相互耳掻きトレエス概念

相互耳掻きトレエス概念

トレエスに脳ミソ焼かれまん民

トレーナーさんと同棲し始めて、早一週間程になる。

あたしは人生で初めての恋人だし、トレーナーさんも同棲した事は初めてっていうことで、正直ぎこちない雰囲気になっている感じは否めない。

いや、当然幸せではあるんだけど、あたしとしては、もうちょっとこう、パーマーから借りた漫画みたいな、甘い雰囲気になったりしても良いんじゃないか?って思うんだ。

まあ、こう言うことはストレートに言うに限る!というわけで、トレーナーさんが帰ってきたら言ってみよう。日頃の労いも込めて、やってみたいこともあるしな。


そしてトレーナーさんが帰ってきた。

二人でご飯を食べて、風呂に入って、寝る前のゆっくりとした時間。

トレーナーさんは少し眠そうだ。ここしかないな。あたしは言った。

「トレーナーさん!耳掻きしてやるよ!」

カーペットの上に正座して、膝をポンポン叩いて、トレーナーさんを誘う。

トレーナーさんは戸惑った顔をして

「お、おうありがとう。でも良いのか?」なんて言ってる。

あたしはもう一度、膝を叩いて誘う。

「遠慮すんなって、ほら!」

躊躇われると、こっちも恥ずかしくなるだろ?

トレーナーさんは、「じゃあ、お、お願いします?」なんて言いながら、おずおずと寝転がりながら、あたしの膝に頭を乗せる。

トレーナーさんの後頭部を眺めて、頭を撫でながら耳掻きをはじめる。

「痛くないか?」とか聞きながら、トレーナーさんはがそれに、「あ~、大丈夫。気持ちいい~」なんて答えて、耳掻きをする。

そうそう、こういうのがしたかったんだよあたしは。トレーナーさんと一緒に暮らしてから、一番恋人らしいことしてるんじゃねーか?


そんなこんなでこちら側の耳は終わった。

「おし、トレーナーさん。反対側もやろうか」

そう言ったら、トレーナーさんが立ち上がろうとしたので

「おいおい、そのままこっちに転がれば良いじゃねーか」

そしたらトレーナーさんは、「いや、それは。」なんて言い出したから、無理矢理体ごと転がして、あたしの方を向かせる。

トレーナーさんが躊躇った理由はわかってた。

あたしだって、そこまで鈍くない。何よりあたしだって、結構勇気出して言ってるんだからな。


転がしたとき、トレーナーさんの顔がお腹に当たる。必死に呼吸を我慢してるのかも知れないけど、もれたトレーナーさんの鼻息がシャツごしに、あたしのお腹にあたる。

トレーナーさんの顔が真っ赤になってるのはプロポーズされたとき以来かも。

このままギュっと抱き締めたかったけど、今は耳掻きを優先させる。

「気、気持ちいいか?」さっきと違って凄く緊張してしまう。

トレーナーさんも「お、おお」なんて言いながら、あたしに身を委ねてる。

それでも少し経つと落ち着いたのか、普通に雑談しながら耳掻きができてきて、更に少し経つと

すー、って寝息が聞こえてきた。

「トレーナーさん?・・・寝ちゃったのか?」

ちょっと予想外だった。けど同時に嬉しくもあった。トレーナーさんがこんなにリラックスして、くれたんなら、あたしの耳掻きも大したもんだな!


それから少しの間、恋人の寝顔を眺めていた。でもこのままだと、トレーナーさんが風邪をひいちゃうから、名残惜しいし、申し訳ないけど、起こそう。


「トレーナーさん、起きてくれ。布団で寝よう」

トレーナーさんは、少しだけ目を開けて、直ぐに跳ね起きた。ちょっと膝が痛い。


「ゴメン、エース!・・・寝てたのか、俺?」

なんてトレーナーさんが謝ってきたけど、別に気にする必要はないのに。

「ああ、少しだけな。寝顔可愛かったぞ!」

って言うとトレーナーさんが照れ臭そうに頭を掻いた。

「それより、疲れてるんだろ?ちょっと早いけど、もう寝ようぜ?」

そういって時計を見てから、寝室へ行こうと誘う。

そしたらトレーナーさんが少し考えて

「うーん、いや、そうだ!」と何か思い付いた顔をした。

「?」まだ何かやることでもあるのか?そう思ってたら、トレーナーさんがおもむろに、正座して、耳掻き棒を持って、膝を叩きだした。

おい、まさか

「おいで、今度は俺がエースにやってあげる!」

なんて、凄く楽しそうに笑いながら言ってきた。

「・・・下心が少し有ったとはいえ、あんたを労いたくてやってたんだぞ。こっちは」

「?」

それなのにあたしがやって貰っては意味がない。そう思って断ろうとしたけど

「遠慮すんなって、ほら!」なんか既視感のある言葉に続けて、トレーナーさんが言う。

「エースにやってもらって、凄く気持ちよかったし。ちょっと恥ずかしかったけど。なんかこう、リラックスできたというか、凄く幸せな気持ちになれたからな!俺もエースにしてあげたいんだ。」

