珠の御巫と人神小悪、そしてフゥリと青年の
日も沈み、トラツグミの鳴き声が静かな林に響く夜。御珠の屋敷からするりと外に抜け出す影がひとつ。
一人の少女が全く人気のない暗い夜道を歩いていく。
少女が一人で出歩くには危険に思えるが、すたすたと迷いなく歩む少女——フゥリの表情に恐れはなかった。
(大事な話ってなんなんだろ…アイツのあんなに真剣な顔、見たことなかったかも)
いつもフゥリに見せる笑顔とは全く違う眼差しと雰囲気を思い出し、内心の緊張を自覚しながら土を静かに踏みしめていく。
じきに見えてきた屋敷は御珠の屋敷と比べると小さいものだったが、フゥリは数えるのも面倒なくらいここに来たことがあったし、ここに来た時フゥリが毎回会う男はしきたりにも御珠の家訓にも分家の家格にもあまり触れてこなかったから、フゥリにとっては気が楽だった。
表が空いていないのは何も言われずともわかっている。フゥリは屋敷の裏に回ると、裏口の扉をそろりと開けた。
中は明かりがついていないようで薄暗かったがフゥリには関係がない。勝手知ったる廊下を進み、男がいるはずの部屋へと向かう。
部屋の前へと辿り着いたフゥリは一回だけ深呼吸をし、「入るよ」と小さく声をかけて部屋に入った。
中には、部屋の壁に背中を預けて座っている青年が一人。フゥリの姿を認めると立ち上がり、
「来てくれたんだ」
「来ないと思ってたの?」
鷹揚に首を横に振る男に、フゥリは溜息をつく。
「それで?来てあげたんだから聞かせて。大事な話って?」
男はその問いには答えず、黙ったままでいた。
フゥリは男に歩み寄って間近で瞳を見つめ、「ねえ」ともう一度声をかける。
男はフゥリの腕を優しくつかむと、そのまま引いて抱き寄せた。
突然の行動に驚くフゥリの首筋から肩、背まで撫でおろしながら男は顔をフゥリの耳元に近づけ、小さな声で語りかける。
「何?放して…」
「もう『天戸開き』も近いね」
「………うん」
『天戸開き』。
当事者になる御巫のフゥリにとっては片時も頭から離れることのない儀式の名。
そんなことは青年もわかっているはずで、だから確認する必要もないはずのその言葉がいま青年から発せられた事実はフゥリの心に小さな不安を生じさせた。
「ねえ、フゥリ」
「なに」
「踊るんだよね、フゥリ」
「当たり前」
「俺は…フゥリが選ばれると思ってる」
その言葉は、まさにそのために人生の数割をかけて研鑽を積んできたフゥリにとっては最高の誉め言葉とも捉えられるものだった。
だが、フゥリの表情は明るくならない。
どころか、もぞもぞと体の向きを変えて青年に背を向けた。
それはまるで、今の自分の顔を見られたくない、と…そう言っているように青年には思えた。
「……選ばれたら、何?」
その質問に対する「正解」は、フゥリはもうわかっていた。
それでもフゥリの口は動き、言葉を紡いでいた。
でも、フゥリは何故かこの青年が正解を出すとは思えなかったのだった。
果たしてフゥリの予想通り青年の返答は「正解」などではなく、
「もう戻れないよ」
背中から優しく抱きしめられているのに、フゥリは頭を殴られたかのような錯覚に襲われる。
その言葉には重みがあった。重く、そして痛い言葉だった。
無性に悔しくなって、フゥリは唇を嚙む。
「わかってる」
「本当に?」
「っ…!うるさい、放して!」
フゥリは青年の腕の中で身をよじって暴れる。
それでも青年はびくともせず、それどころか抱きしめる手に力を籠めた。
まるで逃がさないと言うように。離すつもりはないとでも言うように。
「やめて…!『天戸開き』で踊るのはアタシの役目なの…!アタシがやらなきゃ…!」
