異聞帯の女王、堕ちる
「あっ♥ ひっ♥ ぃっ♥ ぁあッ♥」
「…ふふ、異聞帯の北欧を治めていたあなたを寝取れば、リツカの北欧神話支配はより強固なものになる……そう思っていたけれど、まさか自分からリツカに抱かれに来るとは思わなかったわ、スカサハ=スカディ。それとも、“スカディお母様”と呼んだ方が良いかしら?」
「ぁっ♥ くぅ♥♥ ぅあっ♥ ぁあっ♥♥♥」
「異聞帯関連でこういうこと言うの、あまり良くないと思うんだけど……ふふ、汎人類史のスカディと違って、スカサハ=スカディは男運に恵まれてるわね。ニョルズと結婚しなくて済んだ上、お兄ちゃんに出会えたんだから♥」
「お兄ちゃんったら、はじめは「異聞帯の方は未婚だから」って色々言ってたんだけど……ふふ、ドスケベな身体を蹂躙する快感には勝てなかったみたいね♥ でもそれで良いの♥ お兄ちゃんこそ、下等雌畜を従えて星を統べる権利を持つ唯一の雄なんだから♥♥♥」
「やっぱりお兄ちゃんは格別ね♥ ネズミみたいに増える男もどきなんかとは全然違う、本当の雄♥ 男もどきに誑かされた憐れな下等バカメスを奪い返す権利を持ってる、最高の雄♥」
「───スカディ。改めて聞くけど……オレの妻になってくれる?」
「なるっ♥ おまえの、立香の妻になるっ♥♥♥ 私を未婚のまま置いていった連中全員ゴミ箱に捨てて、立香の妻になるぅッ♥♥♥」
───
「嘘っ……うそっ♥ ウーサーくんのより、ずっと大きい…♥♥」
「これが、人間牧場産じゃない本当の生チンポっ? …すごいっ♥ すごいすごいすごいっ♥ ウーサーくんのなんかよりぶっとくて、奥まで届くぅっ♥♥♥」
「モルガン……オレは、トネリコとしてのきみやヴィヴィアンとしてのきみが全部欲しい。だからさ……ウーサーじゃなくオレのものになってくれる?」
「…うんっ♥ うんっ♥♥ なるっ♥ リツカだけの女になるっ♥♥♥ 粗チンウーサーくんなんかポイ捨てするぅ♥♥♥」
「今の口調、ちょっと子供っぽいね。夢見る少女だった時期を思えば、それが素なのかな? 何はともあれ嬉しいよ、ヴィヴィアン…!」
「あはっ♥ ごめんねウーサーくんっ♥ 私っ、リツカの妻になるっ♥ だからっ♥ もし奇跡が起きてウーサーくんが召喚されてもっ♥ 二度とショボチン気持ち良くしてあげら、ぁあッ♥ イくぅうっ♥♥♥」
───
「…我が夫。最近汎人類史の漫画を読んだのですが……その、私達の関係はめぞ◯一刻と同じではありませんか? 我が夫が喜ぶような略奪愛ではないような…」
「べ、別にオレ人妻じゃない相手に全く興味ないとかないから! 大丈夫だから! 不安にならなくて良いって!」
───
…とまあ、色々ありつつ今に至る。
絶世の美女二人が、藤丸立香の足元に跪いている。
一人は、北欧異聞帯の女王たるスカサハ=スカディ。
もう一人は、ブリテン異聞帯……妖精國ブリテンの女王たるモルガン。
双方ともに、ウェディングドレスを思わせる意匠を持つ水着に身を包んでいる。
…二人が、眼前に突きつけられたチンポにキスを捧げれば、もう後戻りはできない。自分達の歩んだ道が、立香に出会うためだけものだったと認めることになる。それは自分達が治めた世界や、そこに住まった者に対する冒涜であるのかもしれない。
…けれど。
悪因悪果だけ履行されて、善因善果が履行されないのは“ずるい”。
故にスカディとモルガンは、立香の女であることを選んだ。だってそれは…。
未婚の花嫁/ウーサーの恋人であることよりも。
異聞帯の女王であることよりも。
───遥かに素敵に思えたのだから。