甘石幼稚園 そのよん

甘石幼稚園 そのよん

ホテル案内人

俺は年中組の教室の扉を開ける

「皆んなおはよございます!」

\おはよーございます!/

大きな声であいさつをする園児達

「今日はみんなが大きくなったらなりたいものを描いてもらいまーす!」

今日のテーマは大きくなったら何になりたいか…将来の夢や憧れの物…子供達ならではの発想で描いてほしいと思っているが…

「おおきくなったらかー…なんでもいいの!?」

ゆいちゃんが聞いてくる

「うん良いよ、みんなも好きに描いて大丈夫だからねー、書き終わったら先生の所に持ってきてねー」

\はーい!/

皆んな大きな声で返事する、さてどんな物を描くのかな?

「わたしはやっぱりおはなやさんになりたいです!」

「わたしはでざいんするひと!いちゅきは?」

「わたしはもっと…かわいくなりたい…かな…」

うんうんつぼみちゃんもえりかちゃんも模範的な物を考えているなぁ…いつきちゃんの考え方もいいなぁ

「うーん…なんだろう…うーん…」

「ひなたまだなやんでるの?」

「ちゆちーはなに?」

「わたしは……なんだろう…」

「りょかんのひとじゃないの?」

「わたしがほんとうになりたいものはほんとうにそれなのかな…うーん」

ひなたちゃんとちゆちゃんは苦戦しているようだ…子供…だよなぁ

「わたしはやっぱりヒーローです!」

「わたしは…なんだろう…うーん…」

「ん?…オヨ!?ましろのえすごいルン!」

「ほんとだー!ましろちゃんうまくてすごーい!」

「そ、そうかな…そうだこれにしよう!」

「ララさんとひかるさんはなんですか?」

「わたしは…もっとかしこくなってほんやくやさんになりたいとおもってるルン…」

「わたしはうちゅうひこうしになってうちゅうじんとおはなししなたりあそんだりしたーい!」

ソラちゃん、ましろちゃん、ララちゃんひかるちゃん…4人とも夢があるなぁ

「たくみーわたしはたくみとけっこんする!」

「ゆいちゃん、ちゃんと先生ってつけようね」

ゆいちゃんらしいなぁ…さて…

「2人とも決まらないの?」

俺は目線を下げてひなたちゃんちゆちゃんに話しかける

「うーん…なんだかおおきくなったときのこどがそうぞうできなくて」

「わたしもです…」

滅茶苦茶悩んでる…ゆいちゃんの自由さをわけてあげたい…

「……あっそうだ!わたしきめた!」

ひなたちゃんが描きはじめる

「わたし…おおきくなってもちゆちーとともだちでいる!」

「なっひなた!?」

「いまきめてることはこれくらいしかないからねー、いいよねしなだっち!」

「うん良いよ、あと先生ね」

「……じゃあわたしもひなたとともだちでいることにする」

「ありがとうちゆちー!」

みんな子供らしい良い夢をもってるなぁ特にひなたちゃんの考え…その心を大人になっても忘れないようにね…


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