「違う道がある」
「………は……?」
青年の腕の中で身をよじるフゥリの動きが鈍る。思わず青年の次の言葉を待った。
「俺と幸せに暮らすんだ」
「……へ?」
フゥリは自分でも驚くほど間の抜けた声を出した。
「幸せにしてみせる…」
呆気にとられて抵抗を忘れるフゥリを再度ぎゅっと抱きしめる青年。フゥリが感じたのは青年の力強い腕の感触と耳にかかる吐息、そして——
「…っ!?な、あ、」
——自分の尻に押し付けられる、硬くて熱いもの。
「あ、っやっ何し、て」
「これは……フゥリのせいだよ」
「な、なんでアタシのせいに……ひっ、う、動かさないでよっ…」
フゥリが身をよじる度に尻に当たる硬い感触が熱を増していくように感じられる。
「だからフゥリのせいだって…さっきからそのエッロいお尻を擦り付けてきてさぁ…」
「し、知らない……!擦り付けてなんかないし……っ!」
フゥリが顔を真っ赤にして反論する。だがその反応は青年の興奮を更に加速させる結果になった。
「なんで知らないの?フゥリの身体が俺のこと誘ってきてるんだけど」
「ち、違う……!そんなつもりは、あ、やっやあっ」
青年は片腕でフゥリを逃がさないようにしながら、もう片方の手でフゥリの太ももを撫で回し始める。
「ひ、んっ」
「いつもこの太もも見せつけてさ…自分がどれだけエッチなのかわかってないのかなフゥリは」
「な、何言ってるの……」
「こうやって身体をまさぐられるのも、こんなムチムチに育ったフゥリが悪いって言ってるんだよ」
「っ、そんな、こと……」
フゥリは太ももをまさぐる青年の手を何とか抑えようとするが、青年は器用に手を逃がしながらするするとフゥリの肌の上を滑らせていく。
「俺ならそんなスケベなフゥリを満足させてあげられるよ」
「まっ、満足って」
「だから、俺と結婚してくれ」
「何バカなこと言って、ぁ」
「御巫…やめちゃえ」
遮るように男は言って、フゥリの顎を優しく上げるとそのまま唇を重ねた。
フゥリは突然のことに驚き、青年の唇の感触に思わず目を瞬かせる。
「ん、んんむっ……」
青年の舌がフゥリの唇を割り開き、口内へと侵入する。それと同時に青年の手がフゥリの胸に触れた。
「んっ!?んーっ!ん~~っ!」
フゥリが目を見開いて抗議する。しかし青年はそれを無視するように口付けをより深くし、フゥリの胸をやわやわと揉み始めた。
フゥリは青年の舌から逃れようとするが、青年はそれを許さずに舌を動かす。二人の唾液が混ざり合い、ぴちゃぴちゃと水音を立てた。
青年は自分の舌でフゥリの舌を絡め取るように動かし、柔らかな唇から誘き出されたフゥリの舌を優しく食んだかと思うと唇を重ね合わせて舌を吸い上げる。
「ふっぇ、ぇぅ…んっ、むぶ……っぷぁっ、っはぁっ、はぁっ……」
長く激しい口付けから解放されたフゥリは荒い息をつきながら青年を睨み付ける。
「な、何するのっ……」
「何って……キスだよ」
「っわかってる……そうじゃなくて……そ、それに胸も……」
「嫌?」
青年は小首を傾げてフゥリに問う。その仕草は妙に子供っぽくて、そして何故かフゥリの胸をとくんと高鳴らせた。
「い、嫌に決まって…ひぁっ!」
フゥリが言い切る前に青年の手がすぅっとフゥリの足の間…その中心へと伸びていく。
フゥリは咄嗟に足を閉じようとするが、それより早く青年の指が下着越しにフゥリの秘所に触れ――
くちゅ、と水音が響いた。
それは小さな音だったが、フゥリの鼓膜を確かに震わせた。
フゥリは羞恥に顔を真っ赤に染めて目を見開く。
「フゥリの体は嫌がってないみたいだけど」
「っ……ちが、違う……!」
