狂乱に染まるレミューリア
忘却の都とも冠されながらも、レミューリアは非常に美しい都だった。少数部族の水精鱗にとっては棲家であり、美しい都を歴史と共に護っていくのが彼等の役目でもある。
しかしそんな美しかったレミューリアは、今や狂乱に支配されている。
その根幹に立つのは現在深海で暴れまわっている海皇を名乗る一派、その首領の海皇龍ポセイドラ。
彼は龍であると同時に常に貪欲で、あらゆる欲を我慢することなく振るう。
当然のことながら彼は、三大欲求もあらゆる生物より強かった。
『ああっ!忌々しいっ!』
ガリゴリとロスト・ブルー・ブレイカーの硬い甲殻を噛み砕き、咀嚼しながらポセイドラは激怒しながら叫ぶ。
好物であるそれを噛み締めながらも、強欲な彼の怒りは留まることを知らない。
宿敵にして永く対立してきた炎王との決戦。圧倒的な数で孤島を包囲し、蹂躙するのみと考えた矢先だった。
そんなタイミングで現れたのは差し向けた部下達によって屠られたはずのスパイラル・ドラゴンだった。
姿を大きく変えて新たに幻煌龍を名乗るようになった奴のせいで、炎王はもちろんこの海皇軍にすら多大すぎる被害を受けたのだ。
ただでは帰さなかったが、それでもこちらが受けた被害は大きすぎる。
苛立ちながらポセイドラは傍に控えさせていた女を睨み付けた。
端正な顔立ちに美しい紫の髪、翠の瞳は怒りと恐怖に満ちている。
アビストリーテ。水精鱗達の長であり女王である彼女を、ポセイドラは大損害を受けた軍を回復すべく急遽占領したレミューリアで真っ先に彼女をこの場に連れてこさせた。
その身を怒りに満ちさせていても欲はある。
否、怒りに満ちているからこそ発散するのだ。
『跪け』
「くっ……」
ポセイドラはふてぶてしくその巨体を揺らしながら、呼び寄せたアビストリーテを跪かせる。
跪いたアビストリーテの顔の前にはちょうどポセイドラの下半身に差し掛かり、そこからは怒張しきった欲望の象徴があった。
『奉仕しろ、その高貴な身体でな?』
「その強欲……いつか、鉄槌がくだりますよ」
『減らず口を叩くな、大事な民を守りたいのだろう?』
アビストリーテはすぐに黙り込むことになった。
このレミューリアに棲む水精鱗の民達を守るためにアビストリーテはここにいる。
凶悪な臭気に顔をしかめつつ、自分の頭ほどの太さがあるソレへゆっくりと顔を近付けた。
「うぷッ……んッ……」
吐き気を堪え凶悪な肉の槍に舌を這わせる。ぬらぬらと濡れているソレは味も臭いも最悪の一言で、高貴な王女であるアビストリーテは今にも気が狂いそうだった。
『これでは日が暮れるぞ?手伝ってやろう』
「んぐぅッッ!」
巨大なポセイドラの腕がアビストリーテを掴むと、肉槍にその身ごと擦り付けさせるように動かした。
生臭い悪臭と粘液がアビストリーテの全身を汚し、臭いまで擦り付けられていく。
衣装を身に纏っていなかったアビストリーテの美しい肢体は、すぐさま汚臭漂う雑巾へと成り果てた。
ポセイドラは柔らかい女の肉を擦り付けて堪能したのか、汚濁に嘔吐するアビストリーテにゲラゲラと嗤う。
『いい具合だ、機嫌がよくなった。その身に俺様の子種を宿してやろう』
「……!?い、いりませッ……ぎィッ!!?」
アビストリーテの秘所にポセイドラの剛直が押し当てられる。
絶対に入るはずのない大きさだったが、頑丈なアビストリーテの身体はそれを受け止めれてしまうらしい。
ゴリゴリミチミチと肉を押し広げる音を立てながら、ポセイドラの剛直が入っていく。
「あッ……ぐッ……お゛お゛……」
だらしなく悲鳴をあげるアビストリーテ。
乱れた髪も、汚濁に汚れたその肢体も、もはや高貴さを感じさせることはない。
ポセイドラは玩具でも扱うかのようにアビストリーテの身体をその手で動かしながら犯していく。
歪に膨らんだ腹が、出し入れされるのに連動して膨れ萎みを繰り返し、その痛みは想像を絶するものだろう。
「あがッ……ひぐッ……おゆるし……をッ……あぎッ……!」
ポセイドラはいつしか己から腰を揺らし、アビストリーテの身体を貪っていく。
久々の性欲の発散はただひたすらに目の前の女に向けられていた。
やがてそのストロークが激しくなれば、アビストリーテはさらに顔を青くする。
「お゛ッ……あぐッ……おゆるしッ……をお゛ッ……そ、ぞれだけはッ……」
誰が聞くか、そう言わんばかりにポセイドラの肉槍が膨らみ、アビストリーテのなかに龍の子種が注がれていく。
絶望で気絶したらしい気高い女王を尻目にゲラゲラ嗤う海皇龍は己の兵達に高らかに咆哮した。
『今宵は好きなだけ酒池肉林を楽しむといい!』
海皇龍の欲にあてられた兵達は、アビストリーテが守りたかった者達に牙を剥いていく。
そうして、レミューリアは狂乱に支配されることとなったのだ。
ポセイドラがその欲望の果てに己が身を滅ぼすまで。