玩具の行く末
私はキュロスの子だよ!!!!スレを見てたら思いついた話
ifにありがちな超解釈もある与太話系SSなのでぬるーく見てください
目が覚めたらファミリーが壊滅してて復讐を決意するシュガー。
なんやかんやしてレベッカに近付きその柔肌に触れて勝利を確信するも……
「……え、なんで?」
なんとレベッカは玩具化していなかった!
「貴女、シュガーでしょ。ホビホビの実の能力者の。私知ってるわよ」
「うそ……なんで……?」
目の前の光景が信じられず、触れ直してはもにもにと揉むも能力は発動しない。
海楼石を付けられる状況なら連行されているはずなのにそうではなかったし、なにより事前に試して能力が使える事は把握していた。
だからこそ復讐のチャンスがあるとここまでやってきたのだが……
「過剰な覇気の前に能力は効かないのよ」
「っ!? そんな、だって若様達だって防げないのに」
レベッカが告げる信じがたい内容に手をわきわきさせながら反論するも、不意に全身が良い匂いに包まれた。
それは暖かくて柔らかくて、復讐に燃える心ですら穏やかになってしまうような安心感があった。
「貴女……その能力の性質上、こうして誰かに抱きしめてもらえるなんて、もうずっと何年もなかったんじゃない?」
「そんなの……えっ? あ……え、なんでっ!?……ひぐっ、うう……」
復讐者とターゲット。
その二人が面と向かい合った場に相応しくないその言葉に、シュガーは完全に虚を突かれて自分でも理由がわからず涙が溢れていた。
「よしよし。ほら、思う存分泣いていいわよ」
「わたし……貴女よりとしうえだもん……」
改めて優しく抱きしめなおし、その頭を撫でるとシュガーが身動ぎしながら文句を言ってくる。
もっとも、離れるどころかレベッカの体をぎゅうっと抱きしめ、より密着しようとしているのでそれが本心ではないとまるわかりなのだが。
「言ったでしょ、貴方の事は知ってるって。その姿の年のころから……なんでしょ?」
「うん……」
年下の少女の抱擁は姉を思い出す包容力があった。
復讐の燃料である憎悪も絶望も全てが包まれ溶け崩された彼女は、ここまでやってきた疲労と泣いたことによる気怠さに襲われていた。
一般人よりは遥かに強いシュガーであっても体格相応の体力の低さは否めない。
意識を鈍麻させる衝動に抗いつつも揺れ始めるシュガーの頭上に、誘惑を孕んだ声音が舞い降りてくる。
「ほら、眠いんでしょう? このまま寝ていいから……」
「いいの……?おねえ、ちゃ……」
睡魔に意識を刈り取られる瞬間、レベッカのもたらす心地よさに自身の姉を思い出し、無意識に口に出して寝落ちするシュガー。
「おねえちゃん、か……」
シュガーの最後の言葉にレベッカは自身の姉を思い出す。
厳密には姉ではなく姉のような存在のヴィオラの事を。
少しの間だけ物思いに耽り改めて見つめるのは静かな寝息を立てているシュガーの寝顔。
小さな子供特有のぷにぷにした頬に触れて微笑むレベッカは……
1.
復讐はおおむねやり遂げた
ベビー5のように生きるのならシュガーを国の一員として迎え入れるのも吝かではない
2.
復讐は完了していない
サイが娶る形となった彼女は別として復讐に来たこの女を活かしておく必要はないとその細い首を手折る
3.
ふふっ♡
私の”いもうと”にしてあげるね♡♡♡
レベッカがどの選択を選び、また別の選択を取ったかどうかは貴方しか知らない。