フゥリは必死に首を振って否定するも青年の指の動きに合わせてくちゅくちゅと鳴る音がフゥリの言葉を否定していた。
青年はそのまま指を滑らせて下着の上から秘裂をなぞるように動かすとその度に水音が小さく響く。否応なしにフゥリの羞恥心は肥大化していった。
「こんなことっ…だ、め……!アタシは御巫っ、だから…清い身体でっ」
「フゥリでいてよ」
「えっ、え…!?」
「御巫じゃなくて、フゥリでいて」
青年の指がフゥリの秘裂の中心をなぞり上げ、その先にある小さな突起に擦れる。
「――っあっ♡」
自分の口から漏れた甘い声にフゥリは驚き、思わず両手で口を覆った。
「あ……ちが、今のはっ」
慌てて弁明しようとするフゥリだが青年がそれに被せるように語りかける。
「ちゃんと喘ぎ声出せて偉いよフゥリ、その調子で自分の性感と、フゥリのホントの気持ちに素直になっちゃえ」
青年が下着の上からフゥリの秘裂の上端を優しく撫で上げる度にフゥリの腰はぴくりと震えた。
「っ♡違うの、アタシの役目なの、アタシがやらなきゃ、分家だって——あ♡だ、だめ……」
「フゥリの気持ちじゃないよね?それは他人から背負わされたんだ」
「あ、んっ♡だめっ…違うの…私には…責任、が」
「フゥリが本心から望んで引き受けた責任じゃない」
「そ、れは…っ、いや…アタシは自分で…っんぁ♡」
「そんな責任取るならこんなにスケベな身体で俺を誘惑した責任も取ってよ…!」
青年はフゥリの秘所と胸を同時に責め立てる。フゥリの下着は青年の愛撫ですっかり濡れそぼり、その下の肌の色すら透けて見えかけてきていた。
「んあっあっ♡ぁあっ♡っんぅ…♡」
「聞かせてよ、フゥリのホントの気持ち」
そう優しく語りかけながらも青年はフゥリの秘裂を下着の上から先程より強くなぞり上げ、下着越しに主張を強めている突起を爪で掠るようにかりかりと弄ぶ。フゥリは指から逃げるように腰を左右にくねらせるが青年の指は執拗にフゥリを追いかけて逃げることはかなわず、その動きは青年の硬くなったモノに尻を擦り付けて誘っているようでもあった。
「そこ…っ♡やぁっ…♡…やだ…やめ、て…迷わせないで…」
「俺には隠さないでいいんだよ、ありのままのフゥリが一番好きだから…ほら、こっちも気持ちよくしてあげる」
胸を弄っていた方の手はいつの間にかフゥリのブラのホックを器用に外しており、直にフゥリの胸を揉みしだいていた。
「やぁ…っ♡あ…んぁっ…はぁっ…♡アタシは…アタシ…は…?い、いやっ…♡なんでなのぉ……♡」
「このまま儀式をして現人神として奉られるのと、俺と二人っきりでラブラブ本気子作り交尾してママになるの…どっちがフゥリにとって幸せかな」
濡れそぼった股を弄る手を止めないまま、青年はフゥリの育った胸を大きな掌に収めて揉むと指の間からはみ出した乳肉が柔らかく形を変えていく。更に青年はゆっくりと揉みながら指で乳首の周りに円を描くようになぞった。フゥリの口から熱の籠った吐息が漏れ出す。
理性の束縛が弱くなったフゥリの心の中で、今まで気付くまいとして奥底にしまい込み、ずっと必死に目を背けてきたなにかが動き出そうとしていた。
「わ…わかんないぃ…っん♡、わかんないよぉっ…!」
フゥリは青年の責めに悶えながらも、必死に言葉を紡ぐ。絞り出すように漏れ出た声はどこか切なげで、それでいて甘い残響を静かな部屋に響かせた。
「…わかんないんだ」
「うんっ…わかんなっ……あ♡あっ♡」
青年は言葉を遮り、フゥリの乳首を指で弾いた。フゥリの背筋に甘い刺激が駆け、身体を跳ねさせる。乳首がぷるんと揺れる様が部屋に差し込む月明かりに照らされて青年の視線を奪う。
「わかんないなら教えてあげる」
