猫天与怪文書
光を求める何故俺は苛立っている……?
俺は盗賊が伝書桜を少しでも悲しませて落胆しているのか?
他者に満たしてもらおうなどと考えたこともない。
そう、『食らいたい時に食う』『邪魔なら殺す』
それが俺だ。変わりはない。
そうだ、隠れ蓑。
それが俺にとっての他者だ。
俺は俺の身の丈で生きているに過ぎない。
だが、
復讐に関係ない事で何故俺は苛立っている。
同じようなやつは覚えてないが数年前と変わったのは俺の方……?
盗賊、そうだお前だ。
今まで関わる相手は他人だった。
他者(そいつら)の理由も理想も全て俺にとってはどうでもいい事だ。
虚勢もあったろう、自己陶酔していた者もいただろう。
だが今回は違う。
俺はコイツがコイツの魂が何度折っても息を吹き返す百折不撓の理想を持っていると知っている。
俺がどうでもよかったはずの盗賊が、理想を貫く意思の強さで俺でさえ救える事を知ってしまった。
俺はそれがどうしようもなく眩しい訳だ。