目隠し

疲れが取れない、近頃よくマーリン達に迫られては搾り取られている。官能的で蠱惑的な二人に大いに悩まされ、大いにお世話になっている…だが…
(たまには…俺からしたいなあ…)ふと、手を出してみたくなってしまう。届くことの無い高嶺の花に。
(けど、2人とも俺の事を手に取るように籠絡してくるからな…どうしたものかな…うーん)悩みはより大きな欲情をかき立てもうどうしたらいいか分からなくなる、そんな中ぐるぐると回る煩悩に苛まれ言葉が口から漏れている事と…
夢魔が後ろにいる事に気が付かなかった…
「おや、なにかお悩みかな?マイロード」
「如何したかな?マスター」
心臓が飛び出すかと思った…だが……
(いや…もう口から出てるようなものだし…言ってしまうか……)
「うん…あのね───」
「「千里眼を封じるアイマスク?」」
素っ頓狂な声が帰ってきた、まぁそうだろう。ただもう辛抱ならない。ただただ2人を組み伏せたいのだ
「多分できるよね…お願い♡」
慣れない上目遣いさえしてしまう。それ程までに抑えきれない。
「……へぇ」「……フフッ」
2人から蠱惑的な笑みが溢れ出る
「「マイロードはえっちだね…♡」」
「いいだろう、マーリンお兄さんに任せたまえ」「私だって…頑張っちゃうよ?」
〜〜〜
(とは言ったものの…千里眼封じか)
魔術を行使しつつマーリンは少々考えた
(普段とは全く異なるシチュエーションだ、余り無理に縛り付けるのは宜しくないように感じるが…まぁ構わないか。せっかくの頼みだ、しっかりした物を作ることにしよう)
別室でLAも礼装作成に勤しんでいた
(自ら進んで優位性を失う、か…)
普段はスルスルと進む詠唱が妙におぼつかなく感じる
(…もしかして期待してる?私が?これは…なんとも背徳的で…魅力的だ♡)
〜〜〜〜〜
「さて、お待たせした。マイロード」「待たせてごめんねお兄ちゃん?」
お互いに用意したアイマスクを取り出す。そのままつけようとする2人を制止して
「あ、一応不正がないようにお互いのアイマスクを付けてね?」
「「えーー!?」」
2人の綺麗な声から驚きの声が木霊する。
「なかなか手厳しくないかね!?」「ひどーい!」
「だって…なんか抜け道とか作ってきそうじゃない?それに二人なら相手が有利になるようにはしないでしょ?」
「ムムム…」「まぁ…少しくらいは…考えたけど」
「なら、少しだけ待ちたまえマイロード!もっと厳重にしなければ」「あ!ズルい!僕も!!」
(これなら多分…大丈夫だよね?)
数分後…
「…よし、これなら」「うん、これでよし!」
お互いのアイマスクを取り替え、徐に目元に巻き付ける、そのままベットに倒れ込み……
「「さあ、マイロード…?どんな風に私達を楽しませてくれるんだい?♡♡」」

媚薬のような花粉が舞った気がした。