「生きる意味」

「生きる意味」

賭け一級

グロ注意

「おい」

「ヒィッ!」

目の前の猿野郎に声をかけると面白いほどに反応する 先程までのまるで自分が世界を司っているかのような顔は涙などの体液によりぐしゃぐしゃになっていた

こいつは術式を使用した犯罪者だ まだ呪詛師認定はされていない

人を最大10人くらい格納できる術式を用いて女児を攫い自宅にて性的危害を加えた性犯罪者…被害者は3人…いや遺族を含めて12人だ こんなクソ野郎を生かす意味などない

ただ…こいつの性格と犯罪を実行したペースからして まるで術式にいきなり覚醒して力に溺れたような…裏があるのだろう

携帯電話を取り出し写真を見せる 俺の仲間の…仲間?まぁあいつらの因縁の呪詛師の顔写真だ

「こいつを知ってるか?死体を操るやつなんだが…」

全力で首を横に振る 表情からも本当に知らないのだろう

「そうか…じゃあこっちは?術式は未確認だが呪具使いで…」

…反応があった しかしすぐに恐怖に顔が染まる

「知っ知らない…!しらな「海裂」

汚らしい呻き声が響く 片腕が吹き飛んだがまだ元気そうだ

「お前がこの呪具師について知っている事をすべて話せ そうしたら腕は治す」

まぁ反転術式など使えないが

「うぐぅ…こ…こいつに道具を貰って…それで能力が…」

術式を覚醒させる呪具…聞いたことはないが

「今 それ 持ってるか?」

「ここに…」

奴のポケットに渋々手を突っ込むと固い感触があった 取り出すと…なんとも言えないビジュアルの物が出てきた 無為転変に呪詛師を取り込んだモノを見せてもらったことがあるがあれに似ているか…?

ただ一切の呪力を感じられなかった…噓をついたのか 使い切り方の呪具か?おそらく後者だろう

「で、奴と接触したときは?」

「喋る人形と…会って さっきのやつの説明と…色々…」

「色々?なにを話していた」

「…家族のこと…妻と娘の話を…」

人形はまぁ呪具だろう それより…正直言って驚いたあんな奴が家族を形成して…幸せに生きているのだろうか 分からない 俺には分からない

妻と娘のどちらかを人質にとれば少しは有利かもしれない

気付けば目の前の猿野郎が息も絶え絶えになっている そろそろ終わらせよう

腕の切り口に手を突っ込む 骨を掴んで引っ張る もはや声とはいえない音が耳元で流され少し不快に感じた だがこれはこいつにとっての罰だ

ある程度苦しんだようなのでもう用はない

「海裂」

生温かい空気が流れ血と膿の臭いが一層強まる さらに肉が焼けた臭いもしてきた

無惨に広がる“彼女たち”に手を合わせて その場を後にした

「臭いが染みついてるな…自宅で洗って…あとこのことをアイツに連絡して…シェアハウス戻るか」

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