無題

 無題


 5号スレ的な何か


 これは夢なのだろうか。ぼやけた視界の先に、此処にはいないはずの少女の姿が見える。声をかけようと口を開くも、針を刺されたように痛む喉では、思ったように声が出ない。

 「大丈夫ですか?まだ少し、熱があるみたいですね」

 額にあてられた手の甲が離れ、代わりに少し湿ったタオルで汗を拭かれる。

 「お水飲みますか?」

 声が出ないのでこくりと頷くと、上体を起こされ、ストローを指したボトルが口の横に差し出される。

 吸い口から流れる冷たい液体が痛む喉を刺激する。それでも渇きを潤す為に、ひたすらに嚥下する。

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