猫天与編前編:恋呪編 プロローグ

猫天与編前編:恋呪編 プロローグ


もし・・・彼女の死体をこのまま放置したらどうなるのだろうか


きっと誰かに見つかり丁寧に埋葬されるだろう。


そして彼女の肉は灰となり骨は土となり自然に還元されるだろう。


最後に警察の手によって彼女を殺した犯人は暴かれ逮捕される、そして死刑にでもなるんだろう。


・・・あぁ


それは、嫌だな


















※※※














「・・・・・・」


・・・絵文字の事件で俺は大きな衝撃を与えられた。

そしてそのせいで俺は今もずっと二つの悩みを抱えていた。

正直あの事件はどうでもいい、俺に突き刺さったのは伝書桜のあの言葉だった。


「死は・・・人生で一番心地いい瞬間・・・?」


・・・それが事実なら俺はどんなにあいつの存在と尊厳を破壊し尽くした所で最期に与えるのは心地よい瞬間だと言う事になる。


それじゃあ伝書桜の言う通りにアイツを生かすか?


・・・それは














意味がない


他の誰がアイツをいくら否定しても俺は満足しない。


それが例え、アイツ自身であろうとも。


俺よりも苦しみを与える奴がいたとしても。


アイツを苦しめるのは・・・俺だ。


例えアイツを生かした所で直接苦しみを与えるのはアイツ自身と言う事になるだろう。

だがアイツを殺した場合最期に与えるのは心地よい瞬間だ。







どうすればいい?












どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?












・・・待てよ?





そもそも俺は




何故死んだらそれで終わりだと思っていた?




この世に魂はある。

そうでなきゃ人間が呪霊になったり転変みたいな術式があるはずがない。


それなら死んだ人間の魂はどうなる?


呪力を介しないで死んだ魂は全て呪霊になっている?


いや違う


それならばもっと呪霊は増えているはずだ。


じゃあ消えるのか?


その可能性はもちろんある。


だがもしも・・・




死後の世界があるとしたら?


輪廻転生があるとしたら?



・・・あぁ、なんだ

それなら3択じゃないか。


認めるよ

今までの俺の呪いは甘かった。


死んだぐらいで呪いを終わらせるべきじゃなかったのだ。










もし魂が消えるなら消える寸前に魂を掴んで何度でも苦しめよう。













もしあの世に行くならあの世に辿り付いて何度でも苦しめよう。












そしてもし転生してきたなら何度でも尊厳を破壊し尽くして殺そう。















記憶が無いなら何よりだ、その方がアイツの苦痛は大きくなるだろう。












・・・あぁ、ただこれだけの簡単な話だったのだ

何で俺はこんな事に気づかなかったのだろうか?


だが俺のもう一つの悩み、これは一体どうすれば晴れるのだろうか・・・


・・・今日はもう疲れた、眠ってしまう事にしよう。









※※※




「・・・はぁ、大晦日に何やってるんだ俺は」


俺は大晦日に任務を入れられて夜遅くまで働く羽目になっていた。

・・・あぁ、なんだかどっと疲れがやって来た。


もう一つの悩みでずっと悩んでいたからか、それとも単純に身体が疲れたからか。


・・・帰るのも面倒だ、今日は外で寝てしまおう、まさか外で寝たまま年を明ける事になるとはな。


寝転がり空を見上げる


それにしても今日は・・・







あの日と同じく月が俺を照らしていた。











※※※



「・・・大丈夫、私なら、きっと貴方に・・・」




※※※










・・・目が覚める、あぁもう朝か

そう思って俺は起き上がろうとする。


・・・あれ?なんだ?四足歩行がやりにくい


そう思うと俺は異変に気づく











・・・手が、人間の物になっている?










「・・・は!?ハァ!?」





もしやと思いそこら辺の鏡を覗き込む

そこには銀髪で赤目の少年がいた。


つまり


俺の姿が人間になってる・・・?







「な・・・な・・・・」


どういう事だ・・・!?

俺の姿は天与呪縛でそう簡単に治る物では無い。

寝てる間に変な術式でも食らったか・・・?

迂闊だった・・・とりあえずやる事は一つだ


高専に行って対応してもらう


・・・とはいえこれはどうにかなる物なのか?


そう思うながら俺は高専へと向かって行った。


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