青年はそう言うと、再びフゥリへと口付けた。今度は青年の方が深く舌を入れ込み、フゥリの口内でお互いの唾液をたっぷりと混ぜ合わせる、濃厚なキス。
フゥリは青年の舌の動きに翻弄され、頭を蕩かされながらその口付けを享受していた。
「ふぅ♡んっ♡んんぅーっ…♡んれぁ♡ぇあ……♡ぁんっ♡んー…っ…っれぅ…っ?!♡」
自らの舌でフゥリの口内を蹂躙しながら、青年はフゥリの股をなぞっていた手を下着の中へと滑り込ませた。その指先は秘裂へと伸び、割れ目に浅く埋まっては敏感な突起を擦り上げながら抜け出す動きを繰り返すと思わずつま先立ちになったフゥリの足元の畳にできた染みがだんだんと大きくなっていく。
「んぷぁっ♡あっ、やっ!だめっ♡これ以上っ、はっ♡ん♡」
青年は口を離すと今度はフゥリの耳元へ口を寄せた。吐息を吹きかけるように囁く声が快楽で火照ったフゥリの耳朶を打つ。
——御巫なんてやめて、俺と暮らす方が幸せになれるよ。
「っうぁぁっ……!やめてよぉ……そん、っ、な、こと……アタシに言わないで…あっ♡」
「嫌だ。俺はフゥリをフゥリ以外にしたくないし、俺以外の誰かに渡したくない」
「聞きたくないっ…♡ききたくないっ…♡あたまもからだも変になるっ……♡」
「強情だなぁ…そういうところも好きだけど。じゃあ、身体の方から素直になってもらおっか。雄に媚びる為にこんなに育った上に感度も抜群な、このエッチな身体に聞くね」
「あぁっ♡だめっ、やめて……っ♡」
青年はフゥリの耳を甘噛みしながら乳首と秘裂を同時に責め立て、更にはフゥリの桃尻にがちがちに勃起した肉棒を擦り付ける。同時に与えられる刺激にフゥリは一際高い声を上げて悶えた。くちゅくちゅと響く水音と青年の吐息がフゥリの耳を犯していく。
「あ、っぁあぁああっ♡♡それだめぇっ♡」
「俺と結婚しよ?絶対に幸せにしてみせるからさ。フゥリのクリも俺の指と結婚する?こんなに気持ちよくしてくれる指と結婚したいよね?乳首と俺の左手も結婚しよっか」
品のない言葉を耳元で囁かれながら、フゥリは全身が快楽に染まっていくのを感じていた。
乳首は痛いほどに固くしこり、秘裂からは愛液がとめどなく溢れてくる。じわじわと全身を埋め尽くすような感覚が迫ってきて——突然に青年の指の動きが急激にペースを落とした。
「っあ♡あ♡ぁあっくるっ……………え……ぁ…………?」
フゥリは絶頂を寸前で止められ、思わず切なさの滲む声を上げる。
「フゥリ、俺と結婚してくれ」
青年は優しく言い聞かせるように言いながら、その手はフゥリの秘裂の周りを至極緩やかに撫でる。絶頂寸前で止められて敏感になった身体にはその刺激がまるで毒のように回り全身を侵していくが、緩慢な刺激では絶頂に至りはしない。
「あっ♡ぁっイっちゃうっイっ♡…………ぅぁっ……っ……や……♡」
「簡単だよフゥリ、『好き』って言って…?俺に、『好き』って…フゥリが言ってくれたら、すぐにでもイカせてあげる」
「っ……♡♡」
青年の言葉にフゥリは顔を真っ赤に染めて口を噤んだ。イく直前で弄ばれた身体は快感を求めて疼き、快楽の色に染まった瞳は焦点がうまく定まらない。愛液の伝う脚もかくかくと震えはじめていた。
「イキたくないの?いいんだよ、フゥリはフゥリのままおちんぽに媚びてイキ狂っても。その方が絶対可愛いから」
「っああぁっ……♡アンタの…♡っ…♡そんな…♡…ぅう……っ♡」
「俺とラブラブでとってもエッチな、幸せな生活しよ?」
青年はフゥリの耳元で甘く囁きながら、優しく優しく動かしていた指を再び動かし始める。
フゥリは快楽に耐えようと歯を食いしばるが、快楽の頂点を切望する体は青年の指が充血した雌の芯を擦るとすぐに力が抜けてしまう。その隙を逃さず青年は再びフゥリを絶頂へと押し上げていく。
