目の奥にいる蟲
閲覧注意虫
本編をとある人目線・知能で書いてるから、仮面ライダーカブト本編必須。
むかし むかし 青いおそらからいんせきがおちてきました。
それから、ぼくはしらないおとなにつれられて灰色にとじこめられました。こわくてまわりをみたら、ママとパパがすなみたいにサラサラとくずれてきえちゃった。
それにびっくりして、まわりの黒いひとをさがしてもみつからない。ぼくはかなしくていっぱいないてしまいました。
「君が被験者か。よろしく」
しらないおとながあたまをなでながら赤いくちをゆっくりとうごかす。
ぼくはすっかりこまってしまった。
モゴモゴまぶたのうらがわを粒子が蠢く。きもちわるい。
黒いちいさな点が白いうでの青い血管からじわっと浮きあがる。
身体の抜けあなからいくたの羽音が鳴る。
付属肢を歩脚を突っ込んで、爪で脳味噌をかき混ぜる。
いたい。いたい。ぼくがなくなる…
多分それで、ぼくは暴れて泣き叫んでアレを付けられていたんだ。
久しぶりに使う複眼で緑光に照らされた妹のひよりを眺めた。絶対に離れない。
緑の草木で彩られた景色でながーいあいだ暮らしました。でもひよりは悲しそうだから、ぼくはオレになりました。
でも天道って誰だ。
「愚問だな。太陽は己が誰かを知って宇宙の中心で輝いている。オレが天道総司だ」
ぼくは…ふたりもいらない。