白宝☆陵辱
レクリエーションとは名ばかりの悪趣味な輪姦大会が始まってから8時間
そして、玲王と凪が捕まってから2時間が経過しようとしていた
濃紺の皮膚をした彼らは、青い監獄で逃げ惑う将来有望な才能の原石達を片っ端から捕まえ、陵辱し、その矜持と身体をぐしゃぐしゃに壊し続けている。
連れてこられた大部屋では、甘いドラッグの香りに性の匂いが入り混じり、嗅ぐだけでくらりと目眩を起こすような濃密な空気が漂っていた。
御影玲王は、大柄と自負している己の体格を更に上回る人型の生命体に組み伏せられ、背後から遠慮無しに後孔を突かれている真っ最中であった。彼の首筋には無数の針跡が残っており、跡が黒く染まっている事から、乱暴なやり方で薬を打たれたのだと分かる。
部屋中から媚びるような、懇願するような、怯えたような、様々な嬌声が上がっており、玲王は身体だけでなく耳までも犯されているような気分だった。
薬によってどこかへぶっ飛んでいた意識がようやく戻ってきていた玲王は、ずくずくと疼く身体に身悶えながらも、周囲の状況を確認しようと視線を巡らせる。
人間に近い姿形をしていながら、間違いなく地球人ではない濃紺の彼らに群がられ、本来ならば排泄を行う為だけの器官に熱い棒を突っ込まれているライバル達。
悲鳴と嬌声を上げる彼らを素面の玲王が見たならば、間違いなくその悲痛さに同情し、哀れんでいた事だろう。だが、今の玲王は当事者である。彼らの声はのぼせた頭には煩い雑音にしか聞こえなくて、ズキリと傷んだ側頭部に玲王はきゅっと眉を顰める。
腰を持ち上げられた状態のまま、ずんずんと絶え間なく後孔を突かれ続けて、玲王の腰と太ももは痺れるどころか殆ど感覚を失っていた。
それなのに、薬のせいなのか後孔の肉壁からは絶え間なく快感が送られてくることが心底忌々しい。
(もう随分時間は経ったはず···いつまでこんな事が続くんだ······)
あう、ああ、と、情けない嬌声を発する自身の声帯を潰したいと呪いながら、上手く回らない頭で玲王は考える。
そもそも絵心は何しているんだ。こんな異常事態、いくら山の中とはいえ救助が来てもおかしくないのに。
びゅるびゅる、びゅくっ
玲王の腹に新たな精液が流し込まれ、普段より膨らんだ腹がたぽんと揺れる。
その感覚に、玲王は大きく嘔吐いた
気持ち悪い、逃げ出したい、終わりたい、全て忘れて眠りたい
陵辱と疲弊で擦り減った精神が甲高い悲鳴を上げている。
いっそ正気を手放した方が楽だろうに、玲王は持ち前のプライドの高さと出来の良い頭脳、そして人より頑丈な肉体のお陰で何とか発狂せずに済んでいた。
(この状況を打破したら、必ずコイツら捕まえてボコボコにして研究室送りにして、一生実験動物として飼ってやる)
メラメラと復讐の炎を燃やし、玲王はそんな事を考えていた。
濃紺の彼らは地球外生命体であり、地球人よりも遥か格上の科学を有している。捕まえる事はおろかこの状況から逃げ出す事さえ不可能なのだが、そういう事情を玲王が知れる筈もない。
ずちゅん、ずちゅんと貫かれる度に体温は上昇し、思考は熱に浮かされていく。
反対に、手足の指の先端は冷え切っていた
玲王だってまだ高校生。怖くないはずはない。そんな恐怖が指先にだけ現れて、小刻みに震えている
·········しかし、だらんと力なく伸ばした片腕。右手だけは、ほんのりと温い何かに包まれていた
状況を把握しきってからそのぬくもりに気が付いた玲王は、重苦しい頭を傾けて、右手へと視線をやる
「·····················あ」
右手の先には、玲王よりほんの少しだけ大きな手が重なっていた。
放り出された玲王の右手を、守るように包む真っ白い肌。
見覚えのあるその手を見て、玲王は視線を少し上げる。すると、玲王をじっと見つめていた双眼と目が合った
「れ、お」
「·········凪」
御影玲王の宝物 凪誠士郎