だが、やはり絶頂を迎えることは許されない。
「フゥリはイキそうになるとお尻の肉が緊張してわかりやすいね」
先程は逃げるために使っていた腰の動きは、
「っぁ♡ぅうイク…♡………っあああ!♡やだっ♡♡」
これまでは神に捧げる舞のために磨かれてきたはずの腰の動きは、
「っくぅ…♡ぅ♡……ぁっ…♡…んっ…う…♡」
今は絶頂の歎願をするように、媚びるように浅ましく揺れていた。
追う側から逃げる側に転じた青年の指は頂点に昇り詰めようと突き出される腰の動きに合わせて動き、フゥリの敏感な突起を時に掠めてギリギリまで快楽を溜め込ませながら、しかし決定的な刺激を与えることを避けていた。
「お尻ぷるぷる~…イキそうでしょ。はい、だめ」
「ぅ˝ぅうぁああイクイク♡っふっぅ˝…………ぁ……♡ぁぁあ…っ!♡」
「好きって言ってくれないと、フゥリの幸せな未来とフゥリの絶頂…ずーっとおあずけになるけど、それで良いの?」
「っ!やぁっ♡……ぃや、いやぁあ……!♡」
フゥリは目尻に涙を溜めながらいやいやと首を振るが、それが御巫を辞めさせようとすることへの拒絶ではないことはもう明白。
「ほら、乳首かりかりかりかりかり…ぉ、早っ。はい終わり」
「ぅぁああっ!♡ぁあっ!♡あぅ、っんっぐ♡止まった♡指止まったぁ♡ぅうぁあっ♡」
フゥリが絶頂を迎える寸前で青年は指を止め、絶頂の波が引いたところでまた責めを再開する。何度も何度もそれを繰り返されてフゥリの理性が、自分でもわからないほどに本音を包み隠してきた厚く重なったヴェールがどんどんと取り去られていく。
「俺のにお尻擦りつけてくるの、意識しないでやってるの…?エッチすぎだよフゥリ、絶対俺と一緒になった方がいいって。俺のちんぽ信仰しよ?」
くりくりかりかり雌勃起を嬲られたかと思えば、イく寸前で指を離される。準備万端にトドメを待ち望んで小さく震えるそこに、最後の刺激は与えられない。もどかしさに震えるフゥリ。その臍下の奥にある子宮がさっきからしきりに訴えてくるのは、目の前の雄に媚びて、媚びて、媚びまくって…その雄のものになること。
フゥリの腰はもはや自身の意識に従うことを辞め、本能に従順になってくいくい、へこへこと青年の肉棒を相手に絶頂懇願の踊りを舞っていた。
「ふーぅ…♡ぅ…♡…♡ふー…ぅ♡ぅ、ぅぁ˝あ……♡♡」
「身体の方はすっごく俺のこと欲しがってるけど…?俺はフゥリのこと大好きだし、あとはフゥリの『好き』って言葉だけだよ…?ねえ、……フゥリ?」
……ほんとに………?
「…フゥリ」
「本当に…アタシの事好き…?
アタシの事…幸せにしてくれる…?
アタシを…助けてくれるの…?」
フゥリの吐露した言葉に青年は優しく微笑むと、
「助ける。
俺はずっと本気で本音だよ。
フゥリが好き。
フゥリが大好き。
フゥリを愛してる。
フゥリと結婚したい。
フゥリと一つになりたい。
フゥリといっぱいエッチしたい。
フゥリを幸せにしたい。
いや…したい、じゃない。
絶対に——フゥリを幸せにしてみせる」
それは愚直で馬鹿みたいで品がなくて、そしてどこまでも正直で真っ直ぐで素直な告白だった。
フゥリは青年の告白を聞くと、涙を湛えた瞳でじっと彼を見つめる。
そして満足そうな微笑みを青年に向け、ゆっくりとその瑞々しい唇が動いた。
「しょうがないなぁ…♡じゃあ…なったげる…♡アンタだけの御巫…♡
ううん、アンタ専用の…「おまんこ」に…♡♡♡」
「…フゥリ……っ」
青年に抱きつきながら、彼の耳元で「だいすき」と囁くフゥリ。
