真新しい手記・紙片

真新しい手記・紙片

2023/09/22 修正入りました。大変申し訳ない

新作だ―!\太陽万歳!/

執筆お疲れ様です…!

※09/22に加筆修正致しました。

全ては自分の理解と把握不足からのものです。大変申し訳ございませんでした…。

何か問題がありましたら削除いたしますので…



『砂上の砦』


今回はヴェルゴさん…ではなくピーカさん視点の過去話。

ピーカさんから見たロシナンテの評と抱いた感想のお話…といった所でしょうか。

ロシナンテと目が合ったヴェルゴさんが抱いた感想を一言で表すなら…


結論:「駄目だ、これは。」


…でした。


何故その結論に至ったか?は順立てをして語られます。

まず語られるのは「ロシナンテとドフィは外見以外は全く似ていない」事。

この意見はドフィに『王』の素質を見出した、ヴェルゴからして「本質と呼ばれるナニかを見つけ出すことに長けた」と評されるトレーボルのお墨付き。

またこの世界線のトレーボルは王(ドフィ)を得てから長く経ち、驕りという覆いすら徐々に剥がされたと語られてる…

まぁこの世界線のドフィを『王』と戴いた結果ではありますが…トレーボルから驕りとか油断が消えたらそれはもう強キャラまっしぐらでは…?と思ってしまったり。


そして次に語られたのはヴェルゴ自身が抱く心情。

自らの警戒心の強さと、それをもたらすのは「恐ろしさ」…自らの居場所がほんの些細な事で足元から崩れ去るその恐怖。それが己に常に「警戒」をもたらし、またそれを保つのだと。

相手の力の有無はさほどの重要な項目ではない。

そしてそれは、ドフィや他の最高幹部達は自分程この「恐ろしさ」を抱いていないだろう、とも。

彼らは他人を恐れない。他人を恐ろしいと思わない。微塵も。


…だが、目の前にいるこの男はどうだろう?

自分には、自分の事を絶対に嗤わないと断言出来る仲間がいる。即ちドフィや他の最高幹部達が。

そして自分は、そんな仲間達を裏切る事もあり得ないと。

けど、目の前にいるこの男は…ドフィの弟はどうだろうか?

ドフィとよく似た金の髪から覗く赤い瞳、そこにはへばりついた不信が影を落としていた。恐らく、「他人/ひと」に対する不信が。

ヴェルゴは内心に語る。

「こういう手合いが他人を裏切るのに、特別な理由などただの一つも必要ない」と。それを自分はよく知っている。

「悪意の有無ではない」

「金に目が眩むとか、快楽の為でもなく」

「ただ恐れから、どうしようもなく『それ/裏切り』を選ぶ瞬間がいつか訪れるのだ」…と。


場面は切り替わる。

弟を取り戻した我らが王は、ドフィは弟と離れていた空白の14年について訊ねる事をしなかった。

ドフィは、己の耳に目に、弟の半生に関する一切の情報を入れる事をファミリーに禁じた。

困った事だが、どうしようもないとヴェルゴも分かっていた。

そうでもしなければ、王は、ドフィは「おれ達/ファミリー」など投げ出して、取り戻した弟すらも放り出して世界を壊しに行ってしまうだろうから、と。

そしてその時になればきっと、必ず『コラソン』が己の全てを以て立ち塞がるのだ。

兄弟の、二人の間にあるものをヴェルゴは知らない。だが、何か重要な決定の際に唯一ドフィに異を唱えるのはいつも「あいつ/ヴェルゴ」だった。


そうなってしまえば、自分達は決して戻れない。

王(ドフィ)が見せてくれるこの夢の中には。いや、自分達がドフィと出会うその前にすら。

なればこそ、だからこそ。

弟を取り戻した今。今度はドフィと弟を蝕む病を治す手立てが揃うその日まで、ドフィの内に燻る「全てを焼き尽くすほどの激情」には蓋をしておかなければならないのだ。

ドフィのために。自分達のために。


しかし、しかしだ。とピーカはロシナンテを見やる。

最高幹部の揃う会合の終わり、己に纏わりつく子供達を自分に押し付けたながらも「その目は未だにこちらを窺っている」と分かるロシナンテの背を見ながら内心に零す。


「子供嫌いなど、とんでもない」

「これほどまでに人を恐れて、一体お前はどこに向かうというのか?」…と。


ピーカは分かっていた。

ロシナンテの子供嫌いとは方便の一つであり、注意深く振るわれる暴力とも呼べないような行為は「己に近づくな」と境界線を引こうとする哀れな威嚇だと。


「居場所を失う恐怖」を常に抱くヴェルゴを以てすら「恐怖心と手を取り合ってしまったような」と形容されたその男…ロシナンテはその日も、あのディアマンテが羨むほどによく切れるナイフ…ロシナンテ自身が始末した見知らぬ男が持っていた獲物を丁寧に丁寧に磨き上げていた…。


…内容は比較的短めでしたが、非常に読み応えのある濃い内容でございました…!

ピーカさんの内心やロシナンテへの評が見れて大満足ですし、また「恐れ」にスポットが当たっているように感じましたね。

ブラボ本編も「かねて血を恐れ給え」という警句があるように、恐れとは重要なキーワードの一つなのかな、と。

ピーカさんはロシナンテが「何を恐れているのか」をちゃんと看破していたのだな…

正直自分はピーカさんの理解と解像度が高くないので非常に助かりましたし、またピーカさんにも作者様にも大変に申し訳ない事をしてしまいました…


ファミリーの一人一人にスポットライトが当たる度に、ますますこの物語達とキャラクター達のファンになってしまいますね!


素敵な物語をありがとうございます…!

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