もふもふとした白色の髪の毛は所々赤く染まり、眠たげに伏せられた瞼は片方が青紫に腫れている。破かれた衣類の隙間からは傷付いた肌が見え、凪が手酷く痛めつけられた事は一目瞭然だった
凪もまた、玲王の様に濃紺の生命体に陵辱されていて、棒の出し入れの度に力なく身体を揺らしている。
凪の姿を見て、玲王はようやく、自分が薬でトぶ前の記憶を取り戻した
ハンターに取り押さえられながら、凪を庇おうと玲王はめちゃくちゃに暴れたのだ。あまりにも抵抗するものだから、玲王の首筋には注射器が突き立てられた。
それでも、濃紺の生命体の汚らしい手が凪に触れる事が許せなくて、玲王は薬の幻覚や快楽を振り切って凪を庇い続けた。凪が止めるのも聞かずに、必死に。
その結果、致死量に近い劇薬を投与された玲王は一時的に意識を失う事になる。
最後に見たのは、玲王の惨状に怒り狂う凪の姿だった。
きっと凪も、意識を手放した玲王を助けようと手を尽くしてくれたのだろう。
その結果、玲王とは違う方法で屈服させられた凪は、全身に傷を負うことになったのだ
「······凪·········なぎ」
自分の声が震えている事が分かる。いつもの様に元気な声で凪を勇気付けたいのに、溢れるのは情けなくか細い声ばかり
「·········レオ」
じっと玲王を見つめていた凪だったが、玲王が意識を取り戻した事にホッとしたような顔をして、その後に、ふっと悲しげに目を細める。
いつも感情の分かりにくい凪が、ずいぶんと表情を動かしてくれたなぁと、玲王はぼんやりとそう思った
「助け、られなくて······ごめんね」
きゅ、と玲王の手を弱々しく握り、凪はそう呟く。その言葉に、お前が謝る必要なんて無いと、そう言いたくて、玲王は口を開いた。
ガンッ
だが、声が言葉になる前に、凪を陵辱していた濃紺の生命体が、凪の後頭部を強く殴った。
凪の瞳がぐらりと揺れ、白い髪は更に赤く染まり、ぼたぼたと血が垂れていく
濃紺の生命体は、凪が自分との性交中に玲王の事ばかり気に掛けるのが気に入らなかったらしく、殴られて朦朧としている凪に構わず、凪の身体を更に手酷く甚振り始めた
玲王の手を握ってくれていた凪の手が、少しずつ力を無くしていく
「···凪··················」
凪と、大切な相棒を陵辱する濃紺の生き物を交互に見ながら、玲王の視界は赤く染まっていく
「······ダメだ······凪は·········」
凪が死んでしまうのではないかという恐怖と、自分達をこんな目に遭わせる生命体への憎悪で、玲王の身体はガクガクと震え始めた
「あ·········あぁあああ···あ······!」
脳味噌の何処かがプツリと切れ、玲王はリミッターの外れる音を聴く。
瞬間、玲王は自分に覆い被さっていた濃紺の生き物の脚を払い、自分を陵辱していた生き物を一時的に無力化する事に成功した
かつて元傭兵だったばぁやに教わった護身術。それを、油断していた濃紺の生き物に食らわせる事ができたのだ。
玲王はすかさず、自分を汚していた濃紺の生命体が携帯していた警棒のような物を奪い取り、それを強く握りながら、凪を陵辱している生命体へと一足で接近する。
凪を貶める事に夢中になっていた生命体は、迫りくる玲王への反応が遅れた。
殺意に濡れた瞳で玲王は生命体を見下ろす
「死んじゃえ」
一切の躊躇も無く振り落とされた警棒は、一撃で濃紺の生命体の頭蓋を粉々に砕いた
凪に覆い被さっていた生命体が倒れると同時に、凪に突き刺さっていた汚らしい棒は抜けていく。
それを見届けてなお、玲王は攻撃の手を止めるつもりは無かった
「死んじゃえ」
ごきん、ぱきぱき、がこん
「死んじゃえ」
めき、ぱきぽき、ぎし
「死んじゃえ、死んじゃえ、死んじゃえ、死んじゃえ、死んじゃえ」
ごっ、ぱきゅっ、ぐち、ぐちゃ、ごりゅ、どちゃん
散らばる青い血液と、返り血に染まっていく玲王の身体。
朦朧とする意識の中、狂ったように濃紺の生命体を破壊し続ける玲王を、凪は瞠目して見つめていた
