現パロ 微シャルシラ
「〜♪〜〜♪」
シラノ・ド・ベルジュラックは上機嫌だった
「1位を取ったのは気分がいいな〜♪…っと」
今朝たまたま見たテレビの占いで自分が1位の項目に属していることに気づいてから、シラノは幸運続きだった
「あんまり信じてるわけじゃないが、こうも幸運続きだと舞い上がってしまうな!」
隣に彼氏がいない寂しさを紛らわせるかのように、普段よりも大きい声、多い呟きと共に料理を作っていく
「まぁ…たまにはな…?」
誰に届けるでもない言い訳も積み重ねながら完成したのは、普段の飾った綺麗な料理の数々には程遠い、
あまりにもざっくりとした手抜き料理だった
「振る舞うのは嫌いじゃないし好きなんだが…明日まで不在って言ってたし、1人の時くらいはいいだろ……お、うま」
シラノ・ド・ベルジュラックを知るものならだれもが驚くだろうほどには、ズボラすぎる食事風景だった
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
ピンポーン
「んむ、なんはぁ(なんだぁ)…?」
1人の時しかできないズボラな食事をそこそこに楽しんでいたシラノの耳に訪問者を知らせるチャイムが鳴り響く
「宅配か何か頼んでいたか…?…はぁーい」
「シラノに会いたくてサプライズで早く帰ってきたんだ!」
「〜~〜~〜~〜~っ!!!???」
思わず上げた悲鳴は向こうには届かなかったようだが、腰が抜けそうなほど驚いたのはシラノの方だ
サプライズ?大成功だとも!俺がここまで気を抜いていたんだからな!
そう悪態をつきたいがそんなことをしている暇は無い
「違和感のない時間稼ぎと部屋の片付け……!」
シラノは顔面蒼白になりながら手をつけるのだった