それは珠の御巫という、環境が作り出したフゥリにとっての呪縛から自分を解放してくれるというこの青年への、心からの愛の言葉。
ずっと欲しかった言葉を聞きこみ上げる感情に息を詰まらせる青年に、フゥリは蕩けた顔で更に囁き続ける。
「好き…♡ほら、アタシ選んだよ…♡ちゃんと好きって言ったよ…♡聞こえてないフリするならずーっと言うから…♡好き…♡好きなの…♡好き好き…♡ね、聞こえてるでしょ…♡だから…良いよね…♡はやくぅ…♡はやくちょうだい…♡おまんこ切ないよぉ…♡」
フゥリは股を青年の脚に押し付け、腰をくいくいと振っておねだりする。
青年はフゥリの言葉に応えるように、彼女の秘裂に指を触れさせた。散々焦らされたフゥリのそこは待ち望んでいた刺激にびくんと跳ねる。
「んあっ♡あっ、あっ…♡好き…♡この指、好き…♡もう、焦らさ、ないでね…♡イかせて…♡敏感なとこ擦って…♡イきたい♡イきたいよぉ♡」
「うん、もう止めない…思いっきりイっていいからね」
青年は二本の指の根元、その間にフゥリのクリトリスを捕えて、徐々に指の動きを速めていく。コリコリとしたそれを転がすように弄るとフゥリの喉から艶めかしい声が溢れる。
「っ♡す♡好き♡好きぃ♡アンタのことが好きなのっ♡もう我慢なんて、っ♡しないっ♡今までの分全部っ…♡好き、好き、好きっあッ♡きもちいのくる♡イっイく♡もうイクっ…♡」
「好きだよ、フゥリ…もっとしてあげるからイッて… イけ…!」
青年はそう言うと熱い吐息と声を漏らすフゥリの唇に一つ口付けをし、片手でフゥリの身体を抱き締め、もう片方の指で割れ目とクリトリスを擦り上げ絶頂へと追い詰めていく。
「ふっう˝♡イク♡好き♡イっく♡あぁぁ˝ッイク♡イクからぁ♡もっと好きって♡あ˝っ♡好き…♡好き♡ぁっイく♡イく♡イクもうイクッだめ♡っ好き♡好き好き好き好きぃ˝ぃっっイ˝ッ…~~~~ッッッあ˝ァぁっ!!♡♡♡♡」
青年の腕の中でフゥリの身体がぴんと伸びきり、次の瞬間大きく跳ねた。焦らされ続けた分深く長い絶頂の快楽がフゥリの身体を駆け巡っていく。背中は弓なりに反り、脚を爪先まで強張らせる。秘裂から勢いよく噴き出した飛沫が青年の手を濡らした。
「ちゃんとイけたね、フゥリ……」
未だ収まらない強烈な絶頂。青年の腕に支えられ仰け反った姿勢で身体全体を震わせるフゥリの白い喉元に吸い付くように青年が口付けると、その刺激さえも快楽として捉えたフゥリの体がびくっと震えた。
「すきぃ……♡ッぅ♡っすき、なのぉ………♡すき……♡ッ♡す、き……♡っ、だ…い、すき…ぃ………♡」
余韻をたっぷりと味わいながら、はっきりとしない意識の中でうわごとのように何度も何度も青年への愛の言葉が零れる。まだ時折びくんと大きく跳ねる腰がフゥリの絶頂の深さを表しているようだった。
それでも必死に青年に縋り付き愛を表すフゥリの様子が可愛くてたまらず、青年はゆっくりと両腕でフゥリを抱き締める。
「俺も大好きだよ、フゥリ…いっぱい幸せになろうね」
「……ん…♡…しあわせに……♡なる…♡だいすきな…あんたと…♡ なる……♡」
快楽に浮かされ蕩けた表情を浮かべながらも、フゥリは満足そうに微笑んだ。青年もまたそれに応えるように微笑んで返すと、労わるようにゆっくりとフゥリの身体を寝かせていく。
「…ぁ………♡これから……♡あたし…♡」
「うん」
青年は優しい声音で答えると、フゥリの上に覆い被さった。
日も沈み、鳥も獣も寝静まる夜、今夜も愛を紡がんとする影がふたつ。
誰にも邪魔されない二人だけの愛の巣…寝室で、ふたりは部屋の真ん中に敷かれた布団の上で向かい合っていた。
「フゥリ、はやく…」
