生えちゃった三次創作続き(閲覧注意)

生えちゃった三次創作続き(閲覧注意)


注:スレ主様とは無関係なファン創作の続き含めた再投稿です(前回の話のラスト付近から少しだけ展開が違うので全文載せました)

ペパ→(←)アオ描写あり、エロさ控えめカプ度高め(主観)

スレ中のネタを一部参考にしています









ペパーは景気づけに自分の頬をパンと叩いた。

「よし、とにかく見せてみろ!」

「えっ!……み、見せるの……?」

「硬いのを収めるにはいっぺんしっかり触る必要があんだよ。で、その触り方を!教えるの!」

「触る……!?」

口をぱくぱくさせるアオイには大変申し訳ないが、背に腹は代えられないというか、半ばヤケというか。一通り顔色を赤くしたり青くしたりしてから、アオイはこちらをうかがうように聞いてきた。

「……それやったらもう困らなくなる?」

「たぶん、だな。しょーじき、オレの知ってるやつと仕組みが違ったりしたらお手上げだ」

「……わかった」

そこで意を決したアオイが急にズボンに手をかけ、ペパーは慌てて後ろを向いた。

「け、決断力高すぎちゃんか!オレはあっち向いとくから出せたら声かけろよ!」

部屋にはわずかな衣擦れの音だけが響く。

「……全部脱いだ方がいい?」

「ぜっ」

ペパーはむせかけた。一瞬脳裏にちらついた妄想を咳払いで追い出し、落ち着いたトーンで言った。

「全部は脱がなくてオーケーちゃんだ。出すやつだけ出しといてくれ」

「うん」

衣擦れの音が続く。想い人の部屋で、相手が脱ぐのを待つというシチュエーションに思うところはもちろんあるが、実際のところは体に異常が起こった友人を助けるだけだ。

「できたよ」

「おう」

振り返ってみると、ベッドに行儀よく座ったアオイはズボンをわずかに下ろしており──なるほど、そこから確かに立派なものがまろび出ていた。

「……オレさ。いろいろ不思議なもの見た気でいたけど。まだまだ未熟ちゃんだったんだな」

実際に見ると羞恥や異様さよりも感心が先に来る。ペパーはアオイの足を少し広げさせるとその間にしゃがみ込み、不思議なほど落ち着いた気分でそれを眺めてみた。

そもそもこれは男性器なのか、何か似て非なるものなのか。とりあえずは前者として扱うほかないが、変なところがないかは確認しておくべきかもしれない。

(オレのとそんなに大きさが変わらないからやりにくくはなさそうだ。……アレ?それってデカくね……?)

裸の付き合いといったようなものとは縁がなかったのでペパー自身が平均を把握している訳ではないが、アオイの体格には不釣り合いだ。硬くなればもっと大きくなるだろうし、これでは何かと不便であることは想像に難くない。

「……と、悪い」

じろじろ眺め回されるのは気持ち悪いだろう。さっさと作業に入ってしまおう──と思ったところで、目の前の逸物に変化があった。虚空へ向けてグ、グ、と持ち上がっていく。

「わ、わ」

「大丈夫だ、落ち着けって」

アオイの肩、はこの姿勢だと手が届きにくいので膝をぽんぽんと叩く。

「興奮したりちょっとした刺激でも勝手にでっかくなるんだけど……外の空気に触れたせいかもな。気にすんな」

「興奮……」

恥入るように俯いたアオイの、だって見られてるから、という小さすぎる呟きは半分ほど勃ち上がったソレを前にして逡巡するペパーには届かなかった。後から生えたものとはいえ惚れた相手の性器を鷲掴みできるほど肝は座っていない。

「そうだなぁ……。じゃまずオマエ自分で握ってみろよ」

「こう……?」

「おし。完璧ちゃんだ。手ェ借りるぜ」

言われるがままに凶悪なブツに添えられたアオイの右手を包み込むように上から握る。すっぽりと収まるその手の小ささは普段あまり気にしない体格の違いを否応にも意識させた。

「やり方覚えといてくれよ。こうしてしごくような感じで……」

アオイの手を導きながらしゅっしゅっと軽く動かすとみるみるうちに剛直ができあがっていく。単純な刺激で反応するのは男のものと変わらないらしい。

「いつも硬くなってんの、こんな感じだろ?」

「……」

「……アオイ?」

「……っ、……!」

不意な沈黙に顔を上げると先程よりもさらに真っ赤になったアオイがコクコクと頷く。空いた左手で口元を覆い隠し、息をつめて耐えているのは快感だろうか。見惚れそうになったペパーは慌てて目をそらし、努めて事務的に言った。