なんて屈託のない笑顔で言われたら、もう断れない。


腹を決めて、トレーナーさんの膝に頭を乗せる。ウマ娘だからトレーナーさんみたいに横を向くんじゃなくて、こちらを見下ろす逆さになったトレーナーさんの顔とずっと向かい合うことになる。

ゴツゴツとした足の感触と、ずっと顔を見られる事の気恥ずかしさに、微妙な居心地の悪さを感じていると。トレーナーさんがあたしに覆い被さるように、体を前傾させた。

耳掻きをするためなのは解っていたけど、顔が近づいてくるので、少しだけ、違うことを考えて体を強張らせたが、耳掻き棒が耳に入るこそばゆさに、すぐに意識が持ってかれる。

最初は怖かったから目を閉じて、耳掻きを受け入れていた。実際トレーナーさんも不慣れだからか、微妙な感じだったけど、慣れてくると確かに気持ちいいと思う。

リラックスしてくるとゴツゴツした足も、意外と悪くないな~、今度高反発の枕試すか?とか考える余裕も出てきた。そんな事を考えてると、ふとトレーナーさんの匂いが強くなった気がした。

少しだけ目を開けると、さっきよりも顔が近い。奥の方が見えづらいのか、かなり前傾姿勢になっているみたいだ。

なんだろう、物凄く恥ずかしい気がしてきた。

「そ、そんなに奥までやらなくて良いぞ?」とそういってトレーナーさんの手を止める。

トレーナーさんは、「あっそうなの?」「んじゃもう片方もやろっか。」って言ってそのままあたしのもう片方の耳を掻き始めた。

少し顔が遠くなり、落ち着いてくる。

そしてまたトレーナーさんの膝に身を委ねて、気持ちよくなってくる。これからもたまにはやって貰おうかな。最初の労う気持ちを忘れて、そう思ってしまう。それ程に心地よさを感じていた。


そうしてると、トレーナーさんが

「よし、こんなもんかな」って手を止めた。あれ、もう終わり?

「あんまり奥までやられるの苦手なんだろ?それともまだやる?」と言われてしまう。自分で言ったことだけに、否定も出来ないのが悲しい。

でも早すぎないか?あたしはまだ、こうしていたいんだ、だから──


トレーナーさんの膝の上で寝返りをうつ。

つまり、仰向けからうつ伏せに、トレーナーさんの腰に手を回し、膝の上に顔を埋める。

「エース?これ耳掻きも何もできないぞ?」

トレーナーさんが困った様に言う。

「良いんだよ。さっきトレーナーさんだってあたしの膝で寝返りうったんだから、少しだけ良いだろ?」

自分が無理矢理させたことはこの際棚にあげて、勝手な理屈で押しきろうとしてる自覚はある。

トレーナーさんも、あきれたようなため息をつくのが聞こえる。でも優しい手で、あたしの頭を撫でてくれながら。

あたしはしばらくの間そうやって、トレーナーさんに甘えていた。好きな人の匂いに包まれて、好きな人の温もりを感じながら。

ああ、トレーナーさんもこう思ってくれたのかな──


「エ、エース。そろそろ。」

苦しそうなトレーナーさんの声で目が覚める。

寝ちゃってたのか。まだ眠い目をなんとか開けて、起き上がる。意識がはっきりしてきて、トレーナーさんを見ると、足を押さえて、悶えているトレーナーさんがいた。


時計を見る、さっき就寝を提案してから、一時間も経っていた。


「ああ!ゴメン!トレーナーさん!」

「待って、落ち着いて、足触らないで!」

労うつもりがとんでもない事をしてしまった。

「起こしてくれれば良かったのに!」

「いや、でもあんな事言われたら、男としては・・・」

おい、待てあたしは何を言ったんだ?記憶にないぞ、寝言か?

トレーナーさんは悶えながら、「ヒミツ♥️」なんて言いやがった。足を指でつついたら黙ったけど。

・・・今度は、あたしがしてあげるだけにしよう。そう自分で誓った。

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