百物語してる麦わらの一味
百物語これはまだ私が小さい頃の話なんだけど、故郷の海図を描いていた時になんとなく棒人間を描いたの。まぁなんの事はないただの落書き。
でも次の日海図見たらその棒人間が消えててさ。その代わり丘の上に家の絵が増えてたの。きっとノジコが描き換えたんだと思って放っておいたのよ。
ただ、なんかこう……無性に気になっちゃってね。実際に丘に見に行ってみたら本当に家があるの。
まるで子供の落書きみたいな粗末な家がそこにあって……でも、間違いなく昨日までそんな家無かったはずなのに。
急に不安になったからすぐ家に帰ってさ、それでベルメールさんに聞いたら「何言ってんの、あそこは昔から〇〇さんが住んでるでしょ」って、聞いた事もない人の名前が出てきて。
なんだかすごく怖くなって、いったい誰がそこに住んでるのか結局確かめる事が出来なかった……って話。
次フランキーお願いね。
アウ!任せとけ!
つってもそんなに怖くはねェから安心しろ。おれがこれから話すのはW7にいた頃の話さ。
おれたちがいつもの様に海賊ぶっ飛ばして船を解体してた時の出来事だ。
船長室をバラしてたら床下に妙なスペースがある事に気付いたんだ。
けどまぁ普通そんな無茶な改造しねェよなと思いつつとりあえずバラしてみたらよ、そしたら狭ェ床下から綺麗な赤いドレス着た白骨死体がでてきやがった。
流石のおれも呆気に取られちまったが、なんだか可哀想に思えてな。棺桶造って丁重に荼毘に伏してやったよ。
これで話は終わりさ。
じゃ次チョッパー頼むぜ!
おれも怖い話なんて無ェなぁ。
……あ、そうだ。不思議な話でもいいか?それなら1個あるんだ。
何年か前に雪山で薬草採ってた時にさ、小さい女の子が行き倒れてるのを見かけたんだ。慌ててその子に触ってみたら体が雪みてェに冷たくなってて……それですぐに城に連れて帰ったんだよ。
城で治療してたらドクトリーヌに「練習するのは構わないけどもったいないから本当に薬を使うのはおよし」って怒鳴られてさ。今治療中だよ!って思いながらその子を見てみるといなかったんだ。
「きっとドクトリーヌが怖くて逃げたんだ」って思って城中探しまわったけど、結局その子は見つけられなかった。
けど耳元で「バレちゃった」って聞こえた気がしたんだよ。……あれ本当なんだったんだろう?
おれの話はこれで終わりだ。
それじゃ次、ジンベエの番な。
まぁ話すのは構わんがわしの話は別に面白くはないぞ。
わしが昔海底を散歩していた時に"普通の人間"を見かけたんじゃ。
地上におるような、どこにでもおるような、どこかで見たような……そんな人間をな。
その時は道に迷った魚人のハーフか何かかと思ったんじゃが、そういえば今振り返ると奴から泡が1つも出ていなかったのう。
それにそもそも真っ暗な海底で何故わしはその人間を見る事が出来たのじゃろうか。というだけのつまらん話じゃ。
次はそうじゃな、サンジに頼もうか。