「うーわ…♡なにぃ…?♡そんなに急かして…♡ちょっとべっったりくっついて愛しの旦那に愛情たっぷりのキスの雨をちゅっちゅちゅっちゅ降らせただけじゃん♡もう我慢できなくなっちゃったんだ…♡アンタって本当、馬鹿みたいな性欲なんだから…♡」
上目遣いで見上げながらにやにやと煽るような笑みを浮かべるフゥリ。その身体は青年の身体にぴったりと密着し、青年の胸板に自らの乳房を押し付けて、その柔らかさを存分にアピールしている。
フゥリは挑発的な笑みを浮かべながらも、その瞳の奥には隠しきれない期待と悦びが浮かんでいた。
「誘ってきたフゥリも人のこと言えないよ…キスしながら俺の足に擦り付けて濡らしてるし」
「これはしょうがないの♡だって…アンタとのキスが気持ち良すぎるから…♡それに…♡えっちなアタシの方がおちんぽ様喜んでくれるでしょ…?♡」
フゥリはそう言うと、青年の腰に回していた手をするすると下に滑らせていき、股間をズボン越しに優しく撫で回す。そこは既に熱く硬くなっており、その感触にフゥリはうっとりと恍惚の笑みを浮かべる。
「大変…♡すぐにおちんぽ様のお出迎えするね…♡」
フゥリは青年のズボンのチャックを口で咥えると、そのままゆっくりと下ろしていく。下着から勢いよく飛び出した肉竿がフゥリの顔を打ったが、フゥリは嫌がるどころか目前で猛り勃ち幹に浮いた血管を脈動させるそれを愛おしそうにじっと見つめてごくりと生唾を飲みこんだ。
「フゥリ、ちんぽ好きすぎ…えっろ…もう完全に信仰してるよね、こんなに敬虔になるなんてさ」
「アンタが無理やり改宗させたんでしょ…馬鹿…っ、♡すーぅ…♡はーっ…♡おちんぽ様くっさ…♡ちゃんと責任とって…♡この…バキバキおちんぽ様で…アタシを幸せにしてよね…♡…ちゅっ♡」
フゥリはそそり立つ肉棒に恭しく口付けをして、
「あぁ…♡おちんぽ様…♡お目にかかれて嬉しく存じます…♡そして、ご挨拶が遅れましたこと…誠に申し訳ございません…♡この卑しい雌の身体をお使いいただき、おちんぽ様を気持ち良くして差し上げるのが役目のフゥリにございます♡どうか、心行くまでご堪能ください……♡」
わざとらしい口上を述べて、上目遣いで青年を見つめる。青年の興奮を助長するように、その卑猥な言葉に合わせてフゥリの尻がゆっくりと左右に揺れて煽情的な光景を作り出していた。
「それでは…♡ん、ちゅ…♡ぁむ…♡ぷぁ……ぇるっ♡えぉっ♡ちゅっぽっ♡ぁむっ♡ん…れぅ、れぅ…♡んべぇろ…♡んぇろ…♡ぶぢゅっ♡」
フゥリは口を開いておちんぽ様を迎え入れると、口内でたっぷりと唾液を絡めた舌を絡み付かせる。顔を傾かせ、おちんぽ様に密着させたぷるぷるの唇から這い出させた舌をべったりと太い幹にへばりつけながら竿全体に唾液を塗りたくっていく。
「んぇ〜…♡じゅっ♡ぢゅぷ、べろ……♡ちゅぽ……れぉっ♡れぇ~…っ♡ちゅっぱ♡ぶちゅ♡ねぇろぇろ…♡れろ♡」
水音を立てながら亀頭から根元まで何度も往復するように舐め上げ、唾液を絡めた舌で撫で回し奉仕する。竿だけではない。その下で重く垂れさがり今も精子を製造している二つの袋も、フゥリの細指に包まれて温かく優しく揉みほぐされていた。
「すっご……フゥリ、エロすぎ…っ」
「んふぅ~…♡ちゅ、っぱ♡だって、アタシはおちんぽ様の信奉者で…♡ぁむぅっ♡ちゅぶっ……れぇ~っあ♡それにぃ…♡アンタのことが、心の底から大好きだから…♡おちんぽ様に喜んで頂きたいし、アンタにエッチだって思ってもらいたいの♡ちゅぷっ♡れるれる、れぇろ……♡れえぇぇ……っ♡」
亀頭の先からカリ首までを念入りに、そして幹に浮かんだ血管一本一本に舌を沿わせて愛おしそうに舐め回したかと思うとフゥリは最後に一度鈴口にキスをして青年を見上げる。