振り下ろされる玲王の腕が止まったのは、周りにいた濃紺の生命体が複数体集まり、一斉に玲王へ襲い掛かってからだった
元々、濃紺の生命体達は選手の誰より力が強い。不意打ちでなければ、玲王が勝てる相手では無かったのだ。
呆気無く地面に組み伏せられた玲王は、それでもまだ、凪を陵辱していた生命体を破壊しようと這いずり、ブツブツと何事かを呟いている。
そんな玲王を観察して、濃紺の生命体は何らかを話し合っていた。
そして、一人の生命体が、懐から銃のような物を取り出して、玲王の頭に突き付ける
玲王が危ない
そう察した凪は殴られたばかりでふらふらと揺れる身体に鞭打ち、玲王を助ける為に駆け出す。が、それは背後から凪の首根っこを掴んだ何者かに阻止された。
邪魔をするなと叫ぶ為に振り返るが、それは言葉になる前に潰える。
凪を引き止めていたのは、玲王が頭部をぐちゃぐちゃに破壊した生命体であり、なんと彼は、まるでCG映像の様に自身の身体を再生していたのだ。
結局、玲王の決死の特攻は無意味に終わってしまったのである
凪は焦り、玲王の方を向く。
玲王に突き付けられた銃は、キィイインと不穏な音を発して光り輝いており、がっしりと押さえ付けられた玲王は生命体の拘束から逃れられそうもない。
凪に出来ることは、声を張り上げる事くらいだった
「レオ·····っ!!」
ぐちゃぐちゃに乱れる意識の中、玲王は遠くに凪の声を聴いて、狂気から帰ってくる
強靭な何かに押さえられ、ピクリとも身体は動かせそうにない。その上、後頭部には何か硬いものが突き付けられており、状況は最悪なのだろうと一瞬で判断できた。
でも、玲王にとって幸運だったのは、真正面に凪が居てくれたこと。
視線を上げればそこに凪が居て、玲王の名前を呼んでくれている。
最後に見たのが凪の姿で良かったと、玲王はそう思った
キィイイイイ············
パキュン
銃のようなものから照射された光が玲王の脳を貫き、そこで玲王の意識は暗転する
一部始終を眺めていた凪は、銃が玲王を照らす瞬間をしっかりと見ていた。
玲王の頭部には傷一つ付いていない。
でも、光に貫かれた瞬間、玲王の身体は力を失い、かくりと地面に倒れ伏した。
「············レオ?」
地の底から湧き上がるような恐怖に苛まれ、凪は玲王をじっと見つめる。
大丈夫だ、きっと、眠らされただけだ。だってほら、玲王の身体には傷一つ付いていないじゃないか。
生きている。玲王は絶対に。
祈るように玲王を見る凪の視線は気にも止めず、玲王を囲んでいた生命体達は、玲王に何かしらの言葉を掛けている。
彼らの言葉が止むと、玲王の身体がピクリと動いた。
地面に手を付き、身を起こした玲王は、しっかりと自分の足で立ち上がる
その姿を見て、凪は安堵した
ほらやっぱり。玲王が凪を置いて死ぬはずが無い。だって玲王とはあの時、約束したのだから
そう思っていた凪だったが、玲王の様子を見て、再び心に不安の芽が育つ
玲王の瞳に光が映っていない
いつだって絶え間なくころころと変わっていた表情が、まるで焼き付けられたかのように無表情から変わらない。
玲王は動いている。生きている。でも、その表情は明らかに「玲王」では無かった
無感情に立つ玲王に向かって、濃紺の生命体のうち一人が、何事かを玲王へと囁く
すると、玲王は先程とは打って変わって口の端を釣り上げただけの笑顔を作り、その生命体に向かって抱きついた
そのまま性交を開始する玲王の様子を見て、凪は悟ってしまった
ああ、もう
間違いなく
御影玲王は死んでしまっている
玲王に突き付けられた銃は人格を殺す銃。その凶器で玲王は殺され、都合の良い肉人形に変えられてしまった
崖から突き落とされる様な絶望感
世界の全てが消えてしまう感覚
深い地の底に落ちていく凪の感情もまた、この瞬間に死に絶えようとしていた
凪を引っ張り、組み伏せる濃紺の生命体
侵入してくる熱い肉棒
体中に走る鈍痛
それら全てがもう、どうでも良かった