猫の祟り 謎編

猫の祟り 謎編


思ったより長くなったので前後で分けます。

注意

作者は初めてSSを書いてます。優しくしてください

猫が酷い目にあう表現があります。






ふと夜に目が覚めた。

夜特有のひんやりとした空気が体にまとわりつく。

珍しく夜に目が覚めてしまった。もう一度寝直そうと試したが、

一回意識が浮上すると変に意識してしまって、どうにも寝付ける気がしなかった。

このまま寝る気にもなれないし、かと言って夜はまだ長い。

どうしようかと考えて不寝番しているシャチの存在を思い出した。

どうせ暇してるだろうし、差し入れの一つでも持ってって、夜更かしに付き合って貰おう。いっそ他のクルーにも内緒で夜食を食べてもいいかも知れない。イッカクあたりにでも怒られそうだが、まぁ…怒られたらその時はその時だ。

ベッドのそばに置いた自分のトレードマークと言えるペンギンの帽子を被り部屋を出た。

静かな廊下をそっと歩いてキッチンへ向かう。

話しながらつまめそうなものを持っていこう。

「お、ペンギンじゃん。お前が夜中に不寝番以外で起きてんの珍しいな」

「シャチ。どうせ暇してんだろ。ちょっと付き合えよ」

「どうせとはなんだシツレーだな」

そう言って俺はシャチの隣に腰を下ろした。

「実際暇だったけども」

「じゃあいいじゃん。ちょっと話そうぜ」

「よっしゃ、この前上陸した島で聞いたとっておきの話してやるよ

その島の酒場の主人から聞いた話なんだけどさ『三つ足の三毛猫をいじめると祟られる』って話、聞いたか?」

「ああそういえば島民たちがヒソヒソ話してるのを聞いた気がするな。けど詳しくは聞いてない」

するとシャチは、俺がその話を知らないことに気を良くしたのか芝居のかかった動作で得意げに語り始めた。

「あの島さ、ちょっと入り組んでただろ?

その中のどこかの裏路地で猫が大嫌いな男がいたんだと。

男はいつも猫を虐めてた。

で、ある日のことだ。その日特別機嫌の悪かった男は目の前を通りかかった罪のない三毛猫の片足を…

けど、男は気にも止めなかったんだ。

でもその日の夜、男の前に猫が現れた。

[よくもよくも前足をもいでくれたな祟ってやる、呪ってやる!]って。

その後男は生きたまま猫の祟りにあってバラバラにされたらしい。

もしかしたらお前にも猫の祟り「祟りも呪いもないよ」

「「おわぁびっくりした!」」

俺らは驚いて同時に思い切り後ろを振り返った。

「しー。声おっきいよ。そんな驚く?」

振り返った先には片手を口元に当てて[静かに]のジェスチャーをするルカがいた。

そんな驚く?ってそりゃそうだ、足音もなく背後から唐突に声がしたら誰だって驚くだろう。だから怖かったとかじゃない。断じて。

「ルカ!お前起きてたのか?つーかどこから聞いてたんだ?」

「昼間いっぱい寝たから目が冴えちゃってさ。ん~どこからって言われるとシャチのとっておきの話の辺りから?」

「ほぼ全部聞いてんじゃねぇか」

「というか、祟りも呪いもないってなんでわかるんだよ?おんなじ猫だからか?」

「違うよ?!ぼくはあくまでネコネコの実を食べた人間であって、猫じゃないよ?!」

「ハイハイ。で?なんでわかるんだよ?」

「なんでって…その怪談多分ぼくのことだし?」

「「ハァァァァ?!」」

慌てて口を塞ぐ。ってそれよりも

「マジかよ?」

「うん。別にぼくは祟ったりしてないんだけどね」




次回 

弟くんによる解説編

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