「好ぅ~き♡」
フゥリは悪戯っぽく微笑むと唇を窄めておちんぽ様にちゅっ♡と口付けをし、見せつけるように口を大きく開いて舌を出すと、唾液と先走りでべとべとになったおちんぽ様をゆっくりとその口内へ迎え入れた。
「んっ……、ぢゅぷ、れるぉ……♡れぇるぅ~っ♡んぐっ♡んふっ♡れぇぇえ~ろぉっ♡」
喉奥までご来訪頂いたおちんぽ様をフゥリの柔らかい舌がねっとりと包み込む。頬を少し凹ませて吸い付き、おちんぽ様との密着度を高めると、フゥリはその頭を上下に振り始めた。
「んぶぅ…♡れぅ…♡ぇろ、れろ、れろ…♡んっぐ、んぶ、んぶぅっ…♡じゅぽ♡ぐぽ…♡じゅぷ…ぢゅぷ♡っちゅぅう♡じゅる♡じゅぷぷぅっ♡んぐ、ぷ♡んふぅー…♡んふぅー…♡♡」
口まんこ。そう形容するのが相応しい、フゥリの口内密着淫猥奉仕。頬の内側の粘膜でおちんぽ様を包み舌で裏筋を圧し上げながら頭を前後させるフゥリは、その奉仕で自身も快感を享受しているのかその表情は蕩け、青年の興奮を煽るために揺らしていたはずの尻は今や無意識にくねっていた。
「フゥリの口まんこっ…この俺専用まんこ最高…!」
「ん˝っ♡♡ふ♡♡んふぅ~っ♡♡ぇろれえろれろ♡レロレロレロレロレロ♡」
青年の言葉に頬の赤みを一層強くし、興奮を示すように目を細め、口内に鎮座ましますおちんぽ様に媚び倒さんとフゥリは口奉仕の速度を上げた。
「それ、やばっ…でそうっ…!」
「んぶっ♡らひへ♡ねろぇろ♡らひへ♡んっ♡じゅぶ♡ぐぷ♡ぢゅぅう~っ♡じゅっぽ♡ぐぽっ♡じゅぽ♡くぽっ♡じゅぽっ♡」
上下するフゥリの頭。口からはまるで膣を穿っている時のような粘着質の水音が大きく響く。
「ッ…フゥリっ…!」
「ん♡ぐぶぷっ♡んぶ♡んっ♡~~んッ!?♡♡んんぅ…っぶ♡♡ん、ぐ…♡んくっ♡ゴクン♡んふぅ~…♡」
射精の瞬間、青年は思わずフゥリの頭を掴み喉奥に向けて腰を突き上げた。突然青年に頭を押さえつけられたフゥリはほんの一瞬驚くも、すぐに蕩けきった顔でおちんぽ様を受け入れる。そしておちんぽ様がお恵み下さる精液をこぼさぬよう、一滴残らず口の中で受け止めて丁寧に飲み込んでいく。
「んふ~…♡ゴクッ♡んぅ…♡んふ……♡んれぉ♡れろ♡ぇぅ…♡んっ…♡ゴクン♡んふ~っ♡んふ~っ♡ちゅずずぅっ♡じゅぼ♡ぐぽ♡んれぉろれぇろ♡ンクッ♡ぢゅっ♡ちゅぅぅ~っ♡れるぅっ♡コクン♡」
「フゥリ…ありがとう…」
喉に絡みつく粘ついた精液を嚥下しながら、口内に精を放って下さったおちんぽ様を丁寧に、愛情たっぷりに綺麗にしていく。青年に頭を撫でられるとうっとりと目を細め、喉を小さく鳴らしながら最後の滴まで飲み干した。
「ちゅ…っぷぁ…♡んふっ♡ んぇ、あぁ~~……♡♡」
名残惜しむようにようやく口を離したフゥリは顔を上げるとまるで勿体ぶるように緩慢な動きで口を開いていき、青年にその口内を見せ付ける。垂れ下がる舌にも、フゥリの唾液が糸を引く口内にも、白濁は残滓もなかった。
「おちんぽ様へのお口御奉仕…ご満足頂けましたでしょうか♡」
「最高……」
「ありがと♡」
フゥリは青年の称賛を聞き、甘えるように体をすり寄せると、耳元に唇を寄せて熱っぽい吐息と共に囁く。
「じゃあ…次は」
フゥリは青年の手を両手で握るとそれを自分の股間に触れさせる。そこは熱く濡れそぼっていて、太ももを伝う液体もフゥリの興奮を物語っている。
青年の反応を見たフゥリは年齢にそぐわない妖艶な目付きで微笑んだ。
「アタシが上になって、アンタのために舞ってあげる…♡」
その色気に青年は思わずごくりと唾を飲む。
「フゥリが捧ぐ、唯貴方の為の淫れ舞……御照覧あれ♡」