疑問
女性だけが暮らしている女ヶ島。そこで一人の女性、マーガレットは疑問を感じていた。その対象は目の前にいるこの島で唯一の男であるモンキー・D・ルフィである。彼は突然この島に現れ騒ぎを起こし、どういうわけかこの島のトップである蛇姫、ボア・ハンコックに気に入られこうして島に留まる事を許されている。彼女自身も彼には大きな恩があり好感を抱いている。だが、そんな彼には大きな謎があった。
「ねえ、なんで話すだけでそんなに緊張してるの?」
彼は、なぜかこの島の子と話す時、妙に距離を置いたり、緊張したり、目を逸らしたりするのだ。これは出会った当初から変わらない。仲間から聞いた蛇姫様に啖呵切った話が信じられないほどである。
「ちゃんと答えてよルフィ。私、あなたのこともっと知りたいの」
「いや、な。冒険のことならいくらでも話してやるけどよ・・・その服どうにかならねえか?」
ルフィがしどろもどろに答える。そう言われてマーガレットは自身の服装を見直す。肩が大きく出た寝衣に、茶色の腰布。別に変なところは一つもない。
「変なところなんて無いけど・・・」
「ウソだろオイ・・・」
ルフィはその言葉を聞いて驚愕してる様子だった。一方マーガレットはルフィのその態度に少しずつ不満を募らせていた。いい加減ちゃんと話をしたい。そう思いマーガレットは思い切ってルフィに急接近する。
「ルフィ‼︎ 私のどこが変なの⁈」
マーガレットはルフィの目の前で勢いよく質問する。ルフィはそのマーガレットの行動にビックリし後ずさる。だが、ルフィの後ろは既に壁になっておりこれ以上下がることはできなかった。
「いや、だから・・・もうちょい露出を・・・あと近えよ・・・」
ルフィは顔を真っ赤にして目を瞑っている。ますますマーガレットはルフィが何を考えているのかわからなくなる。そう思って落ち込み気味にため息をつき顔を下げるとルフィのある変化に気付いた。
「どうしたの?その膨らみ」
ルフィの下半身・・・確か"キンタマ"というモノがあった部分がモッコリと膨らんでいたのだ。
「あっ・・・」
ルフィも気付き、急いで横にそれようとする。だが、そんな努力虚しくマーガレットはルフィの膨らみを興味本位で触ってしまった。
「グッ・・・!」
ルフィの苦しそうなうめき声と共に彼の体が少し震える。マーガレットは驚いてすぐさま手を離した。
「えっと・・・どうしたのルフィ?大丈夫?」
マーガレットはルフィの体を心配した。ルフィはそんなマーガレットを見て顔から涙を滲ませる。そして罪悪感に溢れた表情になりその場を離れた。
「ごめん‼︎ 俺もう寝るから‼︎」
マーガレットはその場に一人取り残される。彼女は唖然とし首を傾げた。そんなマーガレットを部屋の隅から見つめている老婆がいた。ずっと最初からいたわけだがどう話しかけていいか分からず二人のやりとりを見ていたのである。
「・・・男について全く知らにゃいのも問題にゃのう」
その老婆、ニョン婆はそう言いながらお茶を啜った。
マーガレットがルフィの行動の意味に気付くのは当分先になるだろう。