「そっか。この動きを繰り返してれば白いのが出て、そしたらコレが小さくなるはずなんだけど……」

単調な動きでも刺激が強いのか、細い腰がびくびくと跳ねているのが視界の端に映る。

「んっ、ふぅっ、んんっ」

耐えきれなくなったのかあえかな声が漏れ始めた。

「……ゴメンな、続けるぜ」

これはあくまで治療、一時的に教えるだけの作業、と自分に言い聞かせながら、ペパーは自身の息も荒くなってきていることに気付いていた。

「はっ……あっ……ぺぱぁ……」

声を抑えることを諦めた左手に、髪の毛をくしゃりと混ぜられる。

(オレ、今日コイツにこれ以上変なコトしないで帰れるかな……)

内心で泣き言を呟くペパー。注釈しておくまでもなく、その自制心は鋼である。しかし、それを一番信じきれていないのが本人であった。

想い人の口から繰り返し縋るように呼ばれる自身の名前も、ゆらゆらと髪を彷徨う柔らかな手の感触も、健全な青年にとっては毒だ。早く解放してくれという心の叫びに応えたのか、ひときわ大きく跳ねたアオイの切羽詰まった声が降ってきた。

「あっ、ペパー、でる、なんか出ちゃう」

「お!いいぜ、そのまま出しちゃえよ。そしたら少し楽になるからさ」

「ほんとに?ほんとに出していいの?」

「ああ」

言ったはいいが、そういえば受け止めるものを準備していなかった。ペパーは咄嗟に擦る手を持ち直し、もう片手を皿のようにして先端に添える。

「あ、出る、出るっ!〜〜〜っ!!!」

ひときわ大きな嬌声と共にアオイのそそりたつ分身からびゅくびゅくと白濁が溢れる。ベッドにこぼれないようにしっかり受け止めたペパーは少しだけほっとして顔を上げた。

「上出来ちゃんだぜアオイ」

「ふ……ぁ……」

……とろとろに蕩けきったアオイの表情を前にして、生唾を飲むことくらいは許してほしい。というか本当に射精後なのか。もう少しスッキリか虚脱に近い感覚になるものじゃないのか?なんでこんなにエロい顔になっているのか?

「……ほんとだ、ちいさく、なってる」

「だ……だろー?次からは自分でそんな感じにやればいいぜ!」

ぼんやりした様子で股間を見下ろすアオイはひどく扇情的で、そちらを意識しないようにしながらペパーはにっこり笑いかけてみせた。

「ティッシュ貰ってもいいか?」

「あ……そっちの、机の上に」

「おう、サンキュな」

手にべっとりついた残滓をなんとなくいじってみたが、感触や匂いとしてはやはり精液だ。何か悪いものでなければいいが、やっぱり誰かに相談したほうがいいか、と考えながら手を拭く。

ぼんやりとしていたアオイだったが、ふと何かに気付いたように生気を取り戻した。

「どした?」

「ペパー!ちょっとあのシャワー浴びてきてもいいかな!?」

そう言いながら彼女はババッと制服のズボンを上げる。機敏だ。

「えっ?そりゃもちろんいーけど……」

そんな余裕があったかどうかはともかくとしてそもそも先に浴びさせてやればよかったなと思いつつ承諾するペパー。

「じゃあその間飲み物買ってくるわ。スポドリとか部屋には置いてないよな?他なんか欲しいものあるか?」

家主不在の状態で部屋にいるのは気が引けるのが半分、浴室からのシャワーの音を聞いて悶々としたくないのが半分の提案をすると、どこか慌てた様子のアオイがこくこくと頷く。

