無題

無題


聖地マリージョアでの任務中に、事は起こった

そもそも今回の任務は私は付き添いのようなものだったのだが…


「そこのお前、見事な歌声だえ。わちしの為に子守唄を歌うんだえ〜〜」

私の歌が天竜人にまで広まっていたのは正直誤算だった。


「チャ、チャルロス聖。ご指名ありがたいのですが私は仕事が…」

やんわりと断ろうとしたが、それが不味かった。

天竜人の逆鱗は、想像以上に近すぎた。


思い切り張り倒された。いくら鍛えていたとはいえ急すぎて受け身も取れずに地面につっ伏す。

「お前……生意気だえ。せっかくわちしが名誉ある職務を任じてやろうと言うのに、ムカつくえ〜…」


(…相変わらずめちゃくちゃだ、コイツら)

頬が痛む、上手く倒れられなかったから節々が軋むようだ。何でこんな事になるんだ。


「衛兵!とっとと来るんだえ!コイツを捉えて印をつけてやるえ!!」

印…ぞくりと背中に鳥肌立つ。コイツらは冗談なんて言える奴らじゃない。本気で天竜人の紋章を入れるつもりだろう。人としての終わりを告げるつもりだろう。

(…あーあ、これはもう無理だ、諦めよう…)

想像を超えたショックで意識を手放そうとしたその時


ブチィ!


感情の爆発するような音を聞いた


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