百一の災厄/一の光

百一の災厄/一の光


妖精國形式インド特異点の百王子と合体した新生魔性ドゥフシャラーちゃんとレイシフトしてきたカルデアのドゥリーヨダナのやつです


壊す、壊す、壊す、進む。

壊す、壊す、壊す、進む。

丹念に、丁寧に、すり潰す。

地面を、人間を、踏み潰す。

同じように。

私たちが、そうされたように。


壊して、壊して、壊して、壊す。

進んで、進んで、進んで、進む。


ぐちゃぐちゃに、ひっくり返して。

全部を均していく。


悲鳴なんて聞こえない。

静止だって聞こえない。


大丈夫、大丈夫。

もう██だけにこんなことさせないから。

大丈夫、大丈夫。

全部私がやり遂げるから。

大丈夫、大丈夫。

私が██を冷たい地面から掘り起こして、自由にするから。


だから、大丈夫。

もう苦しくない、痛くない、そんなふうに二度とさせないから。


めちゃくちゃにひっくり返す。

みんなを掘り起こして、それでもう、二度と埋められないように、地面全部を壊す。

それを踏みしめる人間ごと、みんなみんな、ひっくり返す。




「███████!」


誰かの声が聞こえる。

誰だろう。

何を言っているんだろう。


「███████!███████!!」


あれは名前?誰の名前?

わからない。

頭の奥がずっと熱くて痛くてわからない。


遠く、地面の上に、誰かがいる。

誰かが誰かを呼んでいる。


奇妙な白い服を来た人と、その隣に立つとてもとても見覚えのある紫の、甘やかに暖かな紫色の────


あれは、あれは、あれは、あれは。

あれは、██だ。(誰だっけ?)

知ってる、私は彼をよく知ってる。誰より知ってる私の一部、私の全部。(誰だっけ?誰だっけ?)

違う!

忘れてなんかない。

彼のことだけは忘れちゃいけない。そうだ、あれは、私の兄弟。とても大好きな私の、私たちの長兄、ドゥリーヨダナ。

知ってる、覚えてる、覚えてなきゃ。

だってそしたら何のためにこんなことしてるか忘れちゃう。


ああ、いた、いた、ずっと探してたの!

どうしてそんなところにいるの?

だってここにいるはずなのに。

ああ、でも、とても嬉しい。

だって二度と会えないと思っていたから。

二度と離れ離れにならない代わりに、二度と会えないと思っていたから。


あれ、でも、じゃあその隣のはなに?

どうしてだろう、分かってしまう。


繋がれてる。


その隣のと、兄貴が、繋がれてる。


「うん、わかった、待ってて、今」


解放しなくちゃ、その鎖を壊さなくちゃ。

そうしないとまた埋められちゃう。

大事な大事な人が埋められちゃう!


「今、そこから自由にするから」


だから、手を振り下ろした。

振り下ろしたのに。

どうして?

兄貴が、その前に立って、それを守ってる。

どうして。どうして?そんなことしたらきっとまた埋められちゃうのに。

みんなみんな██ないと、また埋められちゃうのに。


「邪魔、しないで、おねがい」


もう一度、振り下ろそうとして。

あれ、あれ?できない。

どうして?



"まって"

"それはだめだ"

"とまれ"

"それだけはやっちゃだめだ"


たくさん、たくさん、声がする。

とっても知ってる声がする。

兄貴たちの声だ。

私の中からいっぱいいっぱい聞こえてくる。


「"ドゥフシャラー"」


私の中と私の外の声が、重なった。

誰よりも、求めた声。

どうしようもなく欲しがりで、悪くて、それなのにどうしようもなく皆を引きつける、誰より大好きな私の────


「待っていろ!今"兄"(わし様)が、お前を、弟たちを、みーんなそこから自由にしてやろう!」


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