とんでもねぇ置き土産残して逝きやがってからに!!(※まだ死んでません)


・察したスモーカーさんは狩人衆に告げる。

「…獣の相手は専門家に任せる。盗み聞きの結果がこれだ。ケツくらいは拭いていけ」


同時にスモーカーさんの脳裏では情報のピース達が組み上がっていく。

「消えたあの人」「街を守る凪の海」「聖血と呼ばれる奇跡の血」「獣と化した狩人」

スモーカーさんの勘はとっくに一点を指し示している。

…恐らく、スモーカーさんはこの街に、この街の仕組み、聖血の主が天竜人の血筋たるロシナンテであると勘づいてる…?


また、革命軍の二人にも声を掛ける。

「てめェ等には話がある」…と。


政府は既に動き出した。

本来守るべき天竜人を放り出し、ドフラミンゴもロビンすらも無視して麦わら…ルフィを追うなんて采配を下して。


隠された目的が何だろうと、下手すりゃ街ごと全員消される。

状況を見るに、七武海、狩人、海兵、天竜人ですらお構いなしに。

それを意味するのがバスターコールだろうが何だろうが、この街を…ヤーナムをバカげた惨劇の舞台にする気はない、と。


スモーカーさんの決意は固く、故に告げる。


「一時停戦だ」…と。



素敵な物語をありがとうございます…!


前回のほのぼの(?)から一転、シリアスと緊迫した空気成分多めのお話…大変楽しませて頂きました…!

今回は次なる謎の伏線よりかは、今までの謎の答え合わせ回に近い感じでしたね…!

語り部たるスモーカーさんは、その勘はかなりヤーナムの「真実」に近付いているように感じますね…しかし早くに真相に、真実に近づき過ぎれば死が待ってるやもと知れぬと思うとハラハラで胸が落ち着きませんね…!


そして徐々に考察から現実に近付きつつあるやもしれぬ「黒幕」の存在…

アデーラさんや若き狩人、或いは喋る獣さえもを唆し、ドフラミンゴの秘匿を暴き立てた人物がいるやも知れぬという得体のしれ無さ…

…「黒幕」の正体、もしや政府側の勢力なのか…?それとも天竜人憎しの勢力…?ううん分からんぞ……


少なくとも、スパンダムとCP9の連中は政府中枢の機関…下手すると五老星に繋がってる可能性はあるかな、と睨んでおります。そうじゃなきゃルフィの捕縛を最優先に、なんて指令は出さないでしょう。

しかも本来最優先に守るべき天竜人を放り出してまで。これは…ミョスガルド聖は「死んでも構わない」って判断であるとしたら…それで一番得するのは、世界政府中枢…天竜人が「天上に住まう愚かな血筋」のままでいてくれるのが一番な五老星達ですよね…?…と。


しかし世界の秩序の維持を司る世界政府中枢がヤーナムの秘匿を暴き立てて得をするのかというと…どうなんだろうなぁ…

ヤーナムは医療という面で世界の秩序の一区画を担っている様な気がしますし…


革命軍とて目指す未来には「現在の世界の機構(イム様の夢の中にある現在の世界)」の維持が必達である以上、ヤーナムの秘匿を暴くのは良しとしないでしょうし。


誰だ…誰がヤーナムの秘匿を暴いて得をするんだ…?

ルフィやロー達の行動は、あくまでコラさんと人形ちゃんを夢から起こしたいだけで、それが同時に何をもたらすのかを知らないから動けてるだけだし…


そして獣と化した若き狩人君が残した置き土産(黒電伝虫の盗聴)により狩人達の精神がガッタガタになってるのに草も生えなんだよ……

とんでもねぇデバフの置き土産だな!って初見読破時に思いましたね。えぇ… 自分達が所属する組織のトップを疑わざるを得ない状況になった時、その組織が正常に稼働すると思うか…?私は思わんぞ…下手すると狩人達が内輪で争い合うかも知れないって思う…


…革命軍の二人に一時停戦を呼びかけたスモーカーさん。

彼の勘は政府に対し疑念が持ち上がっている。

隠された目的が何であろうと、下手すりゃ街ごと全員消されるかも知れない。

状況を見るに、七武海、狩人、海兵、天竜人ですらお構いなしに。

…この勘が、疑念が事実になるとしたら、そのカードが切れるのは政府中枢、五老星やイム様、或いは海軍大将クラスなんだよな…と。


私の中では盤外での謎が加速してしまった今回。

次回はどんな物語が待ち受けているのだろうか…?

…とりあえず、物語の序盤からずっと獣とスマブラって抑えててくれてるドレークさん(恐竜の姿)に感謝を…アンタが影の功労者だよ…!



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