猫天与編幕間:食呪編②

猫天与編幕間:食呪編②



「へぇ・・・食の特級呪霊なぁ・・・」


後処理は高専にて資料の整理中、ある資料を読んでいた。


「こんなのもおるんやね・・・まぁ俺には関係ないか」


そう言って後処理は資料を戻したのだった。





※※※






「さて・・・この子達を食べて知能も得た事だし次は・・・っ!」


食の特級呪霊は咄嗟に後退りする、さっきまで彼女が居た場所には刀による斬撃が放たれていた。


「・・・仕留め損なったでござるか」


「おや・・忍猪じゃないか、出会いがしらに酷いことするなぁ」


呪霊は忍猪を見て余裕そうな表情を浮かべている。

忍猪は見てもいないのに自分のコードネームを言い当てられた事に少し表情が歪む。


「・・・貴様のような者をこのままのさばらせて行くわけには行かないでござる!」


「それじゃあ・・・ウォーミングアップに付き合ってもらおっか!」


地面を蹴る音と共に刀と拳が激突し合い赤い火花が舞い散る。

鉄同士が弾かれる音と共に二匹はバックステップをし距離を取った。


「・・・ドロン!!」


忍猪は煙幕を撒き白い煙の中に飛び込み姿を消す。


「なるほど・・・術式で不意打ちをする気だね」


呪霊が辺りを見渡している間忍猪は背後に回っていた。


(・・・今でごさる!!)


忍猪は稲妻のような凄まじい速さで呪霊に突進攻撃を仕掛ける、呪霊は何やら胸元を弄っていた。


(これにて・・・御免!!!)










「コ"ケ"コ"ッコ"オ"オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


放たれたのは草木をも揺るがす凄まじい音災、至近距離にてこれを食らった忍猪は一瞬にて気を失った。













※※※

















「・・・やってくれたね」


近くにて大きな音をした巨竜が駆けつけて見たのは鶏の羽が背中につき牛のパーカーを着、嘴のようなメガホンをぶら下げた人の姿、そして刀を持ち下半身が猪の姿になったまるでケンタウロスのような姿の呪霊だった。


「・・・君、何を食ったらそうなるの?」


呪霊は振り返りにやりと歪んだ笑みを浮かべる。


「そうだなぁ・・・新鮮な牛肉と鶏肉と豚肉って所だよ」


「・・・なるほどね」


巨竜は自身の一枚の白い鱗を剥がして砕くとぐんぐんと巨大化をする。


「それじゃあ・・・死のうか!!」


「あっははははは!最高の気分!!」


巨竜は巨大な足を振り上げ何度も呪霊を押し潰そうとする


「ははははは!!!周回遅れだなぁ!!」


だが呪霊は発達した四足による凄まじい速さで風を切りながらその攻撃を回避し続けていた。


「ああ糞・・・忍猪の身のこなしかっ・・・それなら・・・!」


巨竜は翼をはためかせて上空に飛び上がり口に巨大な火の粉を貯める。


「これで最「いやー・・・発想はめっちゃ良かったんだけど・・・」


目の前にいるのは自分の足で飛び上がった呪霊の姿。


「この肉体の能力を舐めていたね」


そして頭部に乗り開いている口を殴って無理矢理塞ぐ。


「・・・!!!!!」


溜めている火の粉が爆発し巨竜は墜落するのだった・・・




※※※





「ちょっと何がどうなってるわけ・・・!?」


「さっきの爆音と緊急信号とデカくなった巨竜!そんでさっき墜落したのを見るに誰かにやられたんだろうなぁ!!」


酒蛇と毒兎はこの異常事態を見て合流していた。


「他のメンバーは!?」


「見つかってねぇな・・・でもまぁあいつらがやられるとは思えねぇし六月も多分アイツらが護ってるだろ!!ともかくなんとかしてこっから・・・!」





「見つけたぞ」


毒兎達の目に入ったのは今までの特徴に加えて頭部が竜、背中に竜の羽、そして鉤爪を付けた姿に変化した呪霊の姿だった。


「テメェ・・・何もんだ・・・?」


「・・・何者か?」


呪霊は少し考え込むような仕草をして笑みを浮かべる。


「俺は・・・愚潤だ」


「・・・あぁ?ぐうる?」


毒兎はバイクのボタンを押すと眉を顰める。


「・・・あんた、さっきまで見えていたデカいトカゲを知らない?」


「・・・ああ、アイツか」


愚潤は口元を歪めながら腹をさすった。


「・・・食っちまった!」


「テメェ!!!!」


毒兎はバイクから取り出したマシンガンを愚潤に向かって乱射する。


「・・・ふん」


愚潤は手を広げて薄気味悪い笑みを浮かべる、鉄が砕ける音が耳に響き渡った。


「・・・どうした?この程度か?」


弾丸は皮膚を貫かず全身に生えていた鱗に止められていた。


「舐めるんじゃねぇ!!」


毒兎はある武器を背負いバイクを走らせチェンソーにて切り掛かった。


「無駄だ」


愚潤はそれを素手にて受け止めチェンソーの回転が無理矢理止められる。


「終わりだ、これでお前も俺の糧となる」


「・・・糧になるだぁ?」


毒兎は背中の武器を発射し・・・それを打った反動で吹っ飛び距離を離す。


「逃げても・・・待て、そういやあの蛇はどこに・・・!?」


「もう遅いわよ!!」


愚潤が振り返るとそこには全身に酒のオーラを纏った酒蛇がいた。


「極の番・・・八塩折酒!!!」


酒蛇から八本の巨大な蛇の形を構成した酒が放たれ愚潤に纏わりつく。


「こんな物・・・!こんな・・・ガアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!」


そして柱のような水飛沫と共に大爆発をするのだった・・・

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