真実の愛が芽吹く刻

真実の愛が芽吹く刻


時間と空間を支配する時空王の座をかけて未来を予知する日記、通称『未来日記』を死の淵にある時空王デウスより与えられた12人の人間達による殺し合いがあった。

それに参加した少年、天野雪輝と彼に恋い焦がれる少女、我妻由乃は時には他の参加者同士で手を組み、裏切り、殺し合い、最後の2人になるまで生き残ることに成功した。

だが、この殺人ゲームの終了条件は参加者が最後の1人となること。どちらかが死なねばゲームは終わらず、愛し合っていた彼らはお互いのどちらかを殺すような選択肢を選ぶことはできずに共に心中してゲームを終わらせる道を選んだ……筈だった。


「なん、で……なんでなんでなんでなんで……っ!!」


かつて時空王デウスが居城としていた因果律大聖堂に一人の女と一つの『モノ』があった。

彼女の名前は我妻由乃、ゲームの勝利者となり新たな時空王となった女であり雪輝と共に死を選んだはずの少女。

その胸に抱かれているモノの名前は天野雪輝、時空王となった由乃によって生き返され、共に新たな神として道を歩むことになる予定だった少年だったモノの名前。


「どうしてなの、ユッキー……」


……我妻由乃は一つ、ミスを犯した。

それは幸輝と共に心中しなかったことでも、毒を飲むふりをして彼だけを殺したことでも、時空王となったことでもない。

それは天野雪輝を生き返らせようとしたこと。時間と空間を自在に操る時空王の力を以ってしても肉体はともかく、魂までは再生できず、由乃の胸の中にあるこれは雪輝ではなく、彼と同じ形をした肉でしかなかった。


「やだ、やだよぉ……」


ぽつぽつと涙を零し、彼と同じ形をしたものを抱きしめながら彼女は思う。

こんなことになるならばあの時、彼に殺されればよかった。彼はその選択を選ばないだろうと自信はあるが一人残されるくらいならば彼の手で殺されたかった。

いや、いっそのこと――最初から、やり直して。


「どうしたの?」

「……っ!?誰!!」


その考えに至る前に誰かの声がこの空間に響いた。

男の声、それも自分の聞いたことのない声色。この空間には時空王である由乃とその小間使いであるムルムルしかいないはず、いったい何者かと警戒を解かずに視線を向ければ。


「――へっ?」


そこには男がいた。

中肉中背、筋肉は見た目よりも付いていそうだがそれは重要ではない。

見た目もさほど特徴は無く、吸い込まれるような青い瞳を除けばどこにでもいる日本人男性といった風貌だ……だと、いうのに♥


(なに、これ……♥)


男を前にして半ば事故とはいえ恋人を殺し、自分だけ生き残ってしまったというのに子宮が疼いてしまう。

たった一人、自分が愛するのは雪輝一人だけの筈なのに、彼を見た瞬間、胸の高鳴りは抑えきれず、子宮が、卵子が、雌の本能が彼に媚びろ……と♥自分の全てを彼に捧げろ、と訴えかけてくる♥


「ご、ごめん!俺は藤丸立香って言ってカルデアっていう組織からこの特異て……いや、この空間を調査しに来たんだけども」


きょろきょろと物珍しそうに因果律大聖堂を見渡す彼の様子から考えるに本当にここに初めて来たのだろうことが分かった。

そして同時に……。


「すんすん……♥」


彼が身に纏う匂いが異常なまでに“濃い”ことに気が付いた。

まるで何人もの女が彼と重なり合ったような異常なまでの甘い性の匂い、そしてそれを軽く上回るほどの雄の劈くような性の匂い♥

今まで雪輝と、それもたった一度しか体を重ねたことのない由乃でも雄としての格違いが分かるほどにそれは強大で、濃厚な香りであった。

今は服によって匂いは抑えられているが、もしも直に嗅いでしまえば……♥いや、やめておこう♥これ以上、考えるのは本当に危ないと思考をやめる。


「それで君は?ここは何処か分かる?あと君が抱いてるそれはいったい……?」

「えっ、あっ、こ、これ?ううん、気にしないで何でもないから♥」


立香に指摘され、そういえばと抱いていた存在のことを思い出す。

ぱっ、とそれから両手を離して、久方ぶりの恋人との再会を祝うように満面の笑みで初対面の筈の彼を出迎える。

魂はないとはいえ、愛した彼と、それこそ彼の行動を10分ごとに逐一日記に付けるほどに歪んだ愛し方をしていた雪輝と同じ形をした肉への仕打ちとは思えぬほどに冷淡な対応を自分がしていることに由乃は気が付く様子はなく、いつの間にか己の形が変質していることに気が付く様子もなく。