「あ、りがとう!じゃあお願いするね!……あ、あと、欲しいものは、あって」

もごもごと言いづらそうにするアオイ。不思議に思いながら先を促すと、彼女は目を合わせないまま続けた。

「……下着……なんだけど。今持ってるやつだとえっと……その……よ、よくないから!男の子用の下着がほしいの!」

「あー……なるほどちゃんだな」

女物の下着の構造に詳しいわけではないが、あれだけの立派なモノがぶら下がっている想定がされているとは思えない。

アオイは周囲から注目される転入生。自分で買うにも、男物の下着を買う現場なんて見られたら翌日にはあらぬ噂が立っていてもおかしくはなかった。

「よし。任せとけ、何枚かテキトーに買ってくるぜ」

「えっと、お金は」

「あー気にすんな気にすんな。この前くれたしおスパイスのお礼ってことで!」

ひらひらと手を振って出ていこうとすると、「ちょっと待って」と声がかけられる。振り向くと、机のところへ行って何やらごそごそとしていたアオイが手を差し出してきた。

「これ、持っていって」

ちゃり、と手の中に収められたのは部屋番号が書かれた鍵だった。

「シャワー中で出られなかったりしたら使って!」

ぽかんと手の中の鍵を見つめたペパーは、「秒で帰ってくっから、いい子ちゃんで待ってろよ!」と笑って部屋を後にした。

ペパーが出ていくのを見届けたアオイは脱衣所に入ると、近頃かなり役に立たなくなっていた下着をずり下げ、股との接触部分に広がったシミに眉をひそめた。

「やっぱり漏らしちゃってる……」

股のぬるつく感触に気付いてからは気が気でなく、そういえばまともなお礼も言えていない。帰ってきたらちゃんと感謝の気持ちを伝えようと決意しながら足から下着を抜いたところでアオイは目を瞬かせた。

シミのところがなんだかねっとりしている。実際に漏らした記憶は遠い彼方として、こんな感じだっただろうか。

(……おちんちんと関係あるのかな?)

ペパーはもう買い物に出てしまっているし、聞いても知らないかもしれない。とりあえずあまり気にしないことにして、シャワーついでにしっかり洗っておくしかないだろう。

ぽいぽいと制服を脱いで浴室に入り、きゅ、と蛇口をひねるとまだ冷たい水が降ってくる。

身をすくめながらもアオイの口元には笑みが浮かんでいた。

──数時間前までのアオイは怯えていた。秘密を拒絶され、部屋で膝を抱えて独り泣くことになるのではないかと。

なんでそんなものが生えてるんだ、気持ち悪い、オマエとは絶交だ、なんて。初めて会ったとき以来、自分にほとんど向けられたことのなかった冷たい目を想像するだけでもう涙が出そうだったけれど。

今のアオイは違う。自信を持って言える。ペパーがそんなことを言うはずがないと。自慢の親友なのだから、と。

「えへへ」

嬉しかった。あれだけ親身になって相談に乗ってくれたことも、自分ですら怖いのにぜんぜん怖がらずに接してくれたことも。……その。大きな手に包まれて、触ってもらったり、だとか。

「……?」

そこでアオイは違和感に気付いた。小さくなっていたはずの棒がまた首をもたげ始めている。

「え、どうして……」

──興奮したりちょっとした刺激で

そんな言葉を思い出す。ついでに恥ずかしいところを真剣に見つめられたことも思い出してしまい、ますます大きくなるのがわかる。

でも今の自分なら対処できるはず。シャワーを一旦止めて、よし、と両手の拳を握り気合を入れるアオイ。

意を決して竿を掴み、教えてもらったようにごしごしと擦ってみる。

「あれ?」

先程手伝ってもらったときとまるで異なる感覚にアオイは首をかしげた。さっきはもっとぞくぞくして、でも嫌ではなくて、むしろいつまでもやっていたいと思える特別な感じがしたのに。今は触っているという感覚はあるけれどそれだけだ。自分の腕を擦るのとあまり変わらない。

強さが足りないのかと思い、ぎゅっと強く握り直してみる。

「っ、いたぁ……」

そしてアオイはそのまま悶絶する羽目になった。股間のものは少し小さくなったような気もするが、これを繰り返していたら絶対に体に悪い。というか何回もできることではない。

「ど、どうしよう……」

興奮のせいなら、落ち着ける風景を考えたらいいのかもしれない。みんなでピクニックしているところを思い浮かべてみる。だが、下手に刺激してしまった逸物は手持ちのポケモンたちのほのぼのした光景では中和できなかった。

そう、根本的な問題は全く解決していない。

アオイは未だ自分だけの手では射精できていないのであった。

その頃、ペパーは上機嫌で廊下を歩いていた。

手の中にあるのはアオイに託された彼女の部屋の鍵。アオイからの信頼の証。

事情が事情だけに女性に相談できなかったが故の消去法であろうこともわかってはいる。それでも彼女が自分に、言われるまで気付きもしなかった不甲斐ない自分に、真っ先に相談を持ちかけてくれたこと。そして期待通りその役に立てたことが何よりも温かく心を満たした。

だらしなくニヤけそうになって慌てて表情を引き締める。まだそれなりに往来もある時間にニヤつきながら徘徊するわけにはいかない。

(うーんオレってば浮かれポンチちゃん……)

彼女の部屋を訪ねようとしていたときの淀んだ気持ちが嘘のように今のペパーは浮足立っている自覚があった。

そうこうしているうちに購買部に着き、ペパーはきょろきょろと棚を見回す。

「えーと、パンツパンツ……あの辺か?」

アカデミーは何歳からでも入学できる上で全寮制となっている都合上、購買部の品揃えは非常に豊富だ。ポケモン用のグッズから日用品までなんでも揃っている。下手に街中で買い物をするくらいなら購買部へ行け、と言う生徒までいるくらいだ。

おいしいみずやサイコソーダの陳列される棚からスポーツドリンクを取り、商品棚の間を抜けると歯ブラシなどに紛れて目当てのものが見つかった。

(アオイは華奢だからできるだけ小さいやつがいいよな)

吟味していると視界の端に別のものが映り込んでくる。なんとはなしにそちらを見たペパーは眉をひそめた。

「……」

いわゆるコンドームである。これまでの人生に関係なかったもの、意識すらろくにしてこなかったものをなぜ今見咎めてしまったかといえば、まあ、そういうことなのだが。

(な、何考えてんだオレ!そもそも自分のサイズもわかんねえし……じゃなくて!)

こんなものに目が行ってしまうなんてありえない。

(つーか学校にこんなもの置くなよな!)

八つ当たり気味に売り場を睨みつけ、できるだけ小さめのサイズの男性用下着をいくつか手に取ってレジへ向かう。わずかな緊張を知る由もなく、店員は事務的ににこやかに精算を終えた。


アオイの部屋の前まで戻ってきた。周囲を確認してみるも、人の目はない。一応ノックをすると「ど、どうぞ!鍵開けて!」と妙に上ずった声が返ってきた。良かった、シャワーは終了していたらしい。鍵を差し込んで回すとあっけなく扉が開く。

「アオイ!頼まれてたもん買ってきた……ぜ……」

進んだ先で目に飛び込んできたのは、かわいらしいパジャマに身を包み、ベッドに座って浮いた素足をきっちりと揃えているアオイの姿。

そして腰にかけられたタオルを貫かんと勃ち上がっていると思われるソレ。

「……」

普段は制服姿しか見ない親友の新たな一面に見惚れたかそそりたつソレに気圧されたのか口をぽかんと開けてフリーズするペパーに、涙こそ浮かべていないが羞恥に震えながらアオイは言う。

「……たすけて」

「よーしペパーお兄さんにお任せちゃんだぜ!!!」

状況は全く飲み込めないままのペパーのヤケクソで反射的な叫びがアオイの救いになっていたことは言うまでもないだろう。


「一回出したら結構もつと思ったんだけどな……。なんかあったか?」

「……」

なんの気なしに投げかけられたペパーの一言に答えることなく唇を引き結んでぷるぷると震えるアオイ。善意で協力してくれている目の前の男に抜いてもらったときのことを思い出して勃った、など言えるはずもないし、それ以前に本人がそこまでしっかり分析できていなかった。ただ何かすごく恥ずかしい気持ちが先行して口を開くことができていないのである。

黙ってしまったアオイに疑問符を浮かべるも、続いてペパーは「さっき教えたヤツ、自分でやってみたのか?」と続ける。

「……やってみた、けど……うまく、いかなくて……」

しゅん、としょげるアオイ。

「……ちょっと、今やってみろよ。どこがダメか見てやるから」

この問いかけはかなりギリギリではないか、というかアウトではないか、という認識はもちろんペパーにはあった。あったが、他に方法が思いつかないのだから仕方がない。若干言い淀んではしまったが変な下心を勘ぐられるような言い方にはならなかったはずだ。たぶん。

黙って頷いたアオイが腰元のタオルをするりと剥ぐと、今度は最初から臨戦態勢になった凶悪な棒があらわになる。それをたおやかな手がゆっくりと撫ぜ掴む光景は直視するにはあまりに厳しいものだったが、ペパーは心頭滅却しながらじっと見つめた。

「あっ……でも、さっきより……」

びくびくと時折震えながら手が竿をゆっくりと上下する。しかし、それを続けてもアオイの緊張した面持ちが崩れることはなく、射精もできなかった。

この異常な光景に少しだけ慣れてきたペパーは監督のような心持ちでアオイの自慰を眺めていたが、彼女のやり方で何が悪いのかはいまいちわからない。

「んー……?」

首をかしげるペパーに同じく首をかしげながらアオイは言う。

「ペパー……に触ってもらわないとできないとか……?」

「いやいやいや!それじゃ意味ないんだって!」

ぶんぶんと首を横に振るペパー。一人でできるようになってもらわなければ困るのだ。どのような意味でも。

「……向き合ってるからよくわかんねえのかな。ちょっとベッドに乗らせてもらうぜ」

ペパーは立ち上がり、ティッシュを2枚ほど引き抜くとアオイの隣に深めに腰掛ける。

そして横のアオイの腰を掴んでひょいと自分の方へ持ち上げ、後ろから抱き込むようにした。ちょうどエリアゼロに降りていったときのような姿勢だ。

腕の中のアオイから可愛らしい悲鳴があがるが気にしない。気にならないったらならない。

「わり、続けといてくれよ」

「ひゃい……」

肩口から覗き込むとアオイの動きが非常にたどたどしいのがわかりやすくなった。やっぱり視点を変えるのは肝心ちゃんだな、と独り頷く。この姿勢だとお互いの表情が見えないので変に理性を揺さぶられないのもありがたい。

自分が手を貸したせいで上手く行かなかったのであれば今回はアオイ自身に射精まで持っていってもらった方がいいと判断したペパーは、腰に手を回したまま耳元で指示を出すことにした。

「最初はゆっくり……だけどもう少し速く擦ってもいいんじゃねえかな?」

「ひっ……」

びくりとアオイが跳ねる。背後から耳元で響く低音に慣れていない故だったが、ペパーは声が大きすぎて驚かれたかと解釈しささやくように声をひそめた。

「しっかり擦るってよりはタマゴを持つくらいの感覚で軽く滑らせる方がいいと思うぜ」

「う、うん」

途中で引っかかって動きが悪くなっていた手がスムーズに動き始める。

「そうそう。飲み込み早いちゃんだな」

ふ、ふ、とアオイの呼吸が浅くなるのがわかる。

「その先っぽのやつ、あるだろ。そこは敏感ちゃんだから手のひらで……そう……あんま強くすんなよ?」

「あ、ここちょっとぞくぞくする、かも」

アオイの体がぴくんぴくんと痙攣し始める。

「出そうになったらティッシュ、ほらこれ、を当てて白いのを受け止めろよ」

「ううう、ぺぱー、耳元でしゃべらないで……」

ペパー目線で言えば、局部には指一本触れずに本人の力だけで勃起を鎮めてもらうためにそれは必要な行動だった。そこにやましい心などないと断言できる。

だがアオイからすればたまったものではない。そもそも自分の恥部をじっくり見られることも恥ずかしいのに、アドバイスを耳元で囁かれるたびに背筋がぞくぞくしっぱなしでもう彼女の頭はいっぱいいっぱいだった。

「ご、ごめんって……」

指摘されたことで自分の自慰のやり方を丁寧に口でレクチャーすることの恥ずかしさにペパーが気付き顔を赤らめるのと同時に、アオイが限界を迎えた。

「ペパー、ペパ、あぁあ……」

先程よりもいくらか勢いの減った精液がアオイの握ったティッシュに吸い込まれていく。

「やったぜ、アオイ!一人でできたな!……と、大丈夫か?」

はふはふと浅い息を繰り返しながら背中側、つまりペパーの胸元へ倒れかかるアオイ。支え直そうとしたところでペパーの足の上にアオイの尻が乗る。

「……ん?」

パジャマのズボン越しであったが、その感触には違和感があった。なんというか、濡れている……ような……。

濡れている。そのことの意味を知った瞬間、ぶわわと自分の顔が熱くなるのがわかる。

竿だけを見ている間は良かった。ある意味で現実離れ、あるいは自分と同じ生理現象とみていたから過剰に意識せずに済んだのだ。

しごいて射精するのだから性的に感じている、つまり今のアオイは。そんな当たり前のことを改めて目の前に突きつけられたペパー。

「……!」

すんでのところで湧き上がりそうになった衝動を全て呑み込む。否、一つだけ制御できない部分はあった。

そしてペパーにもたれかかっていたアオイが、同じものをしばらく持て余していたアオイが、その制御できないものに気付くのも当然のことだった。

「……!ペパー、これって……」

「えっ……と……」

問いかけに青年は答えられない。少女もそれ以上追及できない。

先程までとは性質の違う、重たくはない沈黙が場を支配した。

二人の夜はまだ続く。


Report Page