甘石幼稚園 そのに
ホテル案内人園長と交代してとりあえず広場を見渡してみる
「さて誰と一緒に…」
「わーい!ここぴーはやくー!」
「まってよらんちゃん!」
「あははは!あっ!」
俺の目ので止まるこの娘は
「たくみせんせだ!おはよーございます!」
「らんちゃんおはよう、今日も元気だね」
「ふんす!らんらんはいつもげんけまんてん!」
「ひぃー…はぁはぁ…らんちゃんはやいよ…あっ」
そしてらんちゃんの後ろに隠れる娘は…
「おはようここねちゃん」
「……」コクン
「ここぴーちゃんとおはようございますっていわないと!」
するとひょっこり顔をだして
「…おはよう…ございます…せんせ…」
「ここぴーあげはせんせいがいともはなしょうよー」
2人は年少組の娘達だから聖先生の担当なのだが…まぁこの幼稚園は人数の関係で組はあってないようなものだからなぁ
「…」プイプイ
小さく首を横に振るここねちゃん…少しショック…
「もう!いつになったらおとこのひとになれるの!」
「でも…おとこのひと…みんなおおかみってままがいってたもん…」
何を教えているんだここねちゃんのお母さん…だからこんなに警戒してるのか…
「せんせたちはだいじょうぶだよ!えっと…あっまなぴょん、ローラん、さんぴょんちょっと!」
らんちゃんが呼んだのは同じ年少組の3人、まなつちゃん、ローラちゃん、さんごちゃん、何を話すの…
「なになにー!たくみせんせのはなしー?」
「なにかようなの…いまじょおうになるためのれんしゅうちゅうなのよ!」
「ふたりともまずあいさつを…おはよございます…せんせい…」
「さんにんはおとこのひとをどうおもってる?とくにせんせ!」
らんちゃんは3人に聞く…今時の年少さん…だよな…
「んー?わたしはせんせみんなすきー!」
「わたしは……」チラッ
「?なにかなローラちゃん」
「なんでもないわよ!」
不機嫌にさせてしまったのか…顔が赤くなる程に…(´・ω・)
「わたしは……つばさせんせいならだいじょうぶ…かな…たくみせんせもミノトンせんせもおおきくて…こわいかな…」
なるほど…そういう娘もいるのか…これからはもっと目線に気をつけた方がいいかもしれないな…
後遠回しにツバサに刺さる事いってるような…
「ね!ここぴーそんなことないでしょ…それにじぶんからちかづかないとなにもかわらないよ!」
らんちゃんはここねちゃんに言う…結構しっかりした娘なんだなぁ
そして後ろからここねちゃんが出てきて
「うぅ…たくみせんせ…すいません…これからはなかよくしまししゅ…」
両手を俺の方に伸ばすここねちゃん
「大丈夫だよ、少なくともここにいる先生達は良い人ばっかりだから少しずつ慣らしていこ」
俺は両手を優しくつかんで握手する
「……では」
そして一目散に走っていくここねちゃん
「あっまってよここぴー!」
「あはは私もー!」
「ちょっとまなつ!まちなさい!」
「わぁーみんなまってー…」
子供達は今日も元気だなぁ
「品田君!何話してたの?」
「聖先生…実は」
さっきまでの話してた事を話した
「なるほどねー…でもここねちゃんは最初はもっと人見知りだったから成長はしてるんだよ!だからこれから少しづつ…ね!」
「あはは…まぁそうですね…」
「じゃあ私はまだやる事があるからこれでね!じゃあ朝の会議でねー」
聖先生…さすがだなぁ…俺ももっと子供達に寄り添わないとな…