真希さん!!!!!

真希さん!!!!!


大山藍は渋谷事変にて、片目を損失する大怪我を負った。宿儺、漏瑚と戦い、それほどまでの怪我を負ったのだった。

金色に輝いていた左目は真っ二つに切れ、時間が経ってしまった故に反転術式や洋魂呪代ではどうにもならない怪我になってしまった。だが本人は全く気にしておらず、むしろ眼帯をつければどうにでもなると笑っていた。

渋谷事変が終わった後は眼帯をつけ、長くサイドテールにしていた髪もお団子に結い服装も少しばかり変えた。

渋谷事変では同級生みんなはバラバラに動いていた。真希は七海・直毘人と。狗巻は単独行動。パンダは日下部と。藍は冥冥・虎杖と共にいた。

その中で無事と断言できたのは真希を除いた3人であった。しかし藍は片目損失、狗巻は片腕欠損、パンダも核の一つが重傷になった。

真希はというと漏瑚が藍に出会う前に燃やされた。その場にいた3人は反応する間もなく漏瑚に焼かれ重傷を負った。

直毘人は即死、真希は意識不明。七海はなんとか生き延びたもののその後真人によって殺された。

そんなわけで藍は気が気ではなく、真希の生死が確認できない状況で保護した呪詛師の双子と共にいた。

しかし数日が経つと藍の元に朗報が舞い込んだ。真希が意識を取り戻したと。

藍はそれを聞くなりなんなりすぐさま真希の元へと向かった。


藍「由基さん!」

九十九「藍ちゃん。真希ちゃんならあっちだよ」

藍「ありがとうございます!」

九十九「速っ」


九十九からの言葉を聞き終わった瞬間にもう藍の体は動いていた。

九十九が言った場所まで向かうと、そこには確かに見慣れた背中があった。


藍「真希さん!!」

真希「藍か」

藍「………!!!」


真希が正面を向いた途端、藍は固まって動かなくなる。真希は薄々勘付きながらも藍に問いかける。


真希「どうした……?」

藍「まっ、まっまま真希さん…………髪が、顔がぁ……だっ、誰にやられたんですか。そいつ死にました!?えっ…火傷……まさかあいつ!?なっ、真希さんに火傷負わせたなんて……そんなぁ…真希さんのご尊顔が。いや火傷負っても髪短くなっても美人なんですけど!真希さんっ…」

真希「落ち着けよ。そんな大した怪我じゃねぇし、命に別状もねぇから」

藍「意識不明だったのはどこの誰ですか!!!」

真希「なんも言い返せねぇわ」

藍「真希さん!!!!(泣)」

真希「あんま耳元で叫ぶな」


やいやいと泣き喚く藍を見つめる真希は会った時から気がかりだったことを藍に言う。


真希「お前な…人のこと言えねぇだろ」

藍「え?」

真希「お前だって、目。せっかく、綺麗な目してたのに。もったいねぇ」


真希はそう言いながら藍の眼帯を親指でそっとなぞるように撫でる。

そんな言動に藍は思わず硬直した。


藍「…………え。ま、真希さん……?」

真希「んだよ」

藍「………そんな優しくされるの慣れてないんですけどぉ……」


頬を紅潮させ、斜め下を見ながらそう言葉を発する藍。真希はやはり顔はいいなと感じた。

自分ほど顔の損壊が激しくない藍を見て真希は心底安心していた。困るような変態でも大事な同期には変わりなかった。


真希「フッ、やっぱ可愛いじゃねぇかよ」

藍「いや、真希さんの方が可愛いしかっこいいし美人です」

真希「そこまでの褒め言葉は求めてねぇか相変わらずだな」


まっ、変わりはなくて安心か。と真希は安堵した。




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