「はじめまして、藤丸君♥私は我妻由乃、戦いを勝ち抜いて時空王の座に就いた女の子♥」


立香の手を握り締めるのであった。


・・・


「お゛っ♥ぴぎぃいっ♥子宮、つぶれ♥イグ、イグゥゥウゥゥゥゥ♥♥りつかさんのおちんぽ、気持ち良すぎるぅぅう♥♥じぬ、イキ死゛んじゃうぅぅぅ♥♥♥」


数分後、先ほど出会ったばかりだというのに時空王の座に立香が座り、中学生とは思えない由乃のデカ尻を両手で鷲掴みにしながら2人は交尾を行っていた。

その雄の力強さと逞しさ、そして思い人が“いた”筈の由乃すら魅了する顔の良さ、もっとはっきりといえばそのイケメンっぷりに由乃の理性は解け、立香の腰に両足を回して、がに股のままぱんっ♥ぱんっ♥と激しい音を立てながら尻を振る。

舌を突き出しながら息を荒げるその様はまるで発情期を迎えた獣の交尾であり、知性の欠片も感じさせない無様さであり、この世界における絶対者の姿であると考えることすらできない。


「成る程ね、俺が来る前にこの特異点でそんなことが起こってたなんて……辛かったね、由乃」

「~~~っ♥うん、辛かった♥辛かったの♥♥ユッキーは私に頼ってばっかりのヘタレで、最後の最後しか私のことを愛してくれない役立たずだったけど頑張ったんだ♥由乃、立香さんに会えてすっごく幸せ♥♥」


狂わしいほどに愛していたはずの男のことすら既に彼に、藤丸立香に他の雄もどきから雌を奪う優越感を与えるものでしかなく、彼女の中の雪輝の記憶が薄れていく。

大事だと思っていた彼との運命の出会い記憶はどうでもいい、記憶の片隅にすら置くのを躊躇う無駄な記憶に。彼と共に他のプレイヤーと戦った日々の記憶は思い出すのも億劫になる程、いつか立香の為に使う時が来るかもしれないから遠い遠い場所に閉まっておいて。彼と結ばれた日の記憶は――。


「んおぉぉお゛お゛お゛ぉ゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ーーー♥イグ、イグッ♥デカチン気持ち良すぎ♥♥めりめり広がってる♥♥私のおまんこ、立香さんの形に変えられてる♥♥♥好き、好きぃ♥♥」


どうでもいいどころか、なんであんな男に自分の初めてを捧げたのかと嫌悪する記憶に変わっていく。

もしも彼に抱かれなければ自分の初めては立香さんに捧げられたのに♥きっと初めての、本当に好きな人と結ばれるその瞬間は何よりも素晴らしいものだっただろう。

世界の時間を巻き戻して、生きている彼の粗末なモノを切り落として、ばらばらに体の一片一片を道端に並べて生まれたことを後悔させてやろうかまで考えるほど、由乃は既に立香に堕ちていた。


「射精してぇ゛♥立香さんの精液、由乃の膣内にいっぱいだしてっ♥アレなんかの精液に汚された私の子宮、立香さんの特濃精液で洗浄してぇぇぇ♥♥」

「勿論……っ!」


鷲掴みにした尻に腰を叩きつけ、立香は何度も何度も子宮口を潰す勢いで肉棒を叩きつけ。


――びゅるるるるぅうぅぅうぅ!ぶりゅ、ぶりゅりゅりゅ!!どっぴゅどぴゅう!!!

「お゛ほっ、オォォォォッ♥♥しゅご、濃いぃぃぃいいい♥熱いのが、私の子宮に叩きつけられてるぅうっ♥♥あ゛ぁあぁあぁっ……またイグゥゥウゥゥゥゥッ♥」


まるで蛇口でも捻ったのかと思う程の大量の精液が由乃の中にぶちまけられた。

そのマグマのように熱く、粘っこい感覚に白目を剝きながら舌を突き出し、絶頂に達する由乃から一旦肉棒を引き抜くが……精液が漏れる様子はなく、強いて言うなら立香のおちんぽに張り付いただまのように濃い精液程度であり、彼の雄としての絶対性を感じさせた。


「す、っごい……♥アレは一回出しただけで萎えてたのに立香さんのおちんぽ、まだこんなにおっきいんだ♥私一人じゃ絶対全部受け止めきれないよ♥♥」

「よく俺のことを理解してるね、偉いよ。一度してくれたら分かると思うけど俺って相当性欲強いし、他の女の子もいないから最低でも後百発はやるつもりだから覚悟して」

「……うん♥他の子の分もいっぱい私のこと使ってね♥♥」


他の女の子……やはり立香さんみたいな良い人には既に何十人も、何百人も女がいるのだろう。

アレの周りにいた女を近づけるのも嫌っていた筈の由乃であるが、その事実を前にしてさも当然のように受け入れる。

だって彼の愛は尽きることはないから♥アレの愛は尽きる程度のものしか持ち合わせていなかったが、彼は違う♥あらゆる雌、全ての雌を支配し、調伏し、娶る権利を持った唯一の雄様♥

そんな彼のことを縛るなど時間と空間を操ることのできる由乃であろうと、世界を見守ってきた女神であろうと、世界最強の竜種であろうと……出来るはずがない♥


(……それにしても)


あれだけ濃いものをいっぱい射精されたのなら直ぐに受精しても可笑しくないはずなのだが、そのような感覚は一切ない。

規格外の雄相手なのだし、卵子が受精を拒否するなんてことはないとは思うのだが、どれだけ待っても自分の卵子に彼の精子が届く気配がない。

何故だろう?と己の視界を自分の子宮内へ繋げてみると。


(あっ)


成る程、通りで受精できないわけだと由乃は理解する。

自分の卵子は立香の遺伝子を受け入れるつもりがないのではない、既に他の男の……アレの遺伝子を受け入れてしまっているので妊娠できないだけだったのだ。

しかも染色体はXY、つまりは男であり彼の肉オナホとしても使えないくず肉確定の劣等遺伝子。

そんなものに自分の胎が使われているのだと理解して、ふつふつと怒りが湧いてくる。


「どうしたの、由乃?」

「ううん、なんでもないよ♥立香さんは気にせず私の体を使って♥♥」


ならば。


「分かった、それじゃあ遠慮なく……っ!」

「ぎっ……♥♥」


こんなもの、潰すしか他ないだろう。

ぐちゅり、と自らの子宮口を押し上げるほどに勃起している男根をより深くまで咥え込もうと由乃は腰を振る。だが彼のモノの長さのせいで4分の1ほどを咥え込んだ時点で一番奥、子宮口にまで到達してしまう。

潰さないといけないものはもっと奥にあるのに、と必死に腰を押し付けようとするも。


「由乃、どうしたの?随分と急いでるみたいだけど」

「……ごめんね、立香さん。実はぁ」


直ぐに彼にバレてしまった。

うるうると目尻に涙を浮かべ、自分の胎にアレの遺伝子があること、そしてそれを潰さなければ立香の子供を孕めないことを伝えれば。


「……分かった、そういうことなら俺も協力するよ」

「えっ……お゛っ♥♥♥」


にこり、と立香は笑みを浮かべると腰を掴むと一気に、まるでオナホを使うかのように根元まで……子宮の一番奥まで突き刺し。


――ぷ、つん

(あっ……♥)


由乃は理解した。その一撃で劣等遺伝子は消え失せ、自分が完全に彼のモノになったのだと。


「あっ……あは♥あははっ♥あはははっ!♥♥」


愛していたはずなのに、今はもうその名前さえ思い出すのも億劫なほど遠くにいるそれの形をした肉の塊を見て笑いながら、今この瞬間から自分は彼と永遠の誓いを立てた夫婦なのだと理解して由乃は笑う。

笑い続ける。笑い続ける。笑いながら立香に抱き着き、ぶちゅぅぅ♥と音を立てながら唇を合わせ、舌を絡ませながら激しく愛し合う。


「れろぉ♥ちゅば、じゅるるぅ♥んちゅ、ちゅう♥立香さん好き、大好き♥」

「私はきっと貴方に会う為に産まれて、この戦いを勝ち抜いてきたんだって思う♥この力を、貴方の役に立てるため♥貴方の敵を屠り、貴方の女達を守る為に私はここにきたんだよ♥♥」

「だから私に会いに来てくれて嬉しい♥大好き、愛してる♥貴方のお嫁さんとして精一杯頑張るから、ずっとずっとずーっと側にいてね……♥♥」


狂ったように愛の言葉を重ねる由乃。

そんな彼女を立香は優しく抱きしめながら。


「俺も同じ気持ちだよ、由乃みたいな可愛い子が俺のものになってくれて嬉しい。君の卵子は……全部俺のものだ!」


二度目だというのに薄れる様子はない、寧ろ増々濃くなっている気がする精液をその胎へぶちまけた。


どっぴゅ!!びゅるるるるる!!ビュルルルルルゥゥゥゥゥ!!!

「ん゛ほぉぉおおぉおォォォォォ♥♥♥イグッ♥イグッ♥♥膣内射精気持ちいい、立香くんの赤ちゃん孕むの気持ちよしゅぎるぅうう♥♥♥」


ぽこりっ♥と空っぽになった子宮の中へ卵子が排出されると同時に一斉に立香の、最強の雄の遺伝子達が卵子に群がり、瞬く間に受精して行く。

雌達の支配者、唯一にして絶対の雄、本物の男である彼の子を孕めた至福の喜びに身を震わせながら由乃は絶頂に達するその眼には過去の男など既に映っておらず。


「……これからも私のこと、いっぱい愛してね♥りっくん♥」


大切な、真実の恋人の子が宿った胎を愛おしげに撫で回しながらそう